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デジタル庁が推進する地域幸福度(Well-being)指標のイマイチな点

最近、よく耳にするようになったWell-being(ウェルビーイング)という言葉。直訳すれば「幸福」。
実はデジタル田園都市国家構想実現に向けて、この幸福度の指標を活用しようという動きがあることをご存知の方は、まだ少ないのではないでしょうか?

今回は、この指標の簡単な概要と、イマイチな点について話そうと思う。
なお、ここに書かれる事は、所属する企業の見解ではなく、現段階での個人の考えを簡単に書いています。


デジタル庁が推進する地域幸福度指標とは?

地域幸福度(Well-being)指標とは?

地域幸福度(Well-Being)指標とは、市民の「暮らしやすさ」と「幸福感(Well-being)」を数値化・可視化する指標です。

デジタル庁:地域幸福度Well-being指標サイトより https://well-being.digital.go.jp/

この可視化・数値化されたデータは、自治体ごとに可視化して公開されている。
ご自身のお住いの地域の幸福度指標も簡単に調べることができるので、ぜひ、試してみて欲しい。
なお、自治体間の優劣の比較やランキング付けなどは厳に禁止されている。
あくまで、地域らしさ(強み弱み)を知るために活用する指標である

図1.可視化された地域幸福度(Well-being)指標の例

地域幸福度(Well-being)指標の調査の仕組み

大きく2つの軸で偏差値を計測する

主観データ
約50問の住民アンケート結果から数値化される
図1のうちオレンジの線が、アンケート結果を偏差値で示したもの
全国調査と個別調査の結果がある

・全国調査
 全国一斉調査されたデータのうち該当する自治体住民の回答を集計したものを表示
 回答者数が少ない(いない)自治体も存在する

・個別調査
 自治体ごとに独自にアンケート調査を行った回答を集計したもの
 まだまだ、独自で調査を行っている自治体は少ない

客観データ
いわゆるオープンデータを活用し、各カテゴリの偏差値を示したもの
図1のうち青色で示されたもの

地域幸福度(Well-being)指標の活用方法

ここでは詳細は書かないが、主観データ(住民の実感値)と客観データ(ファクト)、アンケートで同時に取得する「幸福度」「生活満足度」をかけ合わせて分析していき、その地域の強みや弱みを明確にしていく。

分析結果を基に、地域の目指すビジョンを定め、そこに向かうための政策を立案・実行していくというのが理想の活用方法である。

うまく活用すれば、地域の政策は、住民の幸福度UPに向かうもので「なんのための政策??」というものが減っていくのだ。

地域幸福度(Well-being)指標のイマイチな点

指標そのものは素晴らしい

イマイチな点を話す前に最初に断っておくが、指標そのものは素晴らしいものであると個人的に考えている
幸福度ランキングや指標は様々あるが、日本人らしさを考慮した指標であり、地域の魅力を伸ばすのに活用できるものになっている

イマイチな点

その上で、個人的にイマイチと感じる点はその活用方法にある。
少しずつ個別調査を実施する自治体が増えているのは事実。
一方で指標をとるだけで、まだまだ活用できている自治体が少ない点だ。

当然、この指標を軸に、住民のWell-beingにコミットした政策を打ち出している自治体も登場してきている。

私も含め、産学官民が一体となって、この指標活用の普及を進めようとしているが、まだまだスピード感が足りない。

各自治体がこの指標の導入の目的と重要性を理解し、個別調査を進めて欲しいと心から願い、活動する日々だ。

皆さんにお願いしたいこと

もし、このnoteをご覧になって「自分の自治体、個別調査のデータがないじゃん!」と思った方は、ぜひ、知り合いの自治体職員の方に、お話してみて欲しい。

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