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【生体販売は本当に悪なのか?】保護猫活動のビジネス化を考える②

保護活動のビジネス化を考えるシリーズ第2回目!
1回目は、そもそも保護活動は儲けてはいけないのかという点について持論を展開してきました。

今回から、保護活動をビジネス化する上で、何を売上とできそうか?可能性として考えうるものを何回かに分けて、考えていこうとおもいます。

今回は生体販売の可能性について考えます。


生体販売の是非について

まず結論

早速、色んなところからハレーションが発生しそうですが、保護活動における生体販売は有りと考えます。

この一文だけ読んで怒りがこみ上げてくる人も多いと思います。ですが、そう思う人こそ冷静になって私の考えを読んでいただきたいです。

最初に断っておきますが、現状、一般的に行われている生体販売には、反対に近い意見を持っています。

生体販売の在り方を改めて考察することで、保護活動の拡大につなげるビジネス展開ができないかの可能性を探りたいのです。

生体販売が悪とされる理由

生体販売をやめるべきと考える人は、以下の理由を挙げられる事が多いようです。

■生体販売に反対な主な理由

  • 一部の悪質なブリーダー、ペットショップの劣悪な飼育環境

  • 強引で過剰な繁殖の疑いが後をたたない

  • 気軽に買えることで、責任感のない飼い主の増加を助長している

  • わんちゃん、猫ちゃんが終日、見知らぬ人の目にさらされるストレス

現にこれらを理由に欧米ではペットショップでの生体販売を禁止している国が多い

詳細は下記「いぬなび」さんのアンケート結果を参考にされたい。

生体販売そのものが悪と考えるのは安易ではないか?

上述の理由を考えると、生体販売がそのものが悪いと考えるのは早計ではないだろうか。

仮に生体販売が全て、保護活動によるものと考えたらどうだろう?

上述の「悪」な理由は、ほぼ解消されないだろうか?

保護〜譲渡のプロセスで見ていくと、解消される課題が多い。

保護前の飼育環境こそ、過酷な外の世界だが、保護後は責任ある預かりボランティアで温かく育てられ、適切なタイミングで動物病院を受診する。

避妊去勢も適切に行われ、無理な繁殖は絶対にない

譲渡会は月に1度程度あるが、お見合いは預かりボランティア宅などで、少人数で行われ、ストレスも少ない。

そして、譲渡の決定は、経験ある保護団体や愛護センターの責任者により、飼い主を見極めて行われる。

前述のものが、生体販売への全ての反対理由ではないが、儲けに走る悪質なペットショップやブリーダーにお金を払うより、お金を払う価値は十分にないだろうか?

保護活動は無償譲渡で良いこと?

一般社団法人ペットフード協会の調査によれば、ペットの入手先は犬で50%以上、猫で約16%がペットショップ経由だという。

この実態を見るに、「ペットを迎える」=「ペットショップで購入する」という文化が根強いことが伺える。

①「有償の生体販売」=「ペットショップ」=「悪」
②「無償譲渡」=「保護活動」=「良いこと」

ペットショップでの販売に疑問を持つ人が、この固定のイメージを根付かせてしまうのも納得である。

この①②のイメージはそのまま以下の①’②’のイメージに、すり替わっていると予想できる
①’「有償の生体販売」=「悪」
②’「無償譲渡」=「良いこと」

①については細かく論じないが、法律などで厳しく制限すべきな事は間違いない。

しかし、②には大きく見直す余地があるはずだ。
目指すは③の姿ではないだろうか?

③「有償譲渡」=「保護活動」=「良いこと」

この状態が広がれば、保護活動の経済が活性化し、より多くの保護活動を行えるはずだ。
当然、儲けに走り、悪質な保護団体も出てくる可能性は否定できない。有償となると譲渡ペースが落ち、保護のキャパ崩壊の可能性もあるだろう。

しかし、それを理由に現状を変えなければ、一向に状況は好転しない。

有償譲渡への転換の道のり

これには全国の保護団体が有償譲渡を一斉に始めるだけでもダメだろう。

他にも、①を「良いこと」に変えるための、法規制が必要だし(そうなると現状のペットショップのビジネスモデルは崩壊する可能性は高いが…)、悪質な保護団体の発生を未然に防ぐ仕組みも必要になってくる。

タスクは多く、道のりは長い。

それでも今の生体販売よりも、有償譲渡への転換に、ビジネスとして、保護活動を広げる可能性を感じざるをえない。

今後もこの方法以外のビジネスとして、保護活動を広げていく可能性を色んな角度から考えて整理していこうと思う。

最後に、非常に真面目に、動物に優しく活動されているペットショップやブリーダーも数多く存在するということだけ、お伝えしておきます。

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