子供の英語学習の前には、学習のための学習が必要

突然ですが、みなさん自身は学生時代、英語を学習する時にどんなことをしていましたか?文法理解やリスニングなど、いろいろあるかと思います。私の場合のメインの学習手段は暗記でした。具体的に言うと、学校の教科書を丸々覚えるということをしていました。一通り、そのテキスト範囲の文法を理解した後は、とにかく何度も読んで、何度も書き写しました。苦行のようにも見え、実際最初はそう感じます。でも、不思議なものでずっと読んでたり、ずっとリピートしていると、ハイになるんですよね。高校の夏休みの時には、100円均一で安いボールペンの束を買ってきました。そして1日一本、新品のボールペンのインクが無くなるまで書くってことをしていました。どうかしてたと思います(笑)。

さて、自分もそういう勉強をしていたから、ぜひ子供にもそうさせようと思い、とにかく読んで、書いて英語を覚えさせようというした時期がありました。まだ子供たちが低学年の頃です。しかし、上手く行きませんでした。当然ながら、まずはアルファベット、しかも大文字、小文字が書けるようにならなければなりません。これも、大人になってみれば至極簡単なことですが、子供たちしかも低学年には大変です。大文字には馴染みがあっても、まず小文字がすっと出ない。Cのように大文字Cも小文字cもほぼ同じならいいです。でも、Gみたいに、大文字Gから小文字gって結構違いますよね。

アルファベットが書けたとして、今度は英語独特の1つの単語のスペルはひっつけて書く、というのがなかなかできません。例えば、dog とあれば、この3つの単語を狭めて書く。そして次の単語との間には適度なスペースを空ける。これもでできません。ですので、ノートに書けたとしても、どこまでが一つの単語か分からないため、非常に読みにくいです。

極めつけは、手の力がそもそも弱い。これはうちだけかも知れませんが、ペンで長い文章を日本語ですら書き続けるという経験がありません。ですので、英語を何度も書こうとしても、手の力が弱いので、なかなか進みません。または、子供であるあるなのが、筆圧が強すぎるがために1つ1つのアルファベットを書くのに時間がかかってしまいます。要はスラスラ書けない。

また別の機会に書こうと思っていますが、子供の英語学習で、特に初期に親ができることって、そうした時間に付き合うってことだと後に気付きました。親が子供の英語学習をするって言うと、想像するのは文法なんかを子供に教えている姿です。ですので、子供がやることにフィードバックを与えたくなります。まずは黙って、ゆっくりでも書き進める子供の横で見守るだけでよかった。でも、それを知らない当時の私はも「早く書け」とか「スペース入っていないから読みにくいでしょ」と心無い言葉を言ってしまっていました。

そして時が経って現在。三女は英検利用で中学受験をしています。一部の学校では英検3級の資格だけではなく、英語による試験もあります。難易度としては英検3級レベル。英検3級の筆記の1問目は単語の問題です。この学習では、答えを出すだけではなく、出した答えも含めて全文を読んで、書かせています。この学習を始めた時、正直三女が英文を結構キレイにそしてスラスラと書けているのに「おっ!」とうれしい驚きでした。おかげで学習がスムーズに進みます。英単語の問題ですので、初見では答えを間違えても気にしません。読んで書かせて、次の時に答えられるかが大事です。読んで書くという学習方法で、三女は結構単語問題は覚えています。

この事象だけみたら、読んで書く、という学習方法が良かった、というだけになります。しかし、一歩進んでそれが可能になった要素は何か?まで考えてみると、その学習方法を可能にする、学習のための学習があったと言えます。例えば、単語をキチンと大文字、小文字で書ける。単語と単語の間に適切なスペースを空ける(適切を自分で判断できるのってすごいと思います)。学習がリズムよく進められる程度に早く英語が書ける(これは成長により手が大きくなったり、手の筋力がついた、という要素も大きいと思っています)。読む、という部分ではそもそも簡単な単語が読める状態にある。こうした土台があったから、読んで書くという王道の学習法ができた。王道の学習法ができるから、英語を覚えることができる。英語を覚えられるので、やっていて楽しい。このような良い循環が生まれているな、と思いました。

こうした学習のための学習において、手の大きさや手の筋力といった身体的な成長を伴う部分は待つしかありません。しかし、大文字、小文字。単語と単語のスペースの感覚。単語のスペルと単語の読み。これらは小学校の低学年から始められます。さらに良いのがこうした学習ならば高い英語塾など行く必要はありません。本屋さんには小学生の英語学習用のドリルがいっぱい売っています。それを使って子どもたちに英語の単語を読んで聞かせる。書かせてみる。こうして簡単に始められます。うちの娘たちはそうした本屋さんのドリルから英語学習をスタートさせました。それが中学受験での英検利用に将来的につながりました。もし、みなさんのお子様がまだ小学生の低学年であり、将来ぼんやりとでも中学受験で英検を検討されている場合は、本屋さんのドリルから子供と一緒に初めてみてはいかがでしょうか?それは確実に学習のための学習になっています。


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