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#47 複業文脈における「自立とは何か?」【キャリア形成 & 地域複業】
竹内義晴です。この番組は、組織作りやコミュニケーション、キャリアデザインなどの人材育成、複業やテレワーク、多拠点ワークといった「これからの働き方」についてゆるゆるとお話をしていく番組です。今日の話が面白かった、あるいは参考になったらフォロー、コメントなどいただけるとうれしいです。
はじめに:酔っぱらっていません
おとといの夜、テレビ朝日系のインターネット番組、ABEMA Primeに出演させていただいたんですが、その時の動画がYouTubeに上がっていました。
コメントを見たら、
竹内さん、話し振る度にどんどん酔っ払っててるようにみえるw
※原文ママ
とありましたが……断じて酔っ払ってはいませんでした! ということを宣言して、今日のお話に入っていきたいと思います(笑)
複業でキャリアをシフトしていく。その場としての地域
いま、キャリア形成と地域複業の話をしています。昨日はですね、今後、人生100年時代になっていく中で、会社としては、社員のみなさんのキャリアに関して、いままでの「定年に近くなったら、役職定年を迎えて、その後退職、そこでキャリアがプツッと切れる」という現在の課題感を上げつつ、今後はもうちょっと、長く働く必要があるので、第2、第3のキャリアを築いていくためには、いきなりキャリアをそこで終わるっていうよりは、複業のような形で徐々にキャリアをシフトしていくっていう、そういう必要性が、今後、各企業のキャリア教育の意味でも必要じゃないかっていう話をしました。
この、キャリアの話をした時に、「自立」っていう表現も使っているのですが、ここで自立について補足をしておきたいと思います。
キャリアの「自立」と「起業」
「自立」というと、なんかこう、起業のようなイメージを抱く方もひょっとしたらいらっしゃるかもしれません。
たしかに、起業といえば起業なんでしょうけど、ゼロからの起業みたいなものって、個人的にはあまりおすすめしないんですよね。
なぜならば、ボク自身起業をしたんですけど、正直、起業って結構大変で。自分が「何ができるのか」を知っていただき、そこから仕事を作っていくっていうのは正直めちゃくちゃ大変でした。なので、あまりおすすめしないんです。
もちろん、「起業したい!」という方は、起業したら全然いいと思うんです。でも、必ずしも起業という選択肢だけじゃないなって思ってるんです。
「独り立ち」ではないがキャリアは自立する。そのためには?
いままで会社に所属していて、その、会社に所属している割合を週5日から、たとえば週3日に削ったときに、残りの2日間をどんなふうに過ごすかっていうことなんですけど、その2日間に対しても、可能であれば、完全に一人で起業するというよりは、企業と関われたらいいですよね。
雇用形態はいろいろあると思うんです。多くの場合、個人事業主で業務委託になると思いますが、ほかの会社に業務委託として入る。ただ、その業務委託も「社員ではないが、社員のような関わり」っていうんですか。つまり、長い観点で関わりが持てるような働き方ができると、必ずしも完全に起業して、独り立ちするっていう感じではないので、そういう働き方ができるとベストだなとは思うんです。
ただ、そういう働き方をしていくためには、自分が何をできて、何が得意で、どんな強みがあるのか、そういったことは言語化できて、見えるような形にしていく必要があるので、そういったことを会社の中にいるときのキャリア形成として、徐々に積んでいくっていう形ですかね。そういったことが、おそらく今後、必要なんじゃないかなって思ってます。
ボクのポートフォリオ
実はボク自身、ポートフォリオを書いてるんですよね。ずっと。そのポートフォリオはリンクに貼っておきますが、ポートフォリオは1回書いたら終わりっていう類のものではなくて、ボクは定期的に見直しているし、何かしらの実績ができたら、それも追加しています。
なので、ポートフォリオは「育てている」という感覚があるんです。なので、必ずしもベテラン世代だけではなくて、中堅世代、もっと若い時から、自身との対話を通じて、自分の内面を知り、そしてそれを外に見えるようにしておくっていうことは、すごく大切なことなんじゃないかなと思います。
リスキルの前に「できることと人となりの言語化」を
ここまでは、「自立」と言っても、必ずしも「起業」ではないっていう話をしてきました。働くという意味では、ある種個人事業主として1人で立つような、労働形態としてはそういう形ですけど、実際に関わるのはゼロからお客さんを見つけに行くっていうよりは、いままでのキャリアを通じて、新たな関係性を企業と作っていくと捉えていただくといいのかなと思います。
特に今年、去年ぐらいからリスキリングという話がすごく多く言われています。国の方でもリスキリングにだいぶ高額を投じて、新たな成長分野に人をシフトさせるみたいな取り組みが行われています。
けれども、リスキリングって、個人的には「そんなにうまくいくのかな」って正直思っているんですよね。なぜならば、たとえば極端な例であえて言いますけれど、いままで事務のような仕事、総務のような仕事をしていた方が、「これからはITの時代だ、デジタル化が必要だ」と言って、プログラミングをゼロから学ぶ、それをスキルとして生かすみたいなことが可能か? というと、学ぶこと自体は可能だとは思います。
でも、本人がまったく興味がない分野で、しかもプログラミングっていうのは、かなり高度な技術で、そういったことをちゃんと学んで、次の仕事にしていけるかというと、ボクは以前プログラマーでしたけど、相当難しいんじゃないかなって思うんです。
それならば、いままで経験してきたことをちゃんと言語化してきて、「わたしはこういう経験があります」「わたしはこういうことができます」「会社の中ではこういうことをやってきました」「社会の中ではこんなことに活かせるんじゃないかと思います」といったことを言語化し、棚下ろしして、見えるようにしていくことの方が、次のキャリアを歩むという意味では重要なんじゃないかなというふうに思っていて。
なので今後、企業にとってはそういうこともしていく必要があるでしょうし、個人としてもそういうことを積極的に取り組んでいくといいんじゃないかなというふうに思っています。
地域複業による都市部と地方の人材不足の解決
ボクがこういった気づきを得たのは、サイボウズで働き始めたときのことを振り返ったときに、ある経験があったんですけど、その経験についてはまた明日お話ししつつ、ボクが「今後、キャリア形成 & 地域複業のようなことが必要だな」と思ってから、サイボウズの中で、さまざまな実験をしてきました。
地域複業っていうのは、これまで何度もお話ししてきたように、地域の企業に、都市部をはじめ地域外の方々が、複業のような形で関わることができたら、地方の企業の人材不足、人手不足といった問題に対して、解決……とまではいかないまでも、課題解決に向けて、何かの役に立てるんじゃないかなってずっと思ってきていて、次のセカンドキャリア、サードキャリアの働くフィールドとして地域っていうものがある。そういったことができるといいなと思っているんです。
こういったことをやろうと思っても、すぐに実現できるわけではないので、さまざまな実験を重ねてきているのですが、明日は、これまでサイボウズの中でどんな取り組みをしてきたということについて、お話していこうと思います。