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日本で「顔を覚えられる店」ができた!外国人の小さな喜び

日本で6年も住んでいましたが、ここ1年でようやく顔を覚えてもらえたお店ができました!香港で長く住んでいたころも、顔を覚えられるようなお店はほとんどなかったので、実はちょっと嬉しかったりします。

そのうちの一つは、ランチで通っている洋食屋さんです。会社の近くにあって、日替わりメニューなので飽きることがなく、一時期は週2〜3回も通っていました。

日本の飲食店といえば、季節を問わずお冷を出すところがほとんどですが、このお店では頼めばお湯を出してくれるのです!中華圏では冷たい飲み物がお腹を冷やすため、体に良くないとされており、そう教えられて育った私にとって温かい飲み物をチョイスするのは、もう習慣のようなものです。実際、ウォーターサーバーのある会社では毎日水筒にお湯を入れて飲んでいましたし、スタバでも基本ホットのメニューしか注文しません。

そんな私がそのお店で毎回お湯を頼んでいたある日、暖かくなってきたこともあり「今日はお冷でいいか」と思い、お湯を頼みませんでした。すると、食事と一緒に店員さんがそっとお湯を差し出してくれたのです。「よかったらどうぞ、いつも頼まれてますよね」と。その一言に驚きつつ、「『お湯を頼む人』として認識されているのかな?」と気づき、なんだか嬉しくなりました。

一方で、香港の接客はもう少しスピーディーでドライな印象です。顔を覚えられることはなく、お客さんを「もてなす」というよりはむしろ「さばく」雰囲気が強く、効率が重視されます。ただ、面白いのはお客さんの呼び方。日本では「お客様」と呼ばれるところを、香港では男性客を「靚仔(イケメン)」、女性客を「靚女(美人さん)」、若い男性を「細佬(にいちゃん)」、若い女性を「阿妹(嬢ちゃん)」と、面識がない相手でも親しげに呼ぶことがあります

個人として認識されるわけではありませんが、不思議と距離が縮まり親しみを感じるのです。その愛嬌たっぷりの呼び方に、先月久しぶりに香港へ帰ったときは懐かしさを覚えました。

顔を覚えられる店はまだ少ないけれど、日本のさりげない気配りや香港の愛称での親しみ方。それぞれの接客に違いがあっても、私にとっては心に残る温かさがあり、異なる文化の中に見つけた小さな魅力だと思いました。


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