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#527 「パワハラか、否か」以前の「組織の問題」に気づきたい

竹内義晴の「これからの働き方」――この番組は、これからの働き方、組織作り、地域づくりの実務家、竹内義晴が「楽しく働く」をテーマに、組織づくりやコミュニケーション、マーケティング、キャリアデザイン、複業、テレワーク、ワーケーションなどの視点でゆるゆるとお話をしていく番組です。

音声はこちら。


パワハラ・モラハラの講演

今日は、カレンダーで言うと3連休の最終日ですね。みなさんは何をされていましたか?

僕は、2日後に登壇する講演のスライドを手直ししていました。

今回の講演のテーマが、いわゆるコンプライアンスに関する内容です。言ってみれば、パワハラ・モラハラみたいな話でしょうか?

僕は必ずしも、パワハラ・モラハラの専門家ではありません。一方で、パワハラ・モラハラと言われてしまうのは、言ってみれば「コミュニケーションの問題」ですよね? コミュニケーションの観点で言えば、僕は様々な経験があります。

コンプライアンスの話をするなら、パワハラ・モラハラの視点で、「ここまではいい」とか、「ここからは良くない」とか、そういった「パワハラ・モラハラの定義」みたいな話よりも、そこに至るもっと前段階の「そもそも」の部分の話ができたらいいなと思っています。

今回お話する対象は「経営層」

今回お話しする対象のみなさんは、いわゆる経営層というんでしょうかね? 社長とか、役員とか、そういったみなさんにお話しします。

管理職のみなさんにお話しする場合だったら、「このように話を聞きましょう」とか、具体的に「どうすればいいか?」という話をよくしますが、経営者とか、部課長のみなさんに対して、「どういう話だと、刺さるかな」と悩みます。

なぜなら、経営層の方々って、必ずしも直接、現場のみなさんと接しない場合もあると思うので。そういった方々に対して「何を言えばいいのかな?」というのは、悩みポイントです。

「パワハラか、否か」を議論している時点で、組織としては問題

いまも某県の知事が、パワハラの問題でメディアを騒がせています。「これはパワハラなのか/パワハラじゃないのか」みたいな議論が行われています。

ですが、そもそも「これがパワハラか? パワハラじゃないか?」とか、「どこまでがいい? 悪い?」とか、そういったことを基準に、組織作りやコミュニケーションを考えているんだとしたら、それ自体が問題じゃないかな? と思っています。

ちなみに「ハラスメントの定義とは?」

ちなみに、パワーハラスメントの定義って調べてみたらあるんですね。厚生労働省の「あかるい職場応援団」というサイトによれば……

職場のパワーハラスメントとは

職場のパワーハラスメントとは、職場において行われる①優越的な関係を背景とした言動であって、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるものであり、①から③までの3つの要素を全て満たすものをいいます。
なお、客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、職場におけるパワーハラスメントには該当しません。

出典:パワーハラスメントの定義 | あかるい職場応援団

……と書かれています。また、こうしたサイトには、いろんな事例や情報も掲載されています。

ですが、先ほどもお話したように、そもそも「これはパワハラか? パワハラじゃないか?」みたいなことを気にしなければならない関わり方やコミュニケーションが行われているとすれば、その時点で問題じゃないかと思います。

「ここまではいい」とか、「よくない」とか、そもそも、そういう問題じゃありませんよね。

現実には、自分と合わない人はいる。でも……

もちろん、自分と合わないタイプの人って、誰でもいると思うんですよ。僕にもいます。少なからず「もう、あの人とは一緒に仕事したくないな」って思う人が数人います。

ですが、同じ環境で仕事をするのならば、支配的ではなく、お互いにとって良好な関係で、いい気分で仕事がしたい……ということが大前提かなと、僕は思います。

このような関わり方を前提とする関係づくりを、まず、大事にしたいなと思うんですよね。「このぐらいのプレッシャーはいいんだ」みたいな考え方が前提の人とは、僕は一緒に仕事をしたいと思わないタイプですね。

ベテラン世代は、上の世代から理不尽な関わり方をされてきている

一方で、特にベテラン世代の方々は、自分たち自身が、上の世代から理不尽な関わり方や、「それはないでしょ?」という関わり方をされてきている場合があります。

その結果、無意識に、パワハラ・モラハラ的な関わり方をしてしまう場合も、なきにしもあらず……というのが、実際のところだと思います。

それでも「どうしたら、この環境でよりよい関係で仕事ができるのか?」を考える

ですが、「これはパワハラか? パワハラじゃないか?」みたいな、そうしたスレスレのところを攻める関わり方ではなく、「どうしたら、この環境でよりよい関係で仕事ができるのか?」を考えたり、何か、指摘をしなければならないことがあっても、「いまよりも成長を支援できるような言葉遣いはどういったものか?」――日々のコミュニケーションに関して、このような方向に認識を向けておけば、それほどパワハラ・モラハラを気にすることが、そもそもないのではないか? と、僕は思っています。

というわけで、今日はパワハラ・モラハラについてお話してみました。普段はあんまり話しませんもんね。パワハラ・モラハラについては。

というわけで、今日の話はこれで終わりにします。

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