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奥が深い逆接の接続詞で遊んでみた

よく使われる接続詞に、逆接の接続詞があります。

代表的なものは「しかし」「にもかかわらず」「ただ」などで、前文と異なる主張が始まるときに使いますね。

なかには「しかし」や「が」が連続して、意味が分からなくなっている失敗例もあります。

――
確かに会社はの財務状況は良くない。
しかし、ここで人件費を削ったり先行投資に臆病になっては、事業の発展は見込めない。
かといって、現在の財務状況で増員や新規投資を行うのは無理がある。
とはいえ、このままでは将来への展望がないではないか。
ところが、社長は新規事業に乗り出すという。
だが、銀行から融資を引き出せる説得力あるプランを立てられずにいる。
それにも関わらず、社内では新規事業のプロジェクトチームが立ち上がられてしまった。
――

あれれ、逆接の接続詞が連用されると意味が伝わらないという悪い例を書いたつもりだったのですが、案外読めてしまいますね。

これは私が天才だからです。もちろん、嘘です。

実は、逆接の接続詞には、ニュアンスの違う種類があり、それらを組み合わせると力業で意味を通してしまえることがあります。

まぁ、お勧めできる力業ではありませんので、上記の例はあくまでお遊び、ということになりますが。

それでは逆接のニュアンスの違いは何でしょうか。

1つめは、「齟齬の接続詞」です。前文の予想を裏切る接続詞で、「しかし、ですが、だが、けれども、だけど」などです。

2つめは、「抵抗の接続詞」で、前文から予想される当然の結果が実現しないことを示し、「にもかかわらず、そのくせ、それなのに、そのわりに、それでも」などがあります。

そして3つめは、「制限の接続詞」で、前文から話が広がることを制限する接続詞で、「ただ、とはいえ、かといって、そうはいっても、とはいうものの、だとしても、されど、さりとて」などがあります。

さて、先ほどの例文で使われている逆接の接続詞がどのタイプだったのか種明かしをしておきます。

――
確かに会社はの財務状況は良くない。
(齟齬)しかし、ここで人件費を削ったり先行投資に臆病になっては、事業の発展は見込めない。
(制限)かといって、現在の財務状況で増員や新規投資を行うのは無理がある。
(制限)とはいえ、このままでは将来への展望がないではないか。
(齟齬)ところが、社長は新規事業に乗り出すという。
(齟齬)だが、銀行から融資を引き出せる説得力あるプランを立てられずにいる。
(抵抗)それにも関わらず、社内では新規事業のプロジェクトチームが立ち上がられてしまった。
――

つまり、逆接の接続詞を強引に連用してはいるのですが、そのニュアンスは微妙に変化していたわけですね。

だからといって(制限の接続詞ですね)、やはり逆接の接続詞は連続して使わない方が良いでしょう。

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