#24 複業を通じてつくりたい「人の接点」【竹内義晴のキャリア遍歴】
竹内でございます。この番組は「楽しく働く」をテーマに、組織作りやコミュニケーション、キャリアデザインなどの人材育成、複業やテレワーク、多拠点ワークといった「これからの働き方」について、ゆるゆるとお話をしていく番組です。
いまですね、ボクのキャリア編歴についてお話をしています。昨日のお話が2018年あたりだったので、そろそろ現在と重なってきたという感じでしょうかね。
昨日は、サイボウズで複業を始めて得たことについてお話をしました。複業で得たことはたくさんありますが、それはまた、改めて、複業のテーマで改めてお話させていただくとして、キャリアの観点でいうと「つながりとご縁」、あとは「気づきと発見」。大きく挙げるとその2つが得られたよというお話でしたね。
今日は地方と複業についてお話をしたいと思います。
地域複業、地方の企業にとってよいのでは?
サイボウズが複業に取り組み始めたのは2017年ですが、複業のような「これからの働き方」って、どちらかというと都市部発信というか、働き方の変化を実践しているところから変わっていくと思うんですよね。
でも、個人的にはですね、複業のような働き方って、地方の企業からこういった取り組みがはじまると、実はいいんじゃないかなって思っています。
ボクが2017年にサイボウズで複業をはじめて、新潟に住みながら東京の会社で複業をする、引っ越すわけではないけれども、フルリモートで都市部との関係を作るっていう働き方をし始めたとき、比較的早い段階で「これ、本当は逆にできるといいんだよな」と思ったんですよね。
ここでいう「逆」とは、地域の企業に対して、都市部の人たちが、あるいは都市部に限らずですけど、複業のような形で関わりを作っていく形です。このような仕組みづくりができないかなって思ったんです。
人口減少、実は深刻
なぜならば、いま、人口減少って結構深刻なんですよね。想像以上に減っています。たとえば、2022年のケースだと、鳥取県の人口が55.2万人、なのに対して、日本の人口減少は55.6万人、一つの県がなくなるぐらいの勢いで人口が減っているわけです。この事実を考えた時、おそらく近い将来、特に地方にとっては、人材不足ってかなり大きな問題、課題になってくるんじゃないかなってみています。
現在も起こってはいますけど、「なんとかなる」と思っている企業が多いじゃないですかね。でも、個人的には、なんとかなるレベルではなくなってくるんじゃないかな、と見ています。
「労働をシェアする」という考え方
このような状況になったとき、これまでのような、1つの企業で人材を抱え込む、囲う形から、「労働をシェアする」って考え方が必要になってくるんじゃないかな、と思っていて。
たとえば、都市部で働いている人たちが、週に1日とか2日という形でいいんじゃないかなと思っているんですけど、たとえば、地元の企業に複業のような関わりができる。あるいは、地元に限らず関心がある地方の企業で複業のような形で働くことができると、地方の企業にとっても、人材不足の解消まで行かないまでも、なにかしらの一助になると思うし、地方と関わりたい働く人たちにとってもいいんじゃないかなって思っています。
そこで、「まず、できることからはじめてみよう」と思って、サイボウズの自社メディアである「サイボウズ式」というところで、地方複業について記事を書いてみたりするところからはじめています。
あとは、イベント等でお話したこともありますけれども、文章を読んでくださった方の中から、「地域複業に関するお話を聞かせてほしい」「イベントをやらないか」といったお声がけをいただいて、少しずつ広げてきた……という感じです。
働き方が変わるのは時間がかかる
ただ、働き方改革がそうだったように、正直なところ、こういった働き方の変化ってそんなにすぐに起こるわけではなくて、地元で地域複業に関するお話をしても、「概念はわかるけれども、実際にどうやって人との接点を作るのか」とか、 「そもそも、複業できるような人がいるのか」とか、あるいは「どうやって仕事を切り出すのか」とか、「どうやって、フルタイムじゃない人たちと仕事をするのか」といったイメージがわかないので、こういった仕組みを作るためには、課題もあるし、難しさを感じることも多々あります。なので、地域複業の取り組みは、まだまだ道半ばです。
でも、いまからこういったことをしておかないと、いざ、人がいなくてにっちもさっちもいかなくなったという状況は避けたいなと思っていて。課題はたくさんありますが、これからも何らかの形で取り組んでいきたいなと思っています。
地域複業については、今後も深ぼっていきたいテーマなので、改めて、「どんな課題があるのか?」とか、「どんな方向性を目指しているのか?」とか、そのあたりを深掘っていければいいなと思っています。
ボクはこんな形で、都市部と地方、新潟と東京、あるいは、本業と複業、しごとのみらいとサイボウズみたいな形で、いろんな地域・組織を、行ったり来たりしながら仕事をしてきました。そんな中ですね。2018年の秋ぐらいに、地元の妙高市から、テレワークのような形で「人との関係性や交流が作れないか」という相談を受けて、2020年からワーケーションについて取り組むようになったので、次回は、ワーケーションに関するお話をしていこうかなと思っています。