習慣に恋をするということ

精神を凌駕出来るのは習慣という怪物だけ

という言葉を三島由紀夫が残したらしい。
私の好きな言葉のひとつだ。

繰り返して身体に刻まれたことはそう簡単に消えてしまいやしない。
身体や心に良い事も悪い事もすぐには無くならない。
言ってしまえば多少脇道へ逸れるような出来事がいくつかあったとしても、それは習慣に大きく影響を及ぼしはしないだろう。
ただ、ゼロからイチの習慣をつくる時だと話しは変わってくる気がする。

絶対にやらないことを決めてそれを守ることでしかイチを作り出すことが出来ない。
絶対やることを決めるより、やらないことを決めるほうがしっくりくるのだ。
やらないことを決めずに過ごすとよくない。
私は。

なんでも自分の中に入れてしまい、その結果何にも興味を持つことが出来ず、ただ生きることに疲れて毎日を浪費してしまう。
やることを決めるとやることに追われてしまい、やりたかったはずのことに殺されてしまう。
忙しいと書いてヒトを亡くすとはよく言ったものである。

納得して生きるのは簡単じゃない。
だから私はやらないことはやらない。
何をやらないかは人には言わない。
これはちょっとした魔法。

「言うこと」もやらないことのひとつでもある。
ゼロからイチができたら「言わないこと」がやらないことになる。

そうやって今日も私は習慣に恋をする。