#515 「システムありき」でITベンダーやコンサルに振り回されないDX
竹内義晴の「これからの働き方」――この番組は、これからの働き方、組織作り、地域づくりの実務家、竹内義晴が「楽しく働く」をテーマに、組織づくりやコミュニケーション、マーケティング、キャリアデザイン、複業、テレワーク、ワーケーションなどの視点でゆるゆるとお話をしていく番組です。
音声はこちら。
いまですね、DXに関するお話をしています。
昨日は「問題解決メソッドから始めるDX」ということで、DXは「変革」ですから、DXをはじめるためには、まずは、業務の中でモヤモヤしている問題とか、そういったことを洗い出すことから始める必要があるよね、と。そこで、サイボウズの、問題を解決するためのフレームワーク「問題解決メソッド」を紹介し始めました。
今日は、問題解決メソッドの続き「どうやって、問題を解決していくのか?」という話をしようと思っていたんですが、今日、とある方とやり取りをしていまして、「なぜ、デジタル化・システム化から始めてはいけないのか?」というやり取りがまさにあったので、今日はその話を先にしておきたいと思います。
その方とは、今日、メールでやり取りしていたんですよね。僕のほうから「DXの文脈の中に、課題を感じている」と。で、その方からのいただいた返信が、「まさにいま、DXやデジタル化の界隈で起こっている問題だな」と、強く強く感じたので、この話をしたいと思いました。
DXやデジタル化界隈で起こっている問題
その方と仕事でご一緒したのは、もう、かれこれ5年ぐらいになります。この、DXやデジタル化の問題にたいして、僕がメールで、その方にどんな問いを投げたか? というと……。
これは、僕が書いた文章なのでそのまま出しそうかと思いますけど……
こんなことを書いて送りました。そうしたらですね……
ここからはいただいたメールなので、そのまま引用するのは控えます。そこで、書かれている内容を僕の言葉で置き換えて話します。
DXやデジタル化は、あまり役に立っていない
さまざまな、DXを推進する企業やITベンダー、コンサルタントのような方々にシステムを売り込まれて、それっきり……という実態が多い
その理由は、(いま、まさにここでお話している)「この業務に、こういった問題があって」「それに対して、こういった状況が理想で」「でも、現在はこうなっているから」「理想を目指していこうよ」という青写真を描かぬまま、ただただ「システムを導入すること」が目的になっている
システムを入れたり、データを連携すると「何か魔法でも起きて、今まで起こっていた問題がすべて解決する」かのような、導入ありきのことが起こっている
これが、DXやデジタル化の実体ではないか
……という課題感を僕に共有してくださいました。
僕も、本当にそうだと思っています。
システムありきで導入すると困るのが「現場」
現状の問題を描かずに、あるいは、理想を描かずに、ただ、システム導入ありきで、どこが一番困るかというと「現場」ですよね。
「何が目的かもよくわからないままシステムを入れさせられて、とりあえずデータを入れさせられて、よくわからないままレポートを出させられて、結局、何が良くなっているのか、何に貢献しているのかもわからないまま、ただただ、現場が振り回される」と。
これが、DXやデジタル化の界隈で起こっている実情ではないか、という話でした。
いま、DXについてお話している理由
僕がいま、DXについて話しているのは、まさに、このあたりの課題感を感じていて。
システム化、デジタル化の前に、まず、やるべきことがあるとするならば、実務の中で「これは問題だな」と思うところをちゃんと洗い出して、そして、「こういう風にしていくのが理想だよね」という理想を描いて、その結果、見えてきた「現状と理想の間にあるギャップ埋める手段は何か?」を考える。
その手段が、デジタル化だったら全然問題ないわけですが、変革というのは、システムがしてくれるわけではなく、私たち人が「どう変えていくか?」というところが大切なので、まずは問題を正しく認識する必要があるよね……ということで、いま、問題を解決するためのフレームワーク「問題解決メソッド」について、お話をし始めたということです。
ちょうどタイムリーなお話で、今日、このタイミングを逃すと色あせてしまうなと思ったので、今日、お話してみました。
では、今日の話はこれで終わりにします。
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