ニュースでも「悪どい」が使われる「あくどい」言葉
結論を先に述べると、「悪どい」という言葉は表記方法も意味も誤用されています。
例を見てみましょう。
最近は「あくどい」を、「非常に悪い」という意味で「悪どい」と誤表記しています。
「あくどい」の本来の意味は、程度を過ぎてきつい。色や味がしつこい。やり方が行き過ぎていてたちが悪い、などです。
確かに「たちが悪い」の意味もありますが、本来は「灰汁どい」です。
つまり、「灰汁(食べモノのえぐみや渋みなど)」が強いことです。度が過ぎている意味ですね。
別の説もあり、接頭語「あ」+「くどい」ではないかとも言われています。この場合も度が過ぎている事を示していますね。
というわけで、「あくどい」の正しい使い方としては以下の様になります。
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服の色があくどい(きつい)。
その商売の仕方はあくどい(質が悪い)。
その化粧はあくどい(やりすぎ)。
あのプレゼンはあくどかった(しつこかった、あるいは度が過ぎていた)。
説明があくどい(くどい)。
性格があくどい(きつい)
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まぁ、たしかに「灰汁」より「悪」を使用した方がしっくりする場合がありますね。
ですから、近々「悪どい」も正式な表記として認められるかもしれません。
しかし、まだ今のところは「あくどい」とひらがなにしておいた方が無難でしょう。