SEOは攻略するものではない。SEOの具体的なアイデアがあふれてくる3つの思考
SEOに強いWebマーケティング会社「ウェブライダー」代表の松尾です。
Webマーケティングといえば、外せないのが「SEO(検索エンジン最適化)」。
SEOとは、自社のサイト・ページ・コンテンツの価値を検索エンジンから適切に評価してもらうためにおこなう、さまざまな調整を指します。
Webマーケティングにおいて、検索エンジン経由の露出を意識しないことは通常ありえません。
なぜなら、検索エンジンは悩みや願望をもっている検索ユーザーが集まる場所であり、その場所でユーザーにあった提案をすれば、ビジネスの機会は確実に生まれるからです。
つまり、世の中のあらゆるニーズが集まる場所、それが検索エンジンであり、あえて言い切るのであれば、確実性の高いビジネスチャンスにあふれている場所です。
よって、SEOを意識することはメリットしかありません。
「SEOなんて必要ない」と思っている方は、これだけ多くのニーズが集まる場所を見て見ぬ振りしているのと同じだともいえます。
何より、SEOと真剣に向き合い続ければ、あらゆるビジネスにおいて使える「ニーズを推し量る力」を大きく鍛えることができるでしょう。
それはすなわち、社会のニーズと向き合える人材を増やすことにつながり、社会全体にとっても大きなメリットとなります。
さてこの記事では、SEOに取り組む方に向けて、SEOを成功させるために必要な考え方を3つお届けします。
今回お伝えしたい考え方は次の3つです。
1.Googleと一緒になって、ユーザーの役に立つ検索結果をつくろう
2.Googleが検索結果で使いやすいように、自社コンテンツの情報をできるだけ【提供】しよう
3.コンテンツだけに注目するのではなく、ソリューションにこそ注目しよう
この3つの思考がどのように導かれたのかを知っていただくために、順を追って説明していきます。
SEO初心者の方だけでなく、ある程度SEOに詳しい上級者の方にも、さまざまな気付きを得ていただけると思いますので、ぜひ最後までお読みください。
■1.SEOという言葉の「意味」を丁寧に説明できますか?
3つの思考を取り上げる前に、まずはSEOという言葉の意味とあらためて向き合ってみます。
一般的にSEOは、「検索エンジンで上位表示するための施策」という言葉で説明されることがありますが、その説明はいささか乱暴です。
SEOの意味を丁寧な言葉にするのであれば、以下のようになります。
「検索結果で自分のコンテンツが取り上げられるよう、検索エンジンからコンテンツの内容を適切に評価してもらうためにおこなうさまざまな調整のこと」
先ほど、検索エンジンで露出することは確実性の高いビジネスチャンスを得ることだと話しましたが、SEOとはまさに、検索エンジンの自然検索の結果にてあなたのコンテンツを取り上げてもらうための概念を指します。
あなたのサイトが検索ユーザーにとってどれだけ役に立つコンテンツを有していたとしても、そのコンテンツの存在を検索エンジンに知ってもらい、コンテンツの内容を理解してもらわなければ、検索結果では絶対に表示されません。
そのようなことがないよう、検索エンジンのクローラーを呼び込んだり、クロール後のインデックスで、そのコンテンツで掲載されている内容を把握しやすいように、リンク構造や文書構造やマークアップを整えることを「SEO(検索エンジン最適化)」と呼びます。
別の言い方をするのなら、「検索エンジンがそのコンテンツを評価しやすい状態に最適化する」という意味で「SEO(検索エンジン最適化)」という言葉を用います。
たとえば、どれだけ素晴らしい図解を用意していたとしても、その図解に関する説明を検索エンジンに認識してもらわなければ、画像検索の結果では上手く表示されません。
認識してもらうためには、画像の<img>タグの「alt要素」に、図解について解説する代替テキストを入れたり、図解の周囲に、その図解が何を示すものなのかを示すテキストを配置する必要があります。
そうすることでようやく検索エンジンは、「なるほど、これは●●ということを解説した図解なのだな」と判断し、画像検索の結果に表示させてくれるのです。
(ただし、今の検索エンジンは進化しているため、このような調整以外でも、その画像が図解であるかどうかを判断してくれる場合があります)
さて、先ほど私は、SEOの意味を説明する際、次のような長い一文を用いました。
この一文の中に、とても重要なフレーズが出てきます。
それは、「検索結果で自分のコンテンツが取り上げられる」というものです。
■2.SEOとは、検索エンジンを攻略することではない
SEOで重要なのは、検索結果であなたのコンテンツが取り上げられることです。
では、どうすれば取り上げてもらえるのでしょうか?
