【心構え】もう腹式呼吸に憧れるのはやめましょう、というお話
こんにちは、heyheyです。
今日は「腹式呼吸に憧れるのはやめましょう」というテーマについてお話します。タイトルは某オオ〇ニサンのオマージュです(笑)
詩吟や歌、ナレーションなどの声の技術を学ぶ人にとって、腹式呼吸はよく耳にする言葉ですよね。
でも、この「腹式呼吸さえできれば全てが解決する」という考え方、実は大きな落とし穴かもしれません。
1. 腹式呼吸の誤解
腹式呼吸について、こんな話を聞いたことはありませんか?
「風邪をひいていても、話し声が出なくても、腹式呼吸さえできれば声は出る」
「腹式呼吸をマスターすれば、喉が疲れることなく、いくらでも吟じられる。声量も上がるし、表現力も高まる」
こういった話を聞くと、腹式呼吸をマスターすれば全てが解決するような気がしてきます。
私も高校生の頃は、「この技さえ身につければ、もう詩吟はやりたい放題だ!」なんて思っていました。
でも、実際はそう簡単ではありません。
2. 腹式呼吸の真実
まず、腹式呼吸はあくまで「呼吸」の技術です。
声を出すためには、呼吸を音に変換する必要があります。
つまり、腹式呼吸だけでなく、声の出し方(発声)とうまく連動させる必要があるんです。
この2つがうまくかみ合わないと、求めている結果は得られません。
それに、腹式呼吸ができたからといって、急に全てが解決するわけではありません。
実際は、今までの努力の積み重ねの上に、腹式呼吸と発声がうまく組み合わさって、少しずつ良くなっていくんです。
3. 腹式呼吸の習得過程
腹式呼吸の習得は、ドラえもんが「腹式呼吸マシン」をくれて、翌日から素晴らしい声が出るようになる...なんてことではありません。
現実はもっと地道なプロセスです。
①まずは体調を整える
朝一番で声を出すのは避ける
体調が悪い時はいい声は出ない
②歌う前にしっかり息を吸う
腹式呼吸でも胸式呼吸でも、とにかく十分な量の息を吸う
声はエネルギー。呼吸量が多いほど、よい声が出やすい
③吸った息を一度溜める
吸ってすぐ出すのではなく、一瞬体の中に留める
最初は胸で膨らむかもしれないが、それでもOK
④普段から大きな声を出す練習をする
腹式呼吸だけで急に声が大きくなるわけではない
遠くの人に声を届けようという意識を持つ
これらの練習を積み重ねていくと、少しずつ腹式呼吸に近づいていきます。でも、一度できたからといって、毎回同じようにできるわけではありません。
4. 腹式呼吸の習得は波がある
私も、詩吟の先生のところで練習すると「今日はお腹がよく使えた!」と感じても、家に帰るとうまくできない…...ということを何年も繰り返しました。
人間の体は一朝一夕には変わりません。
上がったり下がったりを繰り返しながら、らせん状に少しずつスパイラルアップしていくんです。
ある日、少しコツがわかったような気がしても、また元に戻ってしまうこともあります。
調子に乗りすぎると、逆に喉に力が入って胸式呼吸に戻ってしまうこともあります。それが自然です。
5. 腹式呼吸への正しい向き合い方
「腹式呼吸ができれば...」「腹式呼吸ができないから今はダメなんだ」という考え方はやめましょう。
そうではなく、「今、自分にできることは何だろう?」という姿勢で取り組むことが大切です。
腹式呼吸は目標ではなく、あくまで道具の一つです。
自分がやりたいことに向けて、腹式呼吸という道具を使いながら、少しずつ前進していく。
そんな姿勢で取り組めば、いつの間にか腹式呼吸も身についてきているはずです。
まとめ
腹式呼吸について、以下のポイントを覚えておきましょう:
腹式呼吸は万能ではない
呼吸と発声の連動が重要
習得には時間がかかる
上達は波がある
目標ではなく道具として捉える
腹式呼吸に憧れるのではなく、今の自分にできることから着実に練習を積み重ねていくことが、本当の上達への近道なのです。
今回の内容は以下のYouTubeからでも聴けます。
後半では実際に私が日替わりで漢詩を選んで吟じているので、良ければチャンネル登録お願いします♪
本日は以上となります。
今後も一緒に、コツコツと吟道を歩んでいきましょう!