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#32 あと15年で労働人口は約8割に。地域複業で未来を開く【地域複業の可能性】

竹内義晴です。この番組は、組織作りやコミュニケーション、キャリアデザインなどの人材育成、複業やテレワーク、二拠点ワークといった「これからの働き方」について、ゆるゆるとお話をしていく番組です。

冒頭に、ゆるゆるとお話ししていく番組だと言いましたが、案外ゆるゆるとというか、真面目な話しかしていないような気もします(笑)。ただ、ある程度1つのテーマでまとまってお話しした方がいいかなと思ってですね、いまは人口減少の課題感であるとか、地域複業の可能性についてお話をしております。

あと15年で労働力人口は約8割に?――にいがた経済新聞に寄稿

いま、にいがた経済新聞というウェブメディアに連載を書かせていただいています。ちょうど昨日ですね、『あと15年で労働力人口は約8割に。地域外人材の副業・兼業で新潟の未来を開く』という記事を寄稿しました(内容はリンクで貼っておきます)。この記事について簡単に紹介しつつ、記事の内容について触れてみたいなと思います。

この記事に何を書いたかというとですね、まず人口減少の実態をデータで示し、その上で、いま、何をしていく必要があるのかという話をしました。

人口が減っているのは知っているけれど

みなさんも何となく、人口が減っているよというのは知っていると思います。でも、実際のところ、どのくらいの感覚なのか? というのは、そんなにご存じないんじゃないかなと思うんです。

実際にデータで見てみると、厚生労働省が2023年2月に発表した人口の自然増減数は、いま78万人のマイナスです。

78万人と言われてもピンとこないと思いますけど、佐賀県とか山梨県の人口が80万人弱なので、1年で1つの県がなくなるくらいの規模感で人口が減っています。これ、過去最大の減少なんですよね。

ボクが住んでいる新潟県は、人口が215万人なんですけれども、去年と比較すると約2万5千人減少していて、特に若者を中心に人口が流出しているという状況があって、新潟県の人口増減率は、全国で下から8位という状況です。

人口減少は今後も続くと予測される……というか、ほぼ決定事項です。こういった状況がずっと続くと、多分地域の企業にとっては大きな打撃になるんじゃないかと思っています。これがのちに改善してくればいいんですけど、実際問題はなかなかそうもいきません。

特に大きな問題が労働力人口が減るところですかね。日本の場合、15歳から64歳の人たちを生産年齢人口と呼ぶのですが、要は「働く人たち」ですよね。この年代の人口が急激に減少しているんですよ。

減り続ける生産年齢人口

令和4年の情報通信白書によれば、生産年齢人口のピークは1995年の8,716万人で、2020年はどうなっているかというと、7,509万人にまで減少していて、25年の間に生産活動を行う人が1,200万人減っているんですよね。1,200万人といわれてもピンとこないと思うんですけど。

ただ、今度、2040年に向けて、いま予測されている生産年齢人口の推計は、5,978万人なんですよね。2040年というと結構先に感じますけど、この間でさらに1,200万人以上減るというような推計が出ていて。いままで25年で1,200万人減少したのに対し、今度はわずか十数年で1,200万人、加速度的に人口が減少していくという問題があります。

生産年齢人口は、すぐには増えない

さらに問題なのは、人口というものは、何かをしたからといってすぐに増えないということですよね。たとえば、急にいまから、何らかの方法で日本の人口が増えたとしても、生産年齢人口は15歳以上からなので、15年は人口が減るというのは決定事項です。

なので、この間はどうするのかって、結構な課題感だと思うんです(なお、推定ではそれ以降も減少し続けるのですが……)。ただ、多くの企業ではまだこういった対策ってほぼ取られてないんじゃないかなって思っています。

どうすれば解決できそう?

こういった課題感に対して、「どうすればいいのかな?」って思うんですが、1つは「選ばれる企業になる」ことですね。「あの会社で働きたい!」って思われるような企業になれば、どれだけ人が減っても生き残れるかもしれない。そのためにも「多様な働き方ができる」とか、「働きやすい職場である」とか、そういうことって重要かなって思うんです。

もう1つ、ボクが興味関心があるのは、副業や兼業でこのような課題感を解決できないのかな? って思っていて。なぜ副業・兼業なのかというと、人の数を変えることはできませんが、もしも、いままでフルタイムで働いてた人たちの1日とか2日を「別の仕事にまわす」という言い方はちょっと違うかもしれないんですけど、「労働のシェア」みたいなことが仮にできたとするならば、少なからず、労働力を分散することができるじゃないですか。

「じゃあ、いままでの、フルタイムで働いていた会社はどうするんだ?」みたいな話になるとは思うんですけど、一方で、いまって、中堅からある程度経験値を重ねた人たちが、どういうような道を歩んでいるかっていうと、管理職ぐらいになって、50代ぐらいになると管理職から離れて、あとは役職定年になる。すると、言い方は悪いかもしれませんけれど、戦力外みたいな感じになって、あとは定年までなんとかしのいで、65歳で定年退職……みたいな感じになっています。

ただ、そうすると、いままでせっかく働いてきたのに、自信を喪失してしまったりとか、そういった問題があるなと思っていて。こういう言い方をすると、ベテラン世代に限られるように聞こえるかもしれないんですけど、自分の「この先のキャリアって、どうなっていくのかな?」っていう課題感って、ある程度経験値を重ねるほど出てくるので、30代ぐらいから考え始めていいんじゃないかな? と思っていて。

ひょっとしたら、もっと若い時から将来や、第2、第3のキャリアを見据えつつ、働いていくことが大事なんじゃないかなって思っています。

そうした次の活躍の場として、複業のような形が目指せないかなって思っているんですよね。ただ、こういった形を形成するためには、まだまださまざまな課題があって。それについては今後、またお話ししていきたいと思います。

個人的にはこういった働き方の改革をすることによって、いま起こっている社会の課題が解決できないかなって真面目に思っていて。冒頭で「ゆるゆると話す」と言いながら真面目に思っていて。なので、いまそんな取り組みをですね、こういった課題感や理想を共有できるみなさんと話し始めているという状況なんですよね。

というわけで、今日はにいがた経済新聞に掲載された、『あと15年で労働力人口は約8割に。地域外人材の副業・兼業で新潟の未来を開く』という記事についてお話をしました。明日からゴールデンウィーク第2弾というか、カレンダー上お休みですね。ぜひ、楽しい休日をお過ごしください。

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