リアル空想鉄道の旅路
日々移ろいゆく徒然をしたためんがため、noteを続けております。
最近、このnote上にてこんな記事を目にしました。
約1年ほど前に書かれた記事のようで、詳しくは、当該記事を読んでいただくとして、この方(かるごて さん)は、自己紹介とともに、全て架空・フィクションの鉄道世界、いわゆる「架空鉄道」を作ることを趣味にしている、というようなことを記事にしていらっしゃいます。
この世界観、非常によくわかります。
私も、小学生から中学生の頃にかけて、よく学習ノートにリアル・架空問わず、それらの配線略図をちょこちょこと落書きのように書いておりました。
一見すると、何が何やらわからない記号のような配線図ですが、私の中ではその一つひとつが意味を持っていて、かつ頭の中にその架空の街の風景が浮かんでいるのです。
おっと、今回の記事のタイトルは、「リアル」空想鉄道の旅路、でしたね。
すべて「空想」であるはずなのに、なぜ「リアル」がつくのか。
実は私は、ペーパー上での展開に加え、現実の生活でもこのような「空想鉄道」を展開させているのです。
いったいどういうことなのか。以下、何節かにわたって解説しましょう。
そもそもリアル空想鉄道とは
種明かしをすると、日常で使用する生活道路などを、鉄道の線路に見立てて、それをいくつかの路線群に分類した上で、これらを鉄道車両に見立てた自転車によって「運行」していく、というもの。
普段、散歩する時に通る道があるとします。
すると、私にとってその道は「〇〇線」の一部であったり、ないしは全区間であったりするというわけです。
この道を自転車で通行すれば、つまり「〇〇線」の一区間を走行している列車ということになり、私はそれに乗車している乗客扱いになります。
私が構成している空想鉄道は、いくつかのルートを数種類に束ねている関係から、「本線」というメインルートがあり、さらにそこから分岐していく「支線」や「バイパス線」も存在しています。
また、線路の特性に応じて、「幹線」や「ローカル線」の区別だってあります。
この空想鉄道では、駅や信号場も存在します。
例えば、信号付きの横断歩道であったり、もしくは停止線の標識やマークが書かれている交差点などが、道路の途中にいくつか存在します。
現実の交通ルールでは、当然歩行者や車は停止しなくてはなりませんね。
すなわち、この「一時停止」するという概念を逆手に取り、駅や信号場という発想が出てくるのです。
時に、実際の信号の待ち時間が長いと、それがいわゆる駅での長時間停車になってくるのです。
ダイヤグラムと種別の世界観設定
実際の鉄道運行で、特に重要な要素である「ダイヤグラム」も、逐一組まれています。
例えば、「〇〇駅から□□駅の区間は、幹線で沿線人口が多く、往来も盛んなため、高頻度で列車が運行されている」という線区もあれば、反面「△△駅から☆☆駅の区間は、ローカル地域で、沿線の人口・往来も少ないので、1・2時間に1本運行されるか」というように、細かな性格設定がなされているのです。
それから、〇〇駅より以前と以降で運行需要に差があると判定されている設定の場合は、その駅から運行系統が分割されていることだってあります。
その例は、主に隣町や、複数の自治体(国)を跨ぐことによって起こることがほとんどなのですが。
それから、これらの空想鉄道には、列車種別もあります。
あらかじめ設定されている駅の全てに停車していく、「各駅停車」ないし、「普通列車」に加え、「特急」や「快速」など、特定の駅のみ停車していくような速達タイプの列車も設定されています。
ここまで読み進めてきた方はすでに、当鉄道が既存の生活道路を使っていて、かつ信号や、停止線付き交差点などを駅に見立てている、と言うことを、ぼんやりとでも理解してきたと思われます。
となると、速達タイプの列車はどのように運行されるのか、気になりませんか。
当然通過駅があるわけで、現実には、通過するはずの駅の信号機が赤になることだって十分あり得るでしょう。まさか、強行突破するわけにはまいりません。
そこで、通過駅の信号が突発的に赤になった場合、速達タイプの列車は、停車するけれど、客扱いを行わないという、いわゆる「運転停車」となります。
実際の鉄道でも運転停車はあるので、これは不自然ではないでしょう。
ちなみに、信号機のない停止線だけある交差点等の場合は、基本的に全列車停車扱いになります。もっとも、当鉄道はなるべく、そういう交差点を避けるようなルートになっています。
沿線の世界観・ルート選定について
以上の節で、「リアル空想鉄道」の概要を見てまいりましたが、お次は、空想鉄道形成の骨組みとなる世界観と、ルートの選定はどのようにして行われているのでしょうか。
この辺りについてお話ししていきましょう。
まず、大元のルート選定についてです。
リアル空想鉄道の歴史は、私が中学の頃から続いているので、もうかれこれ10年以上になるでしょうか。その間、多種多様なルートの路線が敷設されて、今日に至っております。
その中で一貫して貫いているルールみたいなものが存在します。
それは、普段歩く、あるいは歩いたことのある道から選ばれていると言うものです。
もちろん、補助的に道路地図を用いることもありますが、基本は自分の足で「測量」していくのです。
この過程で、何種類かのルートが誕生し、さらにそこからカーブが多くないか、とか、道が狭い区間はないか、勾配はきつくないか等の、細かな条件をクリアした短絡ルートが、「本線」、すなわちメインルートに昇格します。
