7匹の小鬼
ソファーで寝ている
天井の角をぼんやり眺めて
突然ソファーの真ん中から
勢いよく枝が生えてきて
私のお腹を突き破って
枝はどんどん伸びてゆき
天井に突き刺さった
枝は太い幹になり
やがて屋根を貫いて
空に向かって伸びてゆく
私はそれをぼんやり眺めて
動けないからじっとしていた
痛みがないのはいいとして
驚きもないのは意外だった
破れた私のお腹の中から
小さい鬼がひょっこり顔を出し
次から次へと7匹の小鬼
7匹の小鬼が踊りだす
私はそれをぼんやり眺めて
動けないからじっとしていた
小鬼のステップを観察すると
野球のリードと牽制球
ランナー大きくリードして
牽制球でスライディングで戻る
足から戻ったり頭から戻ったり
その一連の動きが頭に浮かぶ
私は小鬼の踊りを眺めては
君の顔を思い出す
君の顔は白く濁っていて
破れた屋根から見える空
君の顔は白く濁っていて
曇った空にひっついた
気がつくと7匹の小さい鬼は
木を登って空を目指していた
私はそれをぼんやり眺めて
空になりたいとつぶやいた
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