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中国では日本の貧困本ブーム?

この前、好きな彫刻家の個展をやっていると知って銀座に行ってきた。好きな彫刻家はオランダ生まれ、ベルギー在住のマーク・マンダースという人で、簡単に言うと(美術界の人には怒られるかもしれないが)大きな人の顔などを作っている。数年前に東京都現代美術館でこの人の大規模展を見たときに、作品と、そのまわりにできる空間が好きだな、と思った。

ギャラリーに行くと、作品を見るのと同時に、その空間の中に身を置くことによる体への影響が少なからずあって、作家によってそれがヒーリングになったり、喝になったり、呪いになったりする。マーク・マンダースの場合、私にとっては「浄化」で、またあの空間に身を置きたいな、と思って行ってきた。

小規模ながらも、とてもよかった。特に今回の展示では、作家のアトリエを再現するべく空間全体をビニールで覆ってあって、静謐ないい空間になっていた。

ギャラリーを出た後、近くに小さな書店を見つけたので入ってみた。すると、びっくり。この書店、なんと中国の本を扱う本屋さんだったのだ。並んでいる本のタイトルもほとんどが中国語。一部、日本語に翻訳された中国作家の本や、韓国語の本も置いてあった。また中には中国語に訳された日本の本コーナーもあって、この選書がなかなかおもしろかった。まず、社会学者の上野千鶴子の本がやたら多い。最近中国で大ブームになっていると何かで読んだけど、あの話は本当だったんだと思った。それから鶴見俊輔を筆頭に、日本の骨太な哲学書、思想書コーナーが小説コーナーより充実。なんでも書店併設のカフェで勉強会も定期開催されているらしい。

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