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デフォルトモードネットワークを活かす
現代は社会全体のスピードが早く、その内容も複雑化しています。
多くの人は、なかなかに多量な情報を処理し1日を過ごしているのではないでしょうか。
脳内に外界からの情報が入ってくると、これまでの記憶と照らし合わせ価値判断をした上で、情報は記憶の貯蔵庫に上書き保存されます。
この価値判断の工程をこれまでの記事でも取り上げてきたとおり『認知』と呼びますが、取り込んだ情報を処理する『負荷』のことを『認知負荷』と呼びます。
現代人は、スマホ・タブレット・パソコンなどの使用時間も長く、過剰な外界からの情報により脳疲労状態に陥りがちです。
睡眠不足で『今日こそは早く寝るぞ』と思っていたのに、一旦スマホを手に取ると何故か普段よりだらだら使ってしまった・・・ということもあるかもしれません。
これは何故なのでしょうか?
『やめる』という行動には、意外とエネルギーを要します。
このため脳疲労状態になると、さして興味のない内容なのに延々とネットサーフィンを繰り返し睡眠不足となりやすく、またなんとなく習慣的にスマホを手に取り『負のループ・・・』となりやすいようなのです。
この『負のループ』に陥ってしまう前に。
まずは『脳疲労状態』に気づいてあげましょう。
脳疲労のサイン
・新しい物事を覚えづらくなる
・覚えたことを思い出しづらくなる(想起に時間がかかる)
・普段ならなんともないような事でイライラしてしまう
・ケアレスミスが増える
・計画性がなくなる
『脳疲労状態』に気づいたら・・・
脳を休めてあげましょう。
つまりは『ぼーっとした時間を作る』。
これは、実は『何もしていない』わけではなく、『デフォルトモードネットワークを働かせる』という、能動的な状況です。
『デフォルトモードネットワーク』というのは、どんな時も常に動いている神経ネットワークですが、外的課題への注意が向いていない状況下で活性化する特徴があります。
また活性化状況においては、自己内面への意識が深まりやすく、新しい記憶を定着させたり既存の記憶を整理し展望を見出すなど、閃きにつながる脳内の整理を行なっていることが最近の研究で判明されています。
『ぼーっとする』ことにより、『デフォルトモードネットワークが働きやすい状況』を作ることなのですね。
『寝ている間に考えがなんだか整理されていた』といったこともこの働きによるものです。
エジソンをはじめとした偉人の発明も『ぼーっとしている時』の閃きから生まれたものが多いそうです。
デフォルトモードネットワークを活かす試みの提案
・ゆっくりと深い呼吸を行う
・体の状況に意識を向けながらアーサナを行う(デフォルトモードネットワークを働かせる目的には簡単なストレッチで十分です)
・ルーティーン動作を普段よりもゆっくりと行う
忙しい日々の中にも、ご自分に合った方法で『脳を休めつつ適切に活性化する』時間を作ってあげましょう。
参考文献:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjppp/31/1/31_1301si/_pdf/-char/ja
本日のやわらかなアーサナ
●太陽を仰ぐポーズ
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呼吸と体の動きを同調させて行う、シンプルながら奥深いポーズです。
やわらかい呼吸が体と心のゆるみをもたらしてくれます。
大自然の中で好きな香りに包まれているイメージで。
肺だけではなく、全身でやわらかく呼吸を行う感覚を養いましょう。
①両足を腰幅程度に開いて立ちます。
両足先は正面に向け膝はロックしないように。
骨盤は正中位に起こしおへその指3本下側の丹田をきゅっとお腹に引き込んで。
顎は軽く引いて首・肩・顔面の筋肉もやわらかく緩めましょう。
胸は開いて頭頂から空へ引き上げられているイメージで。
②吸気に合わせて両腕を左右から上げていきバンザイをします。
(腕を上げていく際は胸の中央から翼を広げるようにふんわりと)
目線は軽く見上げる位置に、空へ向かって体を伸ばしながら息を吸い切ります。
③息を吐きながら両手掌を頭の上で合わせ、息を吐きながらやわらかく合掌の姿勢まで腕を下ろします。
①〜③の動きを呼吸と連動させてゆっくりリラックスして1〜5分程度繰り返します。
ご自身の呼吸の状態・全身の緩みを感じながら行いましょう。
最後まで読んでいただき有難うございます。
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