企業ばかりではない。ヒノモトの至る所のねじれ現象が現在の問題を根深くしている。

「責任感のある人ほど自分の体調を鑑みずに仕事に対して忠実に動く。その結果として体調不全の中の出社が起きる。ウイルスの感染を広げているのは、こうした日本人の「出社至上主義」にあるのだ。〜人は自分と同じ要素のある人間を本能的に好む。ダイバーシティの重要性を声高に企業は叫べども、結果的にはある一定の幅の中での採用である。飛び抜けて異質な人を積極的に採用することは稀まれである。似たような経歴、似たところのある人々が企業に集い、組織が形成されている。この種の似たもの同士コミュニティは一緒に居るとメンバー間の心理的な安心度が高い。似たもの同士はお互いを察しやすいし、そもそも似たようなマインドセットを持つ。〜自分で決めたならば集団の中の異常行動だけれども、上からの指示だったらそれを守るのは正常行動だからである。体調が悪くて欠勤して後で不合理な扱いを受けたくないとの思いが無理にでも出勤する意思決定となる。時間だけが過ぎていき、ウイルスが蔓延まんえんしていく。〜似たもの同士コミュニティの中で、企業は一緒にいた時間の長さで人々を評価してきた。わが国においては労働時間の長さと昇進には正の相関があるとされている(注2)。企業側にとっては、一緒に居る時間の長さはコミュニティに対する忠誠心の証しとして可視化しやすい一つの指標である。そして、長時間をかけて多角的に従業員を評価するという効用もあった。一緒に居る時間の長さが評価の一部とされることは、人々の行動に強く作用した。休むと自分の評価が下がるので休んではいけないという行動の規則を強化したのである。〜トップが末端の意志決定者まですべてに対し、休むことの重要性を徹底させることが可及的速やかになされるべきアクションであろう。「トップはああ言っているが、現場の部長が認めない」といった、よく見聞きするねじれ現象がないように徹底させるべきである。場合によっては、部下を体調不良で出社させた上司への罰則規定を設けることも必要かもしれない。』

往々にして「仏作って魂入れず」なところが多いだろう。企業ばかりではない。ヒノモトの至る所のねじれ現象が現在の問題を根深くしている。

新型コロナで社員に「有休」をとらせる日本企業のおかしさ
テレワーク対応は大企業ばかり
https://president.jp/articles/-/33298

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