ゴミを拾うということ。
twitterなどを見ていると、「マンションのごみ捨て場で~を拾った」といった話題を見かけることがある。
閲覧者諸賢はこれを見て疑問を抱くかもしれない。「ゴミ捨て場で物を拾う人がそんなにいるのか」と。
そんな方にひとつお話をしよう。
ある日、私が住んでいたアパートのゴミ捨て場にパソコン用のイスが置かれていた。
自分の部屋で使われていたのはパイプ椅子なので、それを見た私はその椅子が欲しくなった。そこで、人通りを確認しつつ持ち帰ったのだ。
幸いにして私の部屋は2階なので、そのぶんだけ目につきにくい。特に見とがめられることもなく持ち帰ることができた。
私は早速その椅子を机の前に置き、全体を眺めまわす。
なんということか、背もたれが壊れていることが判明したのだ。やむなく私はその椅子をゴミ捨て場に戻し、ゴミは回収された。
その後、私はまた何か捨てられていないかとゴミ捨て場を覗き込んだ。
するとなんと、あの椅子がまた捨てられているではないか。
察するにこういうことだろう。私があの椅子をゴミ捨て場に戻したあと、また別の誰かが私と同じようにゴミ捨て場から回収し、私と同じようにまたゴミ捨て場に戻そうとした。
しかしもうゴミは回収されていたので、やむなく次の回収を待って捨てたということだ。
つまり、あのアパートにはゴミ捨て場からゴミを持ち帰る者が少なくとも2人住んでいたということになる。
twitterにゴミ捨て場から物を持ち帰ったという話があふれていても驚くには値しないというわけだ。