終わりの始まりは突然に!
ダンススタジオのような鏡張りのフロアー。 ウッドの床に汗が滴り落ちている。
「いちっ にっ さんっ しっ ごっ・・・」 可愛いらしい掛け声の中で空手の道着をまとった女性たちが正拳顔面突きの型練習をしている。
続いて、上段蹴り、後ろ廻し蹴りが次々と決まる。
「終わりの始まりは、突然っ!」 ひとりの美しい女性空手家が叫ぶ! 「終わりの始まりは、突然っ!」 全員が、それに唱和する。
道場の隅でサンドバッグを叩いていた俺は、驚いて、思わず掛け声が出た!「グルコサミン! コンドロイチン! 高麗人参!」 呪文のように言葉が浮かんだ。
野菜ジュースは無添加じゃなくちゃ、駄目なんだ…そんな事をぼんやり考えながら空手の師範代を見つめた。
なんと山田美保子さんじゃないか…俺の同業者…放送作家だ。 へぇー腰が悪いとか言っていたが空手もやるんだ。 なぜか嬉しくなった!
そし、山田さんとスパーリングをやろうかな… そんな事を考えながら、サンドバッグにワンツーを叩きこんだ!
よっしゃ、得意の五百連打行くぜー! なんだか楽しくなって、めちゃくちゃパンチを叩きこんでいたら、疲れて目が覚めちまったよ(笑) しかし、清々しい目覚めだった。