⑮受け取った人が語りたくなる物語
受け取り手の心が動き、人に語りたくなることは、共感の連鎖を生みます。これまでに事例で登場した物語が、企業にとってどのような効果となったか説明します。
テイクアンドキヴ・ニーズのハウスウエディングの「小さな奇跡」をテーマにしたサービス展開とコミュニケーション展開をつくった時も、「結婚式を創るプロセスの物語への共感」と「結婚式当日とその語の物語への共感」を強く意識していました。
新郎新婦様それぞれが生まれてから今日までの家族の中の物語をもとに、家族や親しい人だけが知っていることをもとに絆が深まる瞬間をウエディングプランナーが新郎新婦様と一緒に考えてつくっていきます。その瞬間を小さな奇跡と呼んでいました。そして、小さな奇跡の瞬間に立ち会った人たちは、新郎新婦との絆を再確認することにもなり、同時に、結婚式で初めて知り合いになったゲスト同士の絆までも生まれることになっていました。
当時のテイクアンドギヴ・ニーズ社では、
「いいウエディングには小さな奇跡が溢れている。」
というテレビCMを、会場があった日本全国の地方都市で展開していました。当時の現場で生まれていることや、頑張っていたウエディングプランナーの想いをもとにクリエイティブディレクターの武藤雄一さん(武藤事務所)を核にしたクリエイティブチームに創っていただいたこのCMは、社内外の皆さんが大好きなものになっていきました。
この「小さな奇跡」を起点とした物語と営みへの共感は、集客施策として効果を発揮しただけでなく、ご来場された新郎新婦様が接客を受けて会場を決める際の意志決定にも影響しました。そして、そのエリアでの人財採用にも大きな好影響がありました。
また、「プレスリリース」を「行動者発の情報」と翻訳して、
というミッションステートメントを掲げているPR TIMES社では社員の方々の会社や事業に対するエンゲージメントが高まることも功を奏して、力強い成長を遂げています。このステートメントの中に感じられるオリジナルの物語が、社員の方々やメディアの方々、そして、PR TIMES利用企業様の広報の方々やその先にいる「行動者」として何かを生み出そうとしている方々の中で共感が生まれています。
ソウルドアウト社が掲げる
から始まるミッションステートメントには、「何のために自分たちは存在しているのか?」という「存在意義の物語」があり、お客様の成長に伴走するという覚悟と不断の営みによって、クライアント企業の方々と社員の皆さんの心が一つになりやすい状況が生まれています。
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