したがって、いくつかあるうちのルートのうち、メインルートに昇格できなかった路線は、「支線」あるいは「バイパス線」と言う扱いになる場合がほとんどです。
しかし、中には私的な事情で、その道を普段通行する必然性がなくなったとか、極端な急勾配であり、自転車で登坂するのは難しい、といった線路条件も少なからずあります。
そのような場合は、その地域の需要が少ないとか、代替ルートができたと言う設定にしておいて、「廃線」になることもあります。
当鉄道において、廃線の例は滅多にありませんが、現実がそうであるように、時には淘汰されることだってあるわけです。
このように、まずルートが選定されていき、そこから後付け設定で、沿線の世界観を構築していきます。
駅を設定した場合、その地点周辺に何があるかとか、どういう状況かなどを考慮して、駅周辺の地域の世界観を見立てていきます。
例えば、住宅地の真ん中に公園があるとします。その公園周辺があまり人通りが少なく静かで、かつ公園の樹木が多いとするなら、そこは、田舎の小都市、もしくは山奥という感じになります。
反対に、商店街など、人通りが多くてひらけた地点に駅が立つならば、そこは大都市とか、地方都市の中核駅というように読み替えられます。
駅周辺の世界観が設定されると、今度はその沿線の風景も考えていきます。
こちらは、文字通り沿線の風景と、道路構造の特殊さを考慮します。
実際の風景として、道路の沿線上に小規模でも畑や田んぼがあるなら、そこはすなわち田園地帯や水郷のイメージになります。
その要領で考えていくと、現実の地形が谷間になっていたり、かつ両側を這うように背の高い建物が建っていたりでもすれば、山脈のイメージになるし、さらにそこを水路が流れているなら、山深い渓谷のイメージにでもなりましょう。
他にも、幹線道路や実際の鉄道の線路を跨ぐため、跨線橋になっている場所もあります。そういう場所は、「峠」に見立て、いわゆる「交通の難所」のような扱いになります。
当然、運行本数も1日に数本といったところになります。
一つの自治体を「一国」に見立てる
当鉄道はすなわち、私が住んでいる地域を中心にして成立しているわけですが、それでも、現実の道路が存在している(路線が存在している)場所は、市区町村いずれかに属していることになります。
このことを踏まえて、当鉄道の所属している自治体は、一つの「国」という概念で捉えようとします。
要するに、「一国(一自治体)」の中で、運営会社を立て、「一国」の中で、運用が完結する、とみなすのです。
一自治体が一つの「国」であるゆえに、当然、いくつかの「国境線」をかする線形になっていたり、あるいは国境を超えて運用される列車も出てきます。
そういう系統の列車に関しては、欧州で盛んに運用されている、IC(インター・シティー)形式をとっていて、いわゆる国際列車といった系統になります。当鉄道の場合、略称は「ICL(インター・シティー・ライナー)」と言っていますが。
また、「乗車」したことはないのですが、「夜行」も存在します。
こちらは、実距離が近距離であるため、むしろ現実社会でいうところの、「深夜急行バス」に近いものとなっています。
路線名・駅名など
今まで解説してきた「リアル空想鉄道」には、数種類の「本線」と呼ばれるメインルートと、「支線」、「バイパス線」の3種類に分けられます。
そして、このそれぞれに名称が与えられています。
一例を挙げると、私の住む国(自治体)の中心地(例えばその自治体の役所周辺など)へと向かって伸びていく路線なので、「中心本線」と名付けられていたり、昔河川だったところを暗渠にした緑道をとおるメインルートには「緑道本線」という名称が付けられるなどです。
これに、町や目的地の施設の名前を冠した、「支線」や「バイパス線」も付け加えられます。
それから、駅名も一つひとつ設定されています。
基本的には、その地域・町名からいただくことがほとんどです。
他には駅と設定した場所の周辺に、特徴的な施設などがあると、それをいただくこともあるし、またそれを想起するような名称にするときもあります。
前者の場合、施設名をいただくとすると、例えば「〇〇寺」とか「大仏前」とかいうようになりますし、後者の場合は、大型ショッピングセンター=「市場」駅といった感じなります。
あとがき
以上、だいぶ長くなりましたが、私が想定している「リアル空想鉄道」について理解していただけたかと思います。
総じて側から見ると、私のやっていることは、いささか奇妙に思えるかもしれません。
ですが、ここで言いたかったのは、「リアル空想鉄道」という概念を、壮大に構想することで起きる、「見立て」の楽しさを伝えることでした。
この記事にて取り上げてきたようなことを、私は常日頃より楽しみ、時には改善していきながら、ブラッシュアップしているのです。
この感覚は、ぜひみなさんにも味わっていただきたいとは思いますが、なかなかこの通りにするのは難しいと思います。
それでも、この中のどれかでも意識して、「マイ・リアル空想鉄道」を作っていけば、それまでなにも考えることのなく、単なる「移動」に終始していた道が、ちょっとした「旅路」へと変化することでしょう。
あなたも空想鉄道に乗って、旅をしてみませんか。
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