偉人にも歴史にも興味がない私の映画のみかた
映画館、コロナで行けなくなった場所の一つですが、ふとコロナ前のロードショー予告の広告で気になっていた映画がありました。
それがこちら。三島由紀夫VS東大全共闘 50年目の真実
正直にいうと、この広告観たときに、「え?」って思ったんですね。なんとなく過激な同士でどちらかというと東宝シネマとかではなく、単館の映画館とかでやるようなお話かなぁ、と。
お話も「朝まで生テレビ」みたく喧々諤々(けんけんがくがく)やりあうだとか、そんなイメージ。
わたくし個人の映画の感想としては「三島由紀夫さんを知ることができた」というのが大きな映画でした。
基本的に三島由紀夫さんというと日本刀もって割腹自殺するだとか、暴力を(非合法ながら)肯定するだとか、そういうエキセントリックな印象しかなかったのですね。(本来大半を占めていたであろう)それ以外の三島さんの一端に触れられたのが大きかったのです。
あと大きかったのは映画なので当たり前なのだけれど、カラーの動画で初めて三島由紀夫さんに接してみると、歴史上の人物、ではなく普通に生きてる人だったんだな、と素朴に思ったわけです。
白黒の写真でかつ活字でしか知らないと、50年位前の人もあるいは1000年くらい前の人もある意味同じ、というか「そもそも実在してた人なの?」とすら思えていたのです。
それがやっぱり肉声を聞いてカラーで触れると「単なる歴史上の偉人(=自分には関係のない人)」というところから一個人として浮かび上がってくる。
特に映画の三島さんは44歳でちょうど今年44歳の自分としては妙に親近感や人間的にも共通する要素を持っていたりするのですね。
具体的に言うならば三島さんてとても品がよくて、もう当たり前すぎることなのだけれど言語能力が高い(笑)何より感じたのは、優しい、ということです。
反知性主義だとか反道徳主義だとかあるいは暴力肯定論だとおっしゃっていた三島さんですが、むしろ純粋に知性的で道徳的で平和主義な方だったことに触れられたことが一番大きかったでしょうか。
あと気づいたこと。自分は偉い人間になりたいわけじゃないから偉い人の話には興味がなくなっていた、ということ。自分だけではなく、もしかしたら同じような感覚持っている人もいるかもなぁ、と思った次第でした。