あなたの眼にウロコはあるか…⁉
どぶ川の流れる地下道を歩いている。突然、大きなネズミが走って横切る。なんとも言えない異臭 その時、漆黒の彼方から音楽が…
M ダンス オブ ヴァンパイア ジム・スタインの作曲だ。 という事は…ここはパリ…京都ではないぞ。 オペラ座の地下室か…聞こえてくる音楽はステージからだ。
欲望に満ちた舞踏会 そこに仮面の男が現れる。 オペラ座の怪人!
俺は地下道から脱出した。そして、中世のネオロマンの風が吹く劇場の前、大勢の人々がなんと、みんな仮面を着けている。ヴァンパイアだらけだ。
俺は慌てて地下道に逃げ込む。そこにも人々が異様な顔をして…その人々は眼がウロコで覆われているのだ。何枚もウロコが重なった男もいる。ウロコが剥がれ落ちそうな女もいる。
ウロコは人間の先入観だ。間違った先入観が偏見というウロコとなり、その人の視野を狭める。何枚もウロコが重なると人間性まで劣化する。
ウロコがビッシリ着くと仮面になる。つまり、もう本人ではない。虚飾の覆われた人体の形をした物体にすぎない。眼のウロコは早めに落としておいた方がいい。
ウロコの着いた眼は色眼鏡で見るようなものだ。先入観、偏見、間違いだらけの第一印象…俺は時々自分の眼にそっと手をやる。まだ、ウロコが着いていない事を確かめる為だ。
眼からウロコが落ちるって言葉は新約聖書にある。イエスを迫害したものは視力を奪われる。ウロコが着いてしまうのだ。これを落とせることができるのはイエスの弟子たち。クリスチャンでもないのに眼からウロコが落ちる人が日本にはたくさん居る。これ結構 笑えるよね。