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西川さんは本当にS高卒なのだろうか・・・2024年4月19日

今日、紹介するのは
西川美和さんのエッセイ「ハコウマに乗って」です。

西川さんは広島市出身の映画監督。
書き手としても名手です。


彼女が卒業した高校をわたしは知っています。
広島市内には、2つの私学の名門女子高がありますが、その1つのS高。
もう1校はJ高。
2校とも成績優秀な生徒しか入れない進学校ですが、
校風というか、カラーがくっきり異なります。

わたしの友人知人、仕事がらみで出会う人はなぜか、
J高の卒業生が多いので分かるのですが
ハッチャケたというか、元気で型破りな人が多い印象。

対して、S高の卒業生は楚々とおとなしい人が多く
職業的にも教師とか薬剤師とか
いわゆる堅い仕事をしている人が多いイメージ。

わたしの自宅は、S高と同じ区にあるので
電車でS高の生徒を見かけることが多いのですが
2、3人一緒にいても皆もの静かで
ささやくように会話をしています。
若い女の子特有のにぎやかにおしゃべりしている様子を
見たことがありません。

そんなイメージのあるS高卒の西川さんのエッセイを読むたび
この人、S高卒ではなく、本当はJ高卒ではなかろうか
と思わずにいられないのです。

S高時代はバスケットボール部だったという
西川さんに体育会系気質もありありと感じるし
エッセイから伝わる人物像も結構、ハッチャケている。

それを裏付けるように
本書の「はじめてのるふね」には、
こんな記述があります。

 決められたスカート丈について学校側と
 交渉するのではなく、放課後にワンタッチ
 で短くできる制服改造に没頭し、
 絶対に先生と出くわさない路地の
 お好み焼き屋を見つけてたむろしていた。

西川 美和 著「ハコウマに乗って」はじめてのるふね

この感じ、まさしくJ高のイメージなんです(自分比)。
そういう意味で、
西川さんは中高生のころから突出した人だったのでしょう。

そんなわたしの勝手な想像はさておき。

やはり、西川さんはエッセイがうまい!
書き出しもさることながら
締めくくり方もさわやかで鮮やか。
魅了されます。

西川 美和 著「ハコウマに乗って」

今回のエッセイ、挿画も良いです。
銅版画らしいのですが、とぼけたいい味出してる!

(2024年4月19日 VOL.4488 配信 メールマガジン あとがきより)


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