実は、検索結果でコンテンツを取り上げてもらうには難しくありません。
ただ、そのロジックをお話しする前に、まずはSEOを進める上で押さえておきたい「作法」を共有しておきます。
(その「作法」を共有するにあたり、ここからは「検索エンジン」=「Google」と置き換えてお話ししていきます)
早速ですが、SEOの現場に身を置いていると、たまに「Googleを攻略する」という言葉を用いる方がおられます。
もし本気でGoogleを「攻略」しようと思っているのであれば、そもそものSEOと向き合う姿勢が間違っているかもしれません。
攻略とは、攻めるための策略と書きます。
一体、Googleの何を攻めようとしているのでしょうか?
SEOにおいて大切なのは「Googleと一緒になって、ユーザーにとって役に立つ検索結果をつくる」という意識です。
Googleの検索結果は、何かのキーワードで検索するユーザーのためにつくられます。
そして、その検索結果は、Googleが独自の判断だけでつくっているのではなく、「そのキーワードで検索するユーザーが求めている検索結果とは何か?」という問いをGoogleなりに熟考して導き出した答えです。
その熟考の過程において、Googleは、過去にGoogleを利用したユーザーの行動データなどを用います。
そして、その行動データをもとに、「ユーザーが求める検索結果とは何か?」という「問い」に対してさまざまな視点から考え、「答え」としての検索結果をつくるのです。
ただし、そうしてつくられる検索結果が常にベストとは限りません。
よって、Googleは検索結果をつくったあとも、ユーザーの反応を見ながら、検索結果をどんどんアップデートしていきます。
Googleの検索結果が便利なのは、そういったユーザーのためのアップデートをGoogleがずっと続けてきたからなのです。
そして、そのアップデートはこれからも続いていきます。
Googleには「ユーザーのことを最優先に考える」という理念があります。
この言葉には、Googleは、ユーザーに気に入ってもらえる検索エンジンを運営し続けることで、ユーザーから好きになってもらい、Googleを使い続けてもらいたいという思いが込められています。
「Googleって、いつ使っても便利だ」というユーザーからの評価が高まれば高まるほど、Googleを使うユーザーは増え、そこから生まれるトラフィックはGoogleのビジネスの成功を後押しします。
そのことを頭に置いた上で、あらためてSEOについて考えてみます。
すると、SEOにおいて大切なのは「Googleと一緒になって、ユーザーの役に立つ検索結果をつくること」だとわかってくるでしょう。
よって、あなたのコンテンツがGoogleから評価されるためには、Googleが目指す「理想の検索結果」において、その理想の検索結果を構成する「ひとつのパーツ」となる必要があるのです。
カンタンに言えば、Googleから「あなたのコンテンツがないと、Googleが理想とする検索結果はつくれない」と思ってもらえるような存在になればいいのです。そうなれば、Googleが評価せざるをえない存在になります。
Googleから必要とされるということは、Googleを使うユーザーからも必要とされること。
逆をいえば、Googleを使うユーザーから必要とされれば、Googleからも必要とされます。
そのためにも、SEOを進めるすべての人は、「Googleで検索するユーザーは、なぜ検索するのか?」という、ユーザーが検索する「理由」と向き合う必要があります。
そして、そのユーザーとは、日頃Googleを使っている私たち自身でもあるのです。
■3.私たち検索ユーザーが検索する理由
というわけで、私たちが検索エンジンを使う理由を考えてみましょう。
その理由は、大きく次の2つに分かれます。
1.何かの悩みを解決したい
(何かの悩みを解決するための情報を探している)
2.何かの願望を叶えたい
(何かの願望を叶えるための情報を探している)
Googleはこの2つの理由すなわち「検索意図」に応じた検索結果をつくろうとします。
よって、私たちも、そのユーザーの「検索意図」に応じた検索結果の一要素となるコンテンツを提供する必要があります。
たとえば「英語をもっと上手く喋れるようになりたい」という目的で検索したユーザーがいたとします。
このユーザーに対して、Googleはどのような検索結果をつくるでしょうか?
