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第2章まとめ―キャリア不安を減らす「社会との接点」をどうつくるか

竹内義晴の「これからの働き方」――この番組は、これからの働き方、組織作り、地域づくりの実務家、竹内義晴が「楽しく働く」をテーマに、組織づくりやコミュニケーション、マーケティング、キャリアデザイン、複業、テレワーク、ワーケーションなどの視点でゆるゆるとお話をしていく番組です。

いま、noteさんの #創作大賞2024 #ビジネス部門 という企画に参加しています。『「仕事っぽいシゴト」が社会の課題を解決する』というタイトルの本を作るイメージで毎日お話しています。1本目、目次はこちらです。

昨日は、「がんばってきた人が「年齢」だけで烙印を押されるのはいいことだと思わない」というお話をしました。

今日は、「第2章まとめ―キャリア不安を減らす「社会との接点」をどうつくるか」というお話です。

音声はこちらです。

キャリアに不安を抱える人たちが増えていますよね

今回の本『「仕事っぽいシゴト」が社会の課題を解決する』の第2章では、いま、会社の中で起こっている現状の課題についてお話をしてきました。

大きくまとめると、未来が見えにくくなってきている中で「キャリアに不安を抱える人たちが増えていますよね」と。

その中で、若手社員の人だったら「今後どうなるのかな」「自分はこのまま、この会社で経験を積んでいれば大丈夫なんだろうか?」といった、未来のキャリアに対する不安を抱えている……。

一方、中堅世代やベテラン世代の人たちも不安を抱えています。

いままでだったら、30代ぐらいでリーダーになり、40代ぐらいで管理職になり、50代を過ぎたら役職定年になり、65歳で定年……みたいな、なんとなく「働くストーリー」がありましたが、人生100年時代と言われるようになってきて、「どうやら、もう少し長く働く必要がありそうだ」と。

本当は、会社に加えて、第2、第3のキャリアにつながるような、社会との接点があるといいとは思うけれど、なかなかそれができない。このような形で、未来に対して不安を抱えている人が多いのではないかと思います。

個人だけではなく、企業の課題でもある

企業は企業で、ずっと社員を抱え続けるのは雇用主としては大変です。だから、できれば社員が、何かしらの形で社会と関われる何かしらの接点を作って、第2、第3のキャリアを支援できたらいいのに……とは思っている。

けれど、そういった方法論はまだ、なかなか明確に作られてはいません。そういったところに課題感を持っている人事の方々も多いです。

このように、働き方や生き方が変わってきている中で、本来なら、新たなキャリアを構築していく方法みたいなものを作っていかなければならない。けれども、なかなかそれが作れない。

そのため、一部では「キャリア自律」とか「キャリアオーナーシップ」といった形で、「自分のキャリアは、自分で考えよう」「自分のキャリアに対して主体性を持とう」といった取り組みが起こり始めてはいます。

けれども、ごくごく一部のところで、そうした動きがあるだけで、多くの人たちはいままでの働き方の中にいます。働き方が変わってきているのに「この先、どうなるんだろう?」と、未来が見えないことに対するキャリアの不安を抱えている……というのが、いま会社で起こっている「働き方」と「キャリア」に関するギャップです。

第2章では、そういった、会社の中で起こっている課題感についてお話してきました。

キャリアの不安を解消していくために必要なこと

こういった、キャリアの不安を解消していくためには、何が必要なのか……

いままでは65歳で定年で、そこからは退職金と年金で暮らすという生き方のロールモデルでした。

けれども、人生100年時代になると、もうちょっと長く働く必要がありそうです。そうすると、第2、第3のキャリアを形成していく必要がありそうですね。しかし現状は、第2、第3のキャリアとの接点がうまく作られていない……という状況です。

もしも、理想的な姿を考えるとしたら、第2、第3のキャリアが歩めるように、自分の強みやできること、あるいは、人となりみたいなものを言葉にして、「わたしはこういう人ですよ」「わたしはこういう強みがあります」「わたしはこういうのが得意です」「これは苦手だけど、人となりはこういう感じです」といったことを言語化し、伝えて、社会との接点を作っていく必要があるんじゃないかなと思います。

