しげちよ

短編小説【グラス一杯の物語】、お酒の豆知識【シゲの酒ログ】https://shigeh.com/を発信中。ワインソムリエ、酒ディプロマ、テキーラマエストロ。バーテンダー(銀座)、長野県出身、AB型。

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マガジン

  • グラス一杯の物語【シーズン3】

    東京銀座にひっそりと構えるバー。来店されるお客様と、今宵最高の一杯をお出しするマスターのお話。ダサくてもホットな気持ちにさせてくれるエピソードを、お酒と一緒にご堪能下さい。

  • グラス一杯の物語【シーズン2】

    東京銀座にひっそりと構えるバー。来店されるお客様と、今宵最高の一杯をお出しするマスターのお話。ダサくてもホットな気持ちにさせてくれるエピソードを、お酒と一緒にご堪能下さい。

  • グラス一杯の物語【シーズン1】

    東京銀座にひっそりと構えるバー。来店されるお客様と、今宵最高の一杯をお出しするマスターのお話。ダサくてもホットな気持ちにさせてくれるエピソードを、お酒と一緒にご堪能下さい。

  • グラス一杯の物語【無料版全5話】

    東京銀座にひっそりと構えるバー。来店されるお客様と、今宵最高の一杯をお出しするマスターのお話。ダサくてもホットな気持ちにさせてくれるエピソードを、お酒と一緒にご堪能下さい。

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Ep.4『ニセモノは本物』

ニセモノは本物(80歳、女性) 『(今日は最後に何を飲もうかしら)』 私はこのバーの常連客。 以前は近くに事務所があり、入ったのがきっかけ。 以来、お店の雰囲気とマスターの清潔感ある営業が好きで、通いつづけている。 思えば私も女性第一線、今の様に女性が働きやすくない時代で、夢中で仕事に取り組んできた。 中には『鬼の鉄人』とか『鋼の姉さん』と呼ぶ部下たちもいた。 激務やストレスの中、私をリラックスさせてくれるのはバーで飲む酒だ。 若い頃は部下達を連れて飲み歩き、

    • グラス一杯の物語

      Ep1.『ロゼの思い出』(28歳、女性) 『(こんなところにバーがある。転勤で近くに引越してからもうすぐ2年が経つけど知らなかった。)』 『(入ってみよう…)』 『こんばんは、1人です。』 私は空いていたカウンター席に座り、マスターから温かいおしぼりを受け取った。 白い花のいい香りのするおしぼりで、少し心が落ち着いた。 初めて入るお店は、いつも少しだけ緊張する。 メニューを見ると、ワインからカクテル、ウイスキーまでと幅広いお酒が書いてある。 苦手なお酒が無い私

      • Ep.30『聞き上手の上』

        (34歳、男性) 『ビールください。』 僕は週一回、この近くにある英会話教室に通っている。 教室の後は決まってこのバーに来るのが、楽しみの一つになっている。 通い始めて一年が経過するが、上達していると、今日は先生に褒められた。 日本人はつい、正確な英語をしゃべろうとする。 その為縮こまってしまい、話すことに消極的になってしまう。 上達するのに大事なのは、失敗を恐れずに英語を話すことだ。 使わないことには改善点が見つからない。 幸い僕は、会話に関して抵抗や苦手

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        • Ep.29『お酒との付き合い方』

          (26歳、女性) 『こんばんは、1人です。』 私がマスターにそう伝えると、まだ誰も座っていないカウンターに腰を下ろした。 『スパークリングワイン下さい。』 このバーは初めて来る。 今日は近くで通っている美容室に寄ってから、一息付きたくてネットでバーを探してみたのだ。 キーワードを入力して、一番最初に出て来たお店がここだった。 思ったより雰囲気が良くて、価格も易しい。 女性1人でも、とても入りやすいお店。 私は普段レストランの仕事をしており、同業ながら、飲食店

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        Ep.4『ニセモノは本物』

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        • グラス一杯の物語【シーズン3】
          10本
          ¥900
        • グラス一杯の物語【シーズン2】
          10本
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        • グラス一杯の物語【シーズン1】
          5本
          ¥380
        • グラス一杯の物語【無料版全5話】
          5本

