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【日記】2025年2月後半 読む力と創造力、そして箱根神社に仙台掘り

2025年2月16日(日)晴 読むことは創造すること

小説を書くための教室に通っている。
この教室、とにかく読む。受講生が提出した作品を読み、課題図書を読み、ひとりひとりが感想を述べて最後に先生が講評をする。
これが、怖い。毎回、胃が痛くなる。
自分の作品に対する講評が怖いんじゃない。
他の人の作品に対する、自分の感想が怖いのだ。
読めていない、ピントを外す、浅い、薄い……
何せわが師は、長年著名な作家と組んで仕事をしていた有名な編集者なので、読むエキスパート。圧倒的な洞察の深さにいつも唖然として平伏してばかりいる。
だから何を言ったとしても私は丸裸だし、どんなに格好をつけたとしても瞬時に見抜かれるのだから、開き直れば良いのに。
いい年して、たぶんそれが怖い。
私は異世界に迷い込んだ人みたいに、教室の中で迷子になる。心細い。
その心細さは、「偽物」「嘘吐き」「浅はか」「凡庸」な自分に繋がっているような気がして、毎回、自分自身にがっかりしてしまう。
「本物」や「真実」を求め「深慮」で「非凡」な人に憧れてはいても、道は遠いし脚は地面に沈み込むほど重い。

こうしてもがき続けて、月に2回、1年間ほど通うと私はどう変化したのか。「わからない」と、正直に言えるようになった。
「好き」や「嫌い」が、少しだけ明確にもなった。
書くことと読むことは対になっていて、どちらも創造力が必要なのだと気付くことができた。

そんな当たり前のことに今まで気づけずにいたのだから、歩数はわずかだけれど、少し前に進めたのかもしれない。
筆力を上げたければ、読む力を同等に上げて書き続けるしかない。
終りはない。
凡庸な自分を受け入れて、コツコツと種をまき続けるしかないのだ。

2025年2月24日(月祝)晴 曇 雪 箱根神社に参拝する

箱根神社が好きなので、年に一度くらいは参拝する。

箱根神社

赤が濃くて良い。朱色じゃなくてえんじ色に近い、この赤が好き。
参拝する。清々しくて良き。
そして、お隣の九頭龍神社にもお参り。

九頭龍神社 龍の頭も9頭分あると、なかなか壮観。

雪が激しく降る時間もあったけれど、龍神様をお祀りしている神社なので、それも良し。
「どうか筆力を上げてください」と、念を込めて祈る。
いや、その前にしっかり読んで書けよ。
と龍神様の声が聴こえた気がした。頑張ります。

2025年2月28日(金)晴 江戸の声も聴く

丸ノ内線 お茶ノ水駅

先日、日本橋クルーズに参加して、お堀を船で巡ったことで、河川や堀、橋に愛着を感じるようになった。
夫は休日の度に、お堀の近辺を歩き回り、橋の上から下から、さまざまな写真を撮って東京を別角度から観て楽しんでいる。
60代の趣味にはうってつけだ。精神安定と健康に良い。
お茶ノ水駅付近のお堀は、伊達政宗の仙台藩が手掘りで掘ったそうで、「仙台堀」とか「伊達掘」と呼ばれているのだそうだ。
知らなかった。
「伊達政宗が手掘りで掘った」と聞くと、私はどうしても渡辺謙さん演じる伊達政宗がひとりでガツガツ手で掘っている姿をイメージをするのだけれど、そうじゃないことはわかっている。
幕府が伊達藩の力を削ぐ目的もあったらしいけれど、それにしても、江戸の街づくりや治水工事は凄いものだと感心する。
私の暮らしは、連綿と繋がっている誰かの暮らしの先にあるのだなと感じる。
耳を澄まして江戸の声を聴く。
震災や戦時中の東京の声も聴く。
空気の中に漂う、ほんの微かな声に耳を澄ませる人でいたい。

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しげのぶ真帆*散文と朗読「まほろふ舎」
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