しかし、現段階では、まだそれが難しい状況です。

その理由として、多くの人が「会社で働いている」というのが、もっとも大きな理由だと思っています。

なぜ、僕が「自分のキャリアや強みを、うまく言語化できない人が多い」と感じているのか? それは、実際にそういう経験をしたからです。

自分のキャリアや強みを、うまく言語化できない人たち

2020年に、複業人材を募集したことがあります。複業人材なので「自分の仕事を持ちながら、いっしょに仕事をしませんか?」という取り組みでした。

そこで、「〇〇を目的に、□□の仕事をします。なので、あなたの強みやPRのポイント、何ができるかなどを、応募に書いて、送ってね」のように、応募者を募りました。

その時の、職務経歴書には、2つの特徴があったんですよね。1つは「うまく書けている人」。もう1つは「うまく書けていない人」。

この「うまく書けている人と、書けていない人の違い」について、フリーランスの人は、比較的うまく書けているなと思いました。その理由としては、日頃から「仕事が欲しい」というか、いろんなところに応募をしているのではないかと思いますが、「いままで、自分が関わった仕事はこれです」「自分の強みはこれです」「これまで作ってきた作品はこうです」「こういう成果を上げてきました」みたいな、これまでの経験や実績をうまくまとめられていました。

一方、会社員の方々の中で、それをうまく言語化できている人が、結構少なかったんです。ひどい人だと、5行ぐらいしか書いてなくて。「働きたいんだったら、もうちょっと書いてきてほしいな」って、さすがに思いました。

その時、強く思ったのは、「いままで、ずっと会社の中で過ごしてきたから、社会との接点を持つ必要がなかったんじゃないか」ということでした。「わたしは、こういうことができます」「強みはこうです」「こういう成果を出してきました」みたいな、自分の経験、知識、人となりみたいなもの。そういったことの言語化をした経験がないんだな……と思ったんです。

会社員だから、フリーランスだからといったことではなく、いち労働者として、今後は、いままでより長く働く必要がどうやらありそうですし、第2、第3のキャリアを築いていく必要がありそうです。会社の外との接点を作るためには、自分をうまく言語化できる必要がありそうです。

けれども現在は、まだそれができていません。これは、働く側の人たちの、大きな課題のひとつです。

個人に任せるだけではなく、企業の責任を果たす

また、本当はこういった取り組みは、個人に任せるだけではなく、会社でも取り組んでいく必要があるのではないかと思います。なぜならば、いままでのように65歳まで働いて、あとは退職金と年金、再雇用……という選択もありますが、それだけでいいのかな? と。

「会社としても、一応役割を果たしました。なので、いままでお疲れさまでした。さようなら」というあり方が、会社の責任として「どうなのかな?」と。

もう少し、一人ひとりが次のキャリアを歩めるように、安心して次のキャリアに繋げられるように、そういった仕組みが必要なんじゃないかなと思います。

一人ひとりの強みで、労働力を補えるように

企業では世代に関わらず、キャリアの課題が起こっている。一方では、人口が減少していき、労働力人口がいなくなっていく。本当は、働き手が必要なはずなのに、企業では、働き手の人たちがぞんざいに扱われている。本当は、さまざまな能力や才能があるはずなのに、強みが生かされないまま眠ってしまう。それが、すごく問題なんじゃないかと思っています。

第1章では、いま、地域や社会の中で起こっている人口減少・少子高齢会の課題について触れてきました。第2章では、働くわたしたちに起こっているさまざまなキャリアの問題、あるいは、会社の人材をどう生かしていくかっていう会社の問題について見てきました。

これまでは、課題について取り上げてきたので、「この先、いまのままで大丈夫かな?」みたいに思っている方もいらっしゃるかもしれません。

ここからは、こういった社会や会社、個人に起こっている課題について、「どうしたら、この課題が解決できるか?」について……つまり、理想の状態ですよね。こういった社会の課題を解決するためには、どんな状況が理想なのかについて、これからは、未来に対する、ポジティブで、前向きなお話をしていこうと思います。

では、今日の話はこれで終わりにします。

次の記事:問題は改善の種―少子高齢化は問題ではないのかもしれない?

#創作大賞2024 #ビジネス部門


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