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日本で見つけた、大変な職場に隠された意外なメリット

先日、元同僚に「相談したいことがあるんですが、会えませんか?」と連絡したところ、彼女はすぐに「いいよ、ごはん行きましょう」と返事をくれて、久しぶりに会うことになりました。彼女と食事をしながら近況を話していると、ふとこんなことを言われたんです。
転職先では、ここまで仲良くなれる人がいなくてね。なんだかんだ、前の職場って特別だったんだなって思いましたよ

その一言が妙に引っかかり、「私たちの職場って、そんなに特別だったのかな?」と考えさせられるきっかけになりました。

オフィスの外で築かれた絆という財産

今の職場では、忙しい時期を越えた後や節目のタイミングで、数ヶ月に一度、多いときには月に数回、仕事終わりに飲みに行くことがあります。そこに集まる顔ぶれも固定ではなく、毎回少しずつ違うんです。いつものメンバーもいれば、久しぶりに会う元同僚が顔を出したり、新しい顔がいたりして。これらの飲み会は、単に仕事の延長ではなく、会社での立場や役職を飛び越えて、気の合う個人同士として、改めて互いを知る機会だったように感じます。

そんな環境で築かれた関係性を象徴する言葉が、彼女のもう一つの発言に詰まっていました。
この会社では、何を言っても許されると思える関係がありましたね

もちろん、本当に「何でも言っていい」というわけではありません。でも、特に仲のいいメンバーの前では、「何を言っても、たとえ言い過ぎたかなと思うことがあっても、きっと受け止めてもらえる」という感覚があるんです。この空気感、単なる信頼とか安心感じゃ説明しきれない独特のもので、それがこの職場で得られた一番の財産だったのかもしれません。

一緒に乗り越えた日々が生んだ信頼のカタチ

では、なぜこんな関係が生まれたのか。私なりに考えた結論はこれです。
みんな同じように大変な思いをしていたから

同じような忙しさ、プレッシャー、あるいは失敗を乗り越えてきた仲間だからこそ、「あのしんどさ、わかるよ」と言い合える絆がある。そして、その根底には、妥協しない誠実さや、仕事と正面から向き合う強さなど、互いを認め合う信頼関係があります。これが、今でも続く「仲の良さ」に結びついているんじゃないかなと思います。

中国語に「革命情感」という言葉があります。これは、革命のような大きな出来事を共に経験した人たちの間に生まれる強い仲間意識を指します。私たちも革命とは言えないまでも、共に努力し続けた日々がベースとなり、人間関係を深めたのだと思います。

ホワイトな職場が抱えるドライな一面

一方で、転職していった元同僚が語る新しい職場は、いわゆる「ホワイト企業」。残業はほぼゼロ、プライベートも大事にされる。でも、その分、仕事とプライベートをきっちり分ける文化が根付いていて、人間関係はどうしてもドライになりがち。
仕事は仕事、それ以上でもそれ以下でもない

そういう職場のほうが、効率は良いしストレスも少ないのかもしれません。ただ、仕事にやりがいや居場所を少なからず求めている人にとっては、逆に物足りなく感じることもあるでしょう。

「大変だったけど良かった」と言える理由

とはいえ、大変な職場がすべて良いわけではありません。心身ともに疲れ果ててしまうこともあるし、必ずしも全員と仲良くなれるわけでもありません。それでも、あの時期を共に頑張ったからこそ得られた特別な絆があるのは事実です。

特に異国で家族や友人と離れて暮らす私にとって、本音を言い合える仲間の存在はとても心強いものです。だからこそ、かつての大変さを共に乗り越えた経験と、そこから生じた人間関係は、私にとっての「宝物」なんです。
2025年でも、この絆を大切にしていきたい。

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