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私が推し増しをしない理由
私はアイドル全般が好きだ。
小さい頃にSPEED、モー娘、あややを見て育ち、大学時代にAKBグループやももクロなど「会いに行けるアイドル」に出会い、社会人になってでんぱ組やBABYMETALに出会い、ついにテレビで観ていただけのアイドル好きを脱し「アイドル現場」に足を踏み入れることとなる。
今まで見てきたアイドルは不思議と女性アイドルだけだった。
「自分がこうありたい無敵の女の子像」を女性アイドルに重ね合わせていたからである。
私の異性への憧れは、バンドマンに全て詰まっていた。
硬派で、ストイックで、白か黒しか着なくて、綺麗にお化粧していて、髪が長くて、あまり笑わなくて、私生活が謎で。
だから男性アイドルは、どれだけ大手グループだろうと特に興味がわかなかった。
今までは。
そんな頑固な私の価値観を一瞬でひっくり返してきた男がいるのだ。
そう、村上耕平だ。
ただでさえ顔面が好きなのに、その大好きな顔で歌って踊ってくれて、声までもが私の脳をガツンと殴りつけてくる。
「やめて、私には今まで愛してきたバンドマンが…」と言いかけるも、無力。
村上耕平もまた、硬派で、ストイックで、白か黒しか着なくて、綺麗にお化粧していて、髪がまあ長めで(短髪でなければいい)、あまり笑わなくて、私生活が謎で、私が今まで愛した男たちをバッタバッタとなぎ倒してしまうのだ。
村上耕平は、私の人生初の男性アイドルの推しだ。
そして、おそらく人生最後の男性アイドルの推しでもある。
アイドルオタクをしていると、ありがたいことに友人オタクたちからの「布教」というイベントがある。
世の中にはたくさんの男性アイドルがいる。
ビジュ担当、歌唱担当、ダンス担当、ラップ担当、愛嬌、お笑い、リアコ営業、みんな色々な武器でファンを喜ばせている。
シンプルに楽曲がいいじゃん!と思うグループもいる。
推し増しするということは、単純に推しからの供給が増えるということだ。
今日はAさんのライブイベント、明日はBさんの配信、明後日はCさんのテレビ出演…
毎日最高なので、普通に考えたら推し増しはした方がいい。
自分が幸せになれる。
それでも、私は他現場に足を運んだり、推し増ししたりしていない。
村上耕平が私の理想に対してパーフェクトすぎるせいで、推し増しする余地を与えてくれないのだ。
私はここまで意固地に単推しを貫いて、今後村上耕平に蛙化する出来事が起きたらどうするのか?
整形失敗してとんでもないビジュアルになったらどうしよう?
電撃結婚したらどうする?
プリンセスになりたいあまりスカートを履き始めたらどうする?
ネットで暴言吐いて大炎上して、世界中の人がアンチになったらどうする?
私は今とても幸せなので、そういった時のことはその時考えればいいやと思っている。
たぶん、私は村上耕平がアイドルの肩書きを持っているから好きになったわけではない。
出会ったのがたまたまアイドルをやっている時だっただけで、今後ソロインフルエンサーやアイドルプロデューサーなどに転身したとしてもその時出会ったらきっとファンになると思う。
だから、私の中の村上耕平はステージで笑わなくていいし、整形も納得いくまでしていいし、恋愛や結婚も自由にしてほしい。
例え年齢に抗えなくてしわしわでブヨブヨのおじになってもいい。
村上耕平が幸せなら。
この重くてクソでかい感情が、私が推し増しできない理由なのだ。