#49 中堅世代からの「キャリアの孤独感」【キャリア形成 & 地域複業】
竹内義晴です。この番組は、組織作りやコミュニケーション、キャリアデザインなどの人材育成、複業やテレワーク、多拠点ワークといった「これからの働き方」について、ゆるゆるとお話をしていく番組です。今日の話が面白かった、あるいは参考になったら、フォロー、コメントなどいただけるとうれしいです。
はじめに:キャリア形成と地域複業の話をしています
いまですね、キャリア形成と地域複業の話をしています。キャリア形成というのは特に中堅世代、35歳ぐらいになってくると、ある程度経験を重ねて「今後、どうしていこうかな」って思う時期ってあると思うんですよね。そういう時に社内の中でいるのもいいけれど、複業のような形で働くことがもしできるのならば、社内ではなかなか得られない気づきが学べたりとか。第2、第3のキャリアのきっかけになったりとか。
あとは、そういったフィールドとして、もし、地域の企業があるとするならば、人手不足、人材不足って言われている地域の企業にとってもいいんじゃないかって思っていて、こういった仕組みができないかなっていうふうに思っているっていうお話をずっとしてきています。
孤独なキャリア問題
今日はそれに関連して、SNSを見ていたら「本当そうだな」って思った記事があったので、今日はそのお話をしつつ、ちょっと思考を深めていきたいなと思います。
その記事はBUSINESS INSIDERの記事です。2020年11月の記事なので、必ずしも新しい記事ではないんですけど、ただ「確かにそうだな」って思うところが多かった記事なんです。そのタイトルは、『7割が転職する時代、日本人につきまとう「孤独なキャリア」問題』です。
この記事に、何と書かれているかというと、いままで、いや、いまもなんでしょうけど、特にいま、リスキリングみたいなことが多く言われている中で、いままではキャリアの自立の必要性が叫ばれていたと。
特にいまは、DXとかいろいろ言われる中で、仕事で必要とされる知識が大きく変化しているから、個人がこれからの人生や仕事に向き合って新たなスキルを形成したり、キャリアを転換していく必要が高まっていますよねと。
一方で、この指摘には落とし穴があると。「落とし穴」とは何かといえば、いま、25歳から64歳の就業者のうち、仕事に関わる自己啓発を行っている方が約3割だと。要は自発的に学び備える人は多くないということで、ただ、キャリアの自立を叫ぶだけでは、一人ひとりがキャリアの展望を開いていくのはなかなか難しそうだという指摘。
あとは、次の指摘が「本当そうだな」と思ったのがですね、特に日本で働く人たちは「キャリアの孤立」に陥っていると。キャリアの孤立とは、個人で自立しようとした時に、なかなか難しいという話ですね。相談する人もあまりいないし、キャリアの支え合いみたいなこともなかなかできないし、新たな挑戦を後押ししてくれる人が周囲にいない。
だから、不安になるのだけれど、不安になるがゆえに、新たな挑戦がなかなかできずに、いまの環境にしがみつかざるを得ないというような指摘です。
これ「本当そうだな」って思ったんです。
キャリアは「個人の責任?」
今まで、キャリアのことってなると、特に中堅世代以上になると「個人の責任」みたいな話になると思うんですよね。
というのも、若い時は、会社の中でもキャリアに関する研修とかってあると思うんですけど、年齢を重ねていくと、大体、階層別研修とか、そういうのはあるかもしれませんが、キャリアに関することってそんなに学ぶことってないじゃないですか。
だから、結局自分で考えて、転職なりなんなりしていかなければならなかったのが、いままでだったんじゃないかなって思うんです。
「長くはたらく」時代を見据えて
ただ、今後、企業自体も、働く人が長く生きる、長く働くっていうことを考えたときに、ずっと社員を雇用し続けているのって、企業にとっても体力が必要です。
働く人にとっても、会社というコミュニティが必要だと思うんです。実力がついてきたら、さまざまな現場で経験値を重ねていくことの方が、実力というか生きる力みたいなことを考えた時にはつくと思うので、そういう意味でも本当は複業のような形でさまざまな関係性を構築したり、さまざまな経験を積んだり、人とのつながりを作ったりできるといいですよね。
特に、現代のような、不安定で先行きがどうなるかわからない社会だからこそ、本当は必要なんじゃないかなというふうに思います。
会社が複業を推進するとネガティブな意見も生じる
ただ、複業みたいな話は個人が言い出すんだったらいいんでしょうけど、会社が言い出したりすると、いままではなんとなくこう、「え? なんだよ」と。「会社は守ってくれないのか」みたいに思う人もやっぱり中にはいて。会社がオレのこと、わたしのことを「もういらない」って言ってるように聞こえる人もいると思うんです。
社会が変化しているからこそ、複数の依存先が必要
ただ、今後、個人が自立しつつ、かつ、安心して長く働くっていう環境を構築していくためには、むしろ、会社のような形の複数の依存先があることって、大事だとおもうんです。そうすると、(稼働日が少なくなると、人件費も減るので)企業にとってもそんなに負担じゃなくなってくるじゃないですか。
このような、一人ひとりが自立をしながらもさまざまなコミュニティに所属できるという仕組みは、むしろ企業だからこそ作っていく必要があるんじゃないかなって、BUSINESS INSIDERの記事を読みながら思ったんですよね。
複業という働き方自体は、ボクは必ずしもすごく推進するわけではないし、人それぞれの選択なので、やりたい人がやればいいっていうスタンスではあるんです。ただ、今後、いろんな変化が訪れようとしているときに、一人ひとりが安心して働く上では、こういった仕組みを、やっぱり企業も作っていく必要があるんじゃないかなって思う……という話を今日はいたしました。
今日の話が、もし何かしらの参考になっていたらうれしいです。じゃあ、今日はこれで終わりにします。