パッと考えるだけでも、次のような検索結果が想像できるでしょう。
▼考えられる検索結果
英語を上手く喋るためのノウハウがまとまったページが集まった検索結果
ただし、実際に「英語 上達」という検索ワード検索してみると、そのようなページだけが上位表示しているわけではありません。
そこで、実際の検索結果を見てみましょう。
(以下は2021年4月5日時点の「英語 上達」での検索結果です)
検索結果には記事だけでなく、「動画」も表示されていますね。
それは当然のことです。
英語を上手く喋る方法を知るには、英語を実際に話している動画を見た方が効率がよい場合があるからです。
そしてさらには「上達」という意味を表す英単語(=Improve)まで表示されています。
これは、「英語 上達」と検索する人の中には、英語を上達させたいという意図ではなく、単純に「上達という日本語を英訳したい」という人も多いのでしょう。
上記のように、Googleは、何かのキーワードの検索結果を、そのキーワードで検索するユーザーが抱えるさまざまな目的に合わせて構築します。
また、その構築においては、多くのユーザーにとって便利な、ある種「最大公約数的」な検索結果の構築を意識します。
よって、検索結果であなたのコンテンツが選んでもらうには、あらゆるユーザーの検索意図を意識し、その中でもとくに多くのユーザーが抱える検索意図に合ったコンテンツをGoogleに【提供】する必要があるのです。
ちなみに、ここであえて【提供】という言葉を用いました。
実は、SEOにおいて重要なのはGoogleにコンテンツを【提供】するという意識をもつことです。
「提供」という言葉を念頭におけば、たとえば「どのようなページ構成なら、Googleは検索結果でそのコンテンツを使いやすいか」という発想になり、よりSEOを上手く進められるようになります。
あなたが自分のコンテンツを検索結果で表示させてほしいのであれば、コンテンツを使いやすい形に「調理」して、自ら提供する必要があります。
そのためには、コンテンツを構成する様々なデータをできるだけ多く渡したほうがよいでしょう。
Googleがコンテンツの内容を理解しやすい状態、すなわち、ある種の「咀嚼(そしゃく)」しやすい状態にして、【提供】することが大事なのです。
この観点があれば、たとえば他社と同じようなコンテンツを提供しても、Googleからすると「そのコンテンツはもう必要ないよ・・・」となりますし、逆に他社と同じようなコンテンツであっても、さらなる魅力をもったコンテンツであれば「他社より、おたくを選びます」となります。
また、検索結果にはまだ存在していないが、検索ユーザーが深層心理で求めているコンテンツがあるのであれば、それをつくることで、Googleから積極的な評価を受けることができるでしょう。
そういったコンテンツは、他社と切り口を変えたり、他社よりもその分野に深い知見を有したりするれば、つくれるようになります。
少し、話を戻しましょう。
先ほど、Googleの検索結果で選ばれるには、ユーザーの「検索意図」を意識したコンテンツをつくっておく必要があるといいました。
ただ、ここで注意が必要です。
それは、この「コンテンツ」という言葉です。
どういうことかというと、私たちは検索結果においては、必ずしも「コンテンツ」を求めているわけではないということなのです。
たとえば、「英語 上達」と検索する場合、人によっては、英語の上達法が書かれた記事を読みたいと思うのではなく、「海外の人と英会話を楽しめるイベント」を求めているかもしれません。
また、スピードラーニングのような英語教材を求めていたり、ECCのような英会話教室へ足を運びたいと思っていたり、レアジョブのようなオンライン英会話サービスを使いたいと思っている場合もあるのです。
(厳密にいえば、何らかの商品やサービスを求めている人はその商品やサービス名で検索をすると予測されますが、その商品やサービス名を知らない人の中には上記のような心理で検索する可能性も大いにありえます)
そう考えると、検索結果で選ばれるためにコンテンツをつくるという発想は、まだ浅い可能性があります。
そこで私がオススメしたい発想が、コンテンツではなく【ソリューション(solution)】をつくる、という発想です。
ソリューションとは「解決策」「解消策」という意味を表す英語です。
実は私たちは、何らかのソリューションを求めて検索しているのです。
■4.私たちが求めているのは、コンテンツ以上に「ソリューション」である。
ソリューションという言葉は「悩みを解決するための解決策」という意味で用いられますが、「願望を叶えたい」という心理も、ある種の悩みです。
私たちは願望の叶え方がわからないから検索しているのであり、実は「願望を叶えたい」という心理は「悩みを解決したい」という心理に含有されます。
以下のような図をイメージしてください。
そのことを踏まえると、すべての検索意図において、私たちが意識すべきは、検索ユーザーの悩みを解決するソリューションを用意するということになります。
ソリューションと一口に言っても、「コンテンツ」だったり「イベント」だったり「相談窓口」だったり「商品/サービス」そのものだったりします。
コンテンツが必要ないというわけではありませんが、コンテンツをつくる際は、ソリューションとしての機能を有しているのかを常に振り返るようにしましょう。
このようにソリューションを軸とした考えをもつことを、ウェブライダーの社内では「ソリューション思考」をもつと呼んでいます。
このソリューション思考があれば、上位表示を目指しているキーワードと検索ユーザーのクエリに込められた検索意図のミスマッチにも気付けるようになります。
当然のことながら、検索ユーザーが求めているソリューションと違うソリューションを提供していると、いつまで経っても上位表示できません。
検索ユーザーが真に求めているソリューションとは何かを考え、コンテンツをムリにねじ込まないようにしましょう。
まとめると、今回お伝えしたかったことは次の3つ。
1.Googleと一緒になって、ユーザーの役に立つ検索結果をつくろう
2.Googleが検索結果で使いやすいように、自社コンテンツの情報をできるだけ【提供】しよう
3.コンテンツだけに注目するのではなく、ソリューションにこそ注目しよう
今回の記事が、正しいSEOを志す人たちのお役に立てれば幸いです。
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