【反省】無意識なうちに詩吟の技巧に溺れてしまっていた話
こんにちは、heyheyです。
今日は「技巧に溺れていた話」について、お恥ずかしながら話したいと思います。
最近、久しぶりに詩吟の稽古に参加してきました。実に2年ぶりですね。
そこで色々と大事なアドバイスを頂いたのですが、私は知らず知らずのうちに、詩吟の技巧に溺れていたことに気づかされました。
1. 久しぶりの稽古で気づいたこと
稽古では、私の大好きな「偶感 / 勝海舟」という漢詩を吟じました。
苦手どころか、過去に吟じたことがあって少し自信のある漢詩です。
ところが、起句を吟じたところで、先生から早々にストップがかかりました。「その揺らすのをやめなさい」と。
ご存じの方もいると思いますが、私はYouTube詩吟教室の方では「まっすぐ伸ばすところとビブラートをかけるところをちゃんとオンオフ、メリハリをつけましょう」とよく言っていました。
それなのに、自分も同じことを指摘されたのです。
自分も本当にまだまだだったというのを痛感しました。
もう少し詳しくお話しますね。
2. 詩吟の本質を思い出す
ここで、詩吟の本質について改めて考えさせられました。
詩吟は、詩に込められている感情や作者の伝えたいことを表現するためのものです。つまり、何かを「伝える」ために吟じるんです。
ところが、ビブラートやしゃくりといった技巧を入れすぎると、その「伝えたいもの」がどんどん薄れていってしまうんです。
例えば、「偶感 / 勝海舟」の起句の「孤峰」という言葉。これは「ただ一つの峰」「孤独な孤立している峰」という意味があります。シンプルで美しい形なんです。
でも、そこにビブラートをかければかけるほど、なんだか「山がいっぱいあるような印象」になってしまう。
本来の意味とは違うものになってしまうんです。
先生からは、この詩の場合、ビブラートを使うのはたった2箇所だけでいいと言われました。
中盤の音が主音に変化するところ
一番最後に揺らして止めるところ
本当の本当に必要最低限だけです。
3. 技巧の使い方
ここで注意してほしいのは、これは詩吟を始めたばかりの人がすぐにやるべきことではないということです。
中級者や上級者向けの話になります。
詩吟を始めたばかりの頃は、まず発声など基礎的なところをしっかりと固めることが大切です。
声を力強く出したり、きちんと押し出したりするのができるようになってからの話です。
ただ、ビブラートやしゃくりというのは、できるようになると使いたくなるんですよね!(苦笑)
私も無意識的にも意識的にもかなり使っていました。
今回の稽古で、「これもダメ、あれもダメ」と何度も指摘され、結局のところ、ビブラートをかける場所が6割くらいカットされました。
4. 詩吟は「引き算」の芸術
今回の経験を通じて、改めて気づいたことがあります。
詩吟というのは、伝えたい気持ちを鋭くすればするほど、「引き算」でやっていく必要があるんです。
節調(音の上げ下げや伸ばし方)には全て意味があります。
なぜここで音を下げるのか、なぜここで揺らして止めるのか、なぜここで伸ばすのか。
「ここをこのように伝えたいから、こういう表現をする」というように、一つ一つに理由があるんです。
この「なぜそうするのか」という理由の解像度を高めていくことが、詩吟の道「吟道」を進んでいくことになるんだと思います。
技巧に溺れてしまうと、「自分の吟を見て欲しい」「この技巧を聴いて欲しい」と本来の理由や意味を見失ってしまいがちです。でも、そうではないんですよね。
今回の稽古で、自分がいかに技巧に溺れていたかを痛感しました。
同時に、詩吟の奥深さを改めて感じることができました。
まとめ
今回のお話をまとめると以下の2点です。
詩吟は何かを「伝える」ためのもの
伝えるためには「余計な表現」を減らす必要がある
詩吟を学ぶ皆さんも、技巧に惑わされず、本質を見失わないように気をつけてくださいね。
そして、一つ一つの表現の意味を考えながら練習を重ねていきましょう!
今回の内容は以下のYouTubeからでも聴けます。
後半では実際に私が日替わりで漢詩を選んで吟じているので、良ければチャンネル登録お願いします♪
本日は以上となります。
今後も一緒に、コツコツと吟道を歩んでいきましょう!