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花粉症が発症するメカニズムと抗ヒスタミン剤の働き:アレグラの解説


花粉症が発症するメカニズム

花粉症の患者数や有病率の最新のデータを調べてみたところ、調査した団体や組織ごとに異なりますが、「あなたは花粉症ですか?」の問いに対して「花粉症です」こと答えた人は、男女や若年高齢の性別年代に関係なく、いずれも半数を超えているものが多く見受けられました。

花粉症は一度発症したら治りにくい、毎年続く季節性アレルギー疾患です


花粉症は治りにくい病気ですが、早めの対策をすることで症状を抑えることができます。

そもそも花粉症はなぜ発症するのか


花粉症の最初の記事として、花粉症が発症するメカニズムを調べてみました。

1.飛散した花粉が目や鼻、のどから体内に侵入すると、免疫細胞のヘルパーT細胞2型(Th2)が花粉を異物(抗原)と認識します。

Th2は花粉の情報をサイトカインの一種であるインターロイキン(IL)に伝えて放出します。サイトカインとは他の細胞に情報を伝達する物質です。

2.ILの指令を受けたリンパ球のB細胞は分化して「形質細胞」になります。形質細胞は抗原に対抗する「抗体」を産生します。この場合、花粉の抗体は「IgE抗体」になります。

3.形質細胞から産生されたIgE抗体は肥満細胞と結合します(感作の状態)。肥満細胞とIgE抗体が結合することで、花粉に対するアレルギー症状が起こりやすくなります。

4.再び花粉が体内に侵入してきたとき、IgE抗体と花粉は結合して、その刺激で肥満細胞から「ヒスタミン」が放出されます。肥満細胞は外界と接する目や鼻、のどの粘膜などに存在
します。

5.ヒスタミンはヒスタミン受容体と結合して炎症反応を起こします。炎症反応は血管透過性の亢進、粘液の分泌、気管支の収縮を起こしてくしゃみ、鼻水、目のかゆみなどの花粉症の症状になります。


花粉症に使われる「抗ヒスタミン剤」はヒスタミンより早く受容体と結合することで、ヒスタミンによるアレルギー症状を緩和します。


アレグラ、アレルビの成分その他詳細情報



アレグラFX 56錠3850円(参考価格)
成分
1日量2錠中、フェキソフェナジン塩酸塩120mg

用法用量
・15歳以上1回1錠、1日2回朝夕に服用してください。

※用法用量の注意
・花粉などの季節性アレルギー性鼻炎症状に使用する場合は花粉飛散予測日以降、または症状が出始めたら「早めに」服用すると効果的です。
・花粉の飛散期間中は継続して服用すると効果的です。

効能効果
花粉、ハウスダストなどによる次のような鼻のアレルギー症状の緩和:くしゃみ、鼻水、鼻づまり

してはいけないこと
●本剤を服用している間は次の医薬品を使用しないでください。
・他のアレルギー用薬、抗ヒスタミン剤
・水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウム:
アルミニウムやマグネシウムはフェキソフェナジンを一時的に吸着して吸収力が減少します。
・エリスロマイシン(抗生物質)、アパルタミド(前立腺がん治療剤)

●授乳中の人は本剤を服用しないでください:
動物実験で乳汁中への移行が認められています。

相談すること
次の人は服用前に医師や薬剤師に相談してください。
・妊婦や高齢者
・服用後に次の副作用が持続、増強したとき:口の渇き、便秘、下痢、眠気


アレルビ
成分
1日量2錠中、フェキソフェナジン塩酸塩120mg

用法用量
15歳以上1回1錠、1日2回朝夕に水またはお湯で服用してください。

効能効果、してはいけないこと、相談すること等アレグラと同様です。その他ご不明な点は医師や薬剤師にご相談ください。


花粉症であることを忘れてしまうアレグラの解説

アレグラは2016年8月に第2類医薬品として発売されましたがその前は第1類、その前は医療用医薬品として使われてきたアレルギー性鼻炎薬です。

ロキソニンのような医療用医薬品と同成分、同含有量の単剤はどれも評価が高く、よく効きます。タイトルの「花粉症であることを忘れてしまう」とはクチコミサイトからの引用ですが、アレグラの特徴の一つでもある「1日2回で24時間しっかり効く」ことが影響しているかもしれません。

アレグラのその他の強みを解説します。

1.フェキソフェナジンは第2世代の抗ヒスタミン剤
アレグラは2016年発売なので比較的新しい抗ヒスタミン剤ですが、かぜ薬に配合されている次の抗ヒスタミン剤は第1世代と呼ばれています。

・クロルフェニラミン
・ジフェンヒドラミン


第1世代と第2世代には決定的な違いがあります。

血液脳関門を越えるか超えないか


第1世代は血液脳関門を超えて脳の「中枢神経」に作用するので、次の副作用が起こりやすくなります。

・眠気やめまい
・集中力、判断力の低下など


花粉の飛散は2月から始まるので学校では受験、会社では年度末で体調を崩せない大事な時期です。しかし、花粉は受験や年度末のことなど知りません。人間は自然に逆らうことはできませんが、花粉の飛散時期を予測し、それに備えることができます。

第2世代の抗ヒスタミン剤は第1世代に比べて副作用である
眠気やめまい、集中力の低下が起こりにくくなります


花粉症の症状だけでなく中枢神経の副作用が抑えられるだけで、いつもの日常に近い時間が過ごせます。


2.アレグラとアレルビの違い
アレグラとアレルビはどちらも「フェキソフェナジン」を有効成分としたアレルギー性鼻炎薬ですが、違いは2つあります。

会社と値段です


アレグラを販売する久光製薬は、テレビでCMを流せる豊富な資金力を持った上場企業です。一方でアレルビを販売する会社は聞いたことがありません。聞いたことがない会社なのでドラッグストアで目にする機会は少なく、ネット通販が主になります。

だからアレルビはアレグラの半額近い値段で購入できます


花粉症の薬は鎮痛剤と違って1ヶ月に10回以内どころではなく、花粉が飛散する時期は毎日服用することになります。

仮に2月中旬から4月中旬までの2ヶ月間毎日服用するとなると、60日×2錠で120錠になります。アレグラで8000円近くするものがアレルビで4000円近くになるのなら、余った4000円を好きなものに使えます。

有効成分が同じなら、同じ効果が期待できます


これまでアレグラを使ってみて効果を実感できた人は、アレルビでも同じ効果が期待できます。最初は少ない錠数から試してみて、同じ効果が出るのなら25年の花粉シーズンはアレルビを選択するのも一つの考え方です。

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