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日本人は思っていたほど礼儀正しくはなかった(?)件について

「日本人は礼儀正しい」というイメージ、世界中でよく耳にします。私も日本に来る前は、そのイメージを抱いていました。公共の場では静かにしていたり、列はきっちり守るなど。人々は礼儀正しく、他人に対していつも思いやりがあるんだろう、と。でも、いざ日本で生活してみると、どうやら理想と現実には少しギャップがあることに気づきました。

たとえば、車道を横断する場合です。

日本人はきっちりルールを守るイメージがあったので、信号がない場所では渡らないだろうと思い込んでいました。ところが、ある日、50m先に信号と横断歩道があるにもかかわらす、信号のないところで堂々と道を渡った日本人のおじいさんを見かけました。最初は驚いて「え、そんなことしていいの?」と戸惑いました。しかし、日々そんな光景を目にしていると、いつしか自分も同じように道を横断するようになりました(笑)。ルールを重んじる国という印象は、少なくともこの場面では通用しなかったようです。

それから、駅や街中で突然ぶつかってくる「謎の不機嫌おじさん」。

道は十分に空いているのに、なぜかこちらに向かって歩いてきて、わざと肩をぶつけてくるアレです。しかも、ぶつかった後は謝罪の一言もなく、むしろ舌打ちして無言で立ち去る。日本では、狭い通路でも「すみません」と声をかけて通るイメージが強かったので、このようなシーンに出くわすと、「あれ?礼儀正しさはどこに行ったの?」と少なからずショックを受けます。何かストレスでも抱えているのかもしれませんが、それを他人にぶつけられても困りますよね。

さらに、私の職場でも礼儀正しさが薄れている場面を見かけました。

ある日、オフィス内で突然「何なんだその態度は?!」という怒鳴り声が聞こえてきたんです。しかも、その怒鳴られた相手も負けずに言い返していて、その後もしばらく口論が続いていました。日本の職場といえば、敬語が重んじられ、上下関係が厳しいものの、表向きは感情を抑えて淡々としていると思っていたので、こうしたシーンには驚かされました。礼儀や尊敬の念が重視される日本企業のはずが、現実ではこんな激しい場面も存在するんですね。

こうした体験を通じて、私は日本人の「礼儀正しさ」にも理想通りでない瞬間があると学びました。もちろん、日本人全体が不礼儀だというわけではありません。ただ、どの国にも「理想」と「現実」のギャップはあるということですね。距離があるところからだと、他国の文化を理想化してしまいがちですが、実際にその国に住んでみると、人々は案外、同じように感情を抱え、時にはその感情が表に出てしまうこともあると、あらためて気づかされました

逆に、私も日本に来たばかりの頃は、「郷に入っては郷に従え」と思っていたところがあり、この「礼儀正しい」国に来てしまったからには、自分もきちんとルールを守らなきゃ!って肩肘を張っていました。それが、いい意味でも悪い意味でも、理想やイメージ通りではなく「素の日本人」を見たおかげで、「自分も楽にしていいんだ」と思えるようになりました

「完璧な礼儀正しさ」なんて存在しないし、相手への思いやりをちゃんと大切にしていればそれでいいんだと思うようになってからは、少しだけ肩の力が抜けた感じがしました

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