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#668 会社として、社員のキャリア自律を支援するために「最初にすべきこと」

竹内義晴の「これからの働き方」――この番組は、これからの働き方、組織作り、地域づくりの実務家、竹内義晴が「楽しく働く」をテーマに、組織づくりやコミュニケーション、マーケティング、キャリアデザイン、複業、テレワーク、ワーケーションなどの視点でゆるゆるとお話をしていく番組です。

音声はこちら。


会社として「社員のキャリア自律」を支援するためには、どうすればいいか?

いま、会社として「社員のキャリア自律」を支援するためには、どうすればいいか? という話をしています。昨日は、社員のキャリア自律を支援するための「絶対条件」ということで、複業をあげました。

「キャリア自律している」ということは、会社以外のところでも活躍できるということ。会社から離れて、完全に自律できている状態――つまり、「お金を稼げている状態」――を10としたとき、多くの人は、いきなり10にはいけません。

そこで、「キャリア自律を支援をする」という意味では、いまの会社の仕事で収入を得ながら、「もうひとつの収入源がある状態をつくる」という意味で、複業は絶対条件である、という話をしました。

今日の話は、会社として「キャリア自律を支援しています」と。ちゃんと形あるもの、実になるものとして取り組むとき、「何が必要なのかな?」という話をしてみたいんです。

会社として、社員のキャリア自律を支援するために「最初にすべきこと」

というのも、いままで、キャリア自律に関して、結構前から、いろんな人や企業から話を聞いています。ですが、「キャリア自律を支援している」といいながら、うまくいってないケースが多かったように思います。

たとえば、複業がそうです。社員のみなさんのキャリア自律を支援するために、「複業をOKにしました」という企業の人事の方と話したことがあります。

その方曰く、「複業をOKにしたんですけど、実際にやっている人はほとんどいないんですよね」という話でした。

実際問題、複業できる人はできるかもしれないけど、そんなに容易じゃないと思います。

「隙間バイト」ならできるけれど

少し話はずれますが、いま、隙間バイトみたいなサービスがありますよね。ちょっと日銭を稼いだり、アルバイトしたりするみたいな。隙間バイトみたいな仕事は、すぐできると思います。

だけど、それが「キャリア自律している状態」かというと、おそらく違いますよね。

そのように考えてみると、複業できる人ってそんなに多くありません。

その他に、近年では複業マッチングサイトも多くあります。けれども、できる人はできるんでしょうけど、できる人はそんなに多くないと思います。

そういう意味では、複業をOKにしても、できる人はあまりいないのかな、と。

若い人は、ひょっとしたらいろいろチャレンジするかもしれないですよね。たとえば、これは、ある会社の方から実際に聞いた話ですが、「うちの会社は複業OKなのですが、やっている多くは若い世代です。複業の目的は『キャリアに拍をつけるため』です。一方、中堅・ベテラン世代の人で複業をやっている人はほとんどいません」とのことでした。

この話を聞いたとき、「そりゃあ、そうだろうな」って思いました。

複業は「社会との接点」があってこそ

複業って、社会との接点があってこそ、はじめてできるものかもしれなくて。社会との接点がなければ、どうやって複業すればいいのかがわかりませんし、仕事をつくっていけばいいのかもわからない。何なら、お金の管理もよくわからない……そういった状況が、普通のサラリーマンなのではないかと思います。

このような状況の中で、キャリア自律を支援するために「複業をOKにしました」というだけでは、社員のみなさんは、なかなかキャリア自律をすることができない、ということになります。

じゃあ、会社の支援として「何からはじめる?」

そこで! です。「じゃあ、何から始めたらいいのかな?」という話になりますよね。

僕の意見では、社員のみなさんのキャリア自律を促すためには、会社の制度を作ることも大事かもしれませんが、もし、一番最初にやるべきことがあるとしたら、あるいは、今後何をすればいいかを検討していく上にあたって、一番最初にやった方がいいんじゃないかと思うことがあるとしたら……

それは、「キャリア自律が大事だ」「必要だ」と言っている方ご自身から複業すること。特に、社外に出て複業してみることが大事なんじゃないかと思ってます。

なぜならば、そもそも、キャリア自律を推進している人が、キャリア自律をしていなければ説得力がないですよね。

加えて、「どのようにすれば、社外で収入を得て、自律できるのか?」という実体験がなければ、制度設計はなかなかできないし、社内でも広められないと思うんですよ。

自分がキャリア自律していない状態では、ほかの人の支援はできません。なので、社員のみなさんのために制度をつくる前に、それを進めようと思っている人事のみなさんから、キャリア自律をするための実践をし始めることが大事なんじゃないかなと、僕は思います。

というわけで、今日は、「社員のみなさんにキャリア自律を支援するとき、最初にすべきこと」についてお話してみました。

じゃあ、今日の話はこれで終わりにします。

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