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文法本が逆効果?英語をマスターしたいなら文法はいったん忘れましょう

先日、後輩からこんな相談を受けました。
「英語の勉強を頑張ってるんですけど、全然上達しなくて……」

真面目すぎる勉強法の落とし穴

彼女は、英語の文法本を片手に、ひとつひとつの文法構造を理解しようとしているそうです。単語の役割や前置詞の使い方まで細かく分析しようとする姿勢は、とても真面目。ですが、なかなか前に進めず、挫折しそうだと言っていました。

そこで私は「文法を細かく覚えようとするから、逆に難しくしているかもよ?」と伝えてみたところ、彼女は「できる人はみんなそう言うけど、それで簡単にできたら苦労しませんよ!」と、納得できない様子でした。真面目に取り組んでいるからこそ、文法を後回しにするという考え方が腑に落ちなかったようです。

そこで逆の発想としてお話ししたのが、外国人が日本語を学ぶときのことでした。

文法は思ったより難しい?日本語で考えてみる

私は以前、日本語を教えていたことがあり、そのとき教師用の本に以下のような説明が書いてありました。

日本語の動詞は、3つのグループに分類されることができます。この分類は、動詞の「辞書形」を「ます形」に変える際の規則性に基づいています。

1. グループ1(五段動詞)

動詞の語尾をひらがな1文字繰り上げて、「ます」を付けるパターン。
• 例:
「書く」 → 「書きます」
「話す」 → 「話します」

2. グループ2(一段動詞)
動詞の語尾の「る」を取り除き、「ます」を付けるパターン。
• 例:
「食べる」 → 「食べます」
「見る」 → 「見ます」

3. グループ3(不規則動詞)
上記のルールに当てはまらない例外的な動詞。
• 例:
「する」 → 「します」
「来る」 → 「来ます」

(日本語教師用の教科書より)

このように、日本語学習では動詞をグループ化して覚える方法が提案されています。確かに効率的に見えますし、ルールがはっきりしている分、教える側としても説明しやすいです。しかし、実際にこれを会話のたびに意識しながら使うのは非常に難しいと思いませんか

英語もまったく同じです。文法にこだわるあまり、実際に使う経験が不足してしまうことが、成長の妨げになります。それに、どんな文法ルールにも例外は存在します。そんな中で、すべての文法を完璧に覚えようとするのは、むしろ上達の足枷になってしまいます。

あなたにとって、言語学習のゴールは何ですか?

ひとりの日本語学習者、そして英語学習者として、私はどちらかと言うと、たくさんのインプットを聞き、発音に慣れ、真似をするうちに自然と「正しい」使い方を身についたのです。

補足ですが、ここで言う「正しい」を、「文法的に正しい」ではなくネイティブっぽい」の意味で捉えてほしいです。日本人でも文法を間違えるときがあるし、アメリカ人でも常に文法本とおりに話しているわけではないと思うから。なにより、私にとって、言語学習のゴールはあくまでネイティブの方と同じように話せること。文法はその手段の一部にすぎないので、完璧でなくても先に進めそうなら時間をかけ過ぎないようにしていました。

文法をいったん忘れて、まずは英語を楽しもう

後輩にこの話をしたところ、「なるほど、そう考えると納得できるかも」と少し気が楽になった様子でした。

もしあなたも、文法に苦しんでいるなら、いったん文法本を閉じて、以下のような方法を試してみることをおすすめします。
• 好きな映画やドラマを字幕付きで何度も観る
• 好きな作品の台詞をシャドウイングで真似する
• 英語で独り言を言う

詳細は別の投稿に書いていますが、これらの方法は、楽しいだけじゃなく、確実に効果が出ていたものばかりです。よかったら参考にしてみてください。

まとめ

文法は確かに重要な要素ですが、それにとらわれすぎるのは逆効果です。
言語は「ツール」であり、説明書を熟読するより、使っていくうちに自然と使い方が身についていくものです。文法の正しさにこだわりすぎず、「間違えてもいいから使ってみよう」くらいの気持ちで、まずは英語を楽しく触れる時間を増やしてみましょう。

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