放送作家スクール…開講するぞ❣
「企画力なんてものは、不意に頭の扉が開いて、引き出しが出て来てね、 その中にイメージやカラーやワードが見つかるんだな…
こいつがインスピレーションなんだよ。この自分だけのインスピレーションは君たちの頭の無意識のドアーを少し開けておかないとダメなんだよ」
これは何かの本で読んだ言葉を、適当に綴り合わせたものだろうけど、なかなか良い事を言うじゃんと思いながら喋っている。
窓から首都高速が見えるから、日本脚本家連盟スクールの放送作家クラスだな。生徒には見慣れない奴がたくさんいるが、真ん中にドカッと座っているのは正樹君だ。
相変わらず、ぎろっとした強面で俺を見つめている。 「先生! 先生のインスピレーションはいつ出るんですか?」 正樹が鋭い質問をする。
「そんなもの、解ってりゃ苦労しないさ」 この答えじゃこの男は納得しない。 「でもさ、プロはいついかなる時でも、出さなければいけないんだ。その為には日頃の勉学、情報のインプットが大事なんだよ」
ありゃ、正樹が眠ってる! ヤバイ、俺の授業はつまらないんだな、きっと 「精神とは何だと思う?」
俺は寝ている奴らに質問する。が…誰も答えない。 「精神とは、目に見えない大自然だ!」
「何でですか?」 正樹君が、むっくり起きて質問する。 「ありゃ! なんだっけ?何でだっけ?」 エーと、エーと、何だっけ?、エーと、エーと…頭が大混乱して覚醒した。
寝入りばなに見た夢だった。眼が覚めたので自分の講義の台詞を枕もとの紙に書きつけた。へーこんなこと喋ったんだと、可笑しくなったよ。