見出し画像

【忘れがち】吟じる時、本気の「呼吸」できていますか?

こんにちは、heyheyです。
今日は「詩吟をやる前に全力で"呼吸"を意識できているか?」というテーマでお話します。

詩吟は相当に呼吸を使う芸能だと思います。なぜなら、地声で全力で吟じますし、1回の息で10秒以上伸ばしたりするのがザラにあるからです。

毎回毎回、全力で呼吸を使って、それを何往復かして2分間の吟詠を作り上げていきます。ついつい発声の仕方ばかり意識しがちですが、実のところ、呼吸をどこまで全力でできているか、ここを意識することが大切なんです。

呼吸は、たくさん吸えるかどうか、たくさん吐ききれるかどうか、この2つで構成されます。特に吟詠を始める時は、全力で吐ききって、そこから全力で吸い込んで、その状態を溜め込んで、そこから吟じ始めるというプロセスを踏みます。

この時にエネルギーをどれだけ溜めて入れるかが、声に出した時の力強さの上限値を決めるんです。呼吸がほとんどちょびっとしかしていないのに、声だけがものすごく大きいということはなかなかありません。

最初は大きくても、その後にすぐに尻すぼみになってしまうこともあります。そこで今日は、もっと呼吸について掘り下げてお話ししていきましょう。


1. たくさん吸うには、たくさん吐ききる

まず知っておくべきは、たくさん吸いたかったら、たくさん吐ききらないといけないということです。これは当然ですよね。中に空気がある状態でさらに増やそうというのはできません。

また、吟詠の途中でも、微妙に呼吸が残っている状態よりも、すっからかんの方が一瞬で息が吸いやすいし、声としても活かしやすいと言われています。

逆に、微妙に呼吸が残っていると、なんというか息が「腐って」くるみたいで、その腐った息では声に変換しづらいようです。

2. 吐ききる限界を知る

では、吐ききるということをどこまでやったことがありますか?まずは、8拍くらいかけて吐ききってみましょう。1、2、3、4、5、6、7、8で吐ききります。

でも、ここからがポイントです。さらにプラス2拍、もしくはプラス4拍、この「限界突破エリア」を設けてほしいんです。ここが今日の肝の1つです。

「〇拍で吐ききる」というのは、自分の頭の中で「ここまで吐ききればいいだろう」という限界があると思います。でも、その状態からさらに追加で吐き切ると、本当に「お腹と背中がくっつくぞ!」みたいな感覚になります笑

ぜひそこまでやってほしいんです。
吟じる時にそこまでやれるかどうか若干怪しいですが、私の場合は大会で吟じ始める時、特に伴奏曲がある大会の場合は、この方法を使っています。

伴奏が流れている間に何拍かかけて吐ききります。
音楽のところで8拍くらいで吐ききって、
そこからさらに2拍とやって、
そして息を吸って、溜めて
吟じ始めるんです。

音楽が鳴り始めたらもうずっと吐き続けているんですが、思いっきり「スー」ってやったらマイクに音が乗ってしまうので、静かに音にならないように吐ききります。

そして、ぎゅぎゅぎゅぎゅっと吐ききって、それから吸い込むという感じです。日常のトレーニングとしても、8拍かけて吐ききって、2拍限界突破で吐ききるというのをぜひやってみてください。

自分の本当の限界ってどこなんだろう、吐ききる限界ってどこなんだろうというのを知ることが第一歩です✨

3. 吸い込む限界を知る

次は、吸い込む限界についてです。限界まで吐ききったら、まずはある程度自然に身を委ねてみましょう。生物ですから、吐ききったら吸い込みたいという本能が発生します。

その本能に委ねて、入ってくるのを体感してみてください。それに加えて、意識的に吸い込むというのもやってほしいと思います。

吸い方は先生によって言い方が色々ありますが、私がおすすめしたいのは、まずは背中が膨らむように静かに呼吸を入れていくことです。実は、背中で呼吸ができるんです。

これはゴスペルの先生や元劇団四季の方、そして私の詩吟の先生も同じことを言っていたので、間違いないと思います。ただし、これはよほど意識しない限りできません。

最初のうちは座った状態で、少し体を丸めるくらいに、ちょっと前屈みな感じにして、背中に意識しやすい状態でやってみると、背中が少し膨らんでくるのがなんとなくわかると思います。

そうやって、まずは背中周りを、下っ腹に浮き輪ができるようなイメージで吸っていきます。背中が膨らんできたら、今度は周りの方も膨らんでいきます。

背中、お腹周りで満足してもいいんですが、私としては体の中全部いっちゃってほしいんです。お腹周りまで行ったら、胸の方もできるだけ入れてほしいんです。

もう本当に、空気を入れた梱包材みたいな感じにしてほしいんです。そこまでやると、人間ってこんなに呼吸が入るんだと気づくと思います。

4. 溜める

最後のステップは、溜めることです。このままただぼふっとやると、風船に呼吸を入れて口を閉じずにファーっと飛んでいくような感じになってしまいます。

せっかくの呼吸エネルギーがうまく活用できないので、今度はこれを丹田あたりで、ビニール袋の口をキュッと絞るような感じにします。

吐ききって、吸って、で丹田の方から、ぎゅぎゅぎゅぎゅっと絞ってくる。喉元あたりがもう苦しいわって感じで、もう持ち上げてこようとするんです。

胸だけじゃなくて、喉元あたりから、パンパンに膨らんで、呼吸が出たがっているような状態。その状態で耐えるんです。1拍とか2拍とか耐えるという状態です。

そこからいざ吟じ始めると、「あれ、私こんなに声出るんだ」とか「こんなにゆとりのある、堂々たる声質になるんだ」と驚くことがあるはずです。

まとめ

今回お話しした、詩吟を始める前に全力で呼吸を意識する方法をまとめると以下のようになります:

  1. たくさん吸うには、まずたくさん吐ききる

  2. 吐ききる限界を知り、さらにその先へ

  3. 背中から始まり、体全体で吸い込む

  4. 吸った息を溜めて、エネルギーを蓄える

これらのステップを意識して練習することで、より力強い吟詠ができるようになるでしょう。毎回の吟詠でここまでやるのは難しいかもしれませんが、吟じ始める前にできるだけ意識してみてください。


今回の内容は以下のYouTubeからでも聴けます。
後半では実際に私が日替わりで漢詩を選んで吟じているので、良ければチャンネル登録お願いします♪

本日は以上となります。
今後も一緒に、コツコツと吟道を歩んでいきましょう!

いいなと思ったら応援しよう!