        記事

          Ep28.『自分の為に』

          (40歳、女性) 『こんにちは、ビール下さい。』 『(やっぱりこの店のビールは美味しいな。)』 私は以前、近くに職場があり、仕事が終わると良くこの店で一杯飲んで帰っていた。 事務所が移動になり、約5年間お店には来れなかったけど、マスターは私の事を覚えていてくれた。 事務所がまた移動になり、通勤の途中にこのお店がある為、再び通う事が出来る様になった。 いつ来ても、マスターの営業や作り出す雰囲気が気に入っている。 紹介で、値段を気にせず近くの他のバーにも行ってみるけ

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          Ep28.『自分の為に』

          Ep27.『良く知ることで』

          (45歳、女性) 『こんにちは、元気してる?』 『これ、お土産。』 ーありがとうございますー 私はこのバーのファンになった一人。 初めて来た時に、とても忙しい中マスターが1人で切り盛りをしていた。 ちょうど夏の暑い日で、ビールを注文する人が多かった夜。 私はたまたま空いていたカウンターに座り、目の前のビールサーバーを眺めながら飲んでいた。 マスターはどんな忙しくても、どんなに同時にビールを作っても、完璧な泡の状態でお客の目の前に持っていった。 その所作に、私

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          Ep27.『良く知ることで』

          Ep.26『別の業界』

          (50歳、男性) 『こんばんは。』 『ソーヴィニョン・ブランをくれ。』 俺はこのバーに通う常連客の一人で、今はワインショップで仕事をしている。 今月から転職し、以前いた業界とは全く違う分野で再スタートを切った。 出だしは順調で、マスターもワインを買いに来てくれた。 ー3ヶ月前ー 『マスター、白ワインくれ。』 俺は以前、近くのブランドショップで働いていた。 その頃は良くこのバーに立ち寄り、仕事とは関係のない話をしてから家に帰るのが習慣だった。 常連客とサッカ

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          Ep.26『別の業界』

          Ep.25『親孝行とは』

          (21歳、女性) 『こんばんは』 私はそうマスターに伝えると、前と同じカウンター席に座った。 このバーに来るのは3回目。 前回来た時に、私とマスターの田舎が近い事がきっかけで通うようになった。 それ以降、マスターの安心感ある対応が、唯一私の心を落ち着かせてくれる。 東京に出て来て3ヶ月。 何もかもが眩しくて、未だに慣れない生活が続いている。 今は楽しさが優先しているが、しばらくしたら、ホームシックになるのだろう。 人生初の一人暮らし。 娘が東京で一人だと、

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          Ep.25『親孝行とは』

          Ep.24『偶然の一致』

          (34歳、女性) 『こんばんは、1人です。』 私がマスターにそう伝えると、誰もいないカウンターに座った。 他にいるお客さんと言えば、 なんともスタイリッシュなマダムと、大御所音楽プロデューサーのような男性がスタンディングエリアで話しをしている。 私は一杯目のハイボールを飲み干し、おすすめの料理と赤ワインを注文した。 1人で来ているので沢山料理は注文出来ない。 それをマスターが察してくれたみたいで、数種類の料理を半分のボリュームで作ると言ってくれた。 相手の喜ぶ

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          Ep.24『偶然の一致』

          Ep.23『楽しむこと』

          (27歳、女性) 『こんばんは、ビール下さい。』 この店に来るのは半年ぶり。 最近は仕事の関係で足が遠くなっていた。 と言っても、 以前も数ヶ月に一回来るだけの、ごく普通の客の一人だ。 マスター『お久しぶりです。お元気でしたか?』 『えっ?私の事覚えていてくれたの?』 『うれしいです。』 こういったバーは、自分の名前を覚えてくれているととても嬉しい気持ちになる。 プライベートで嫌なことがあった私は、少し気持ちが楽になった。 昨晩、旦那とケンカをしたのだ。

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          Ep.23『楽しむこと』

          Ep.22『思い出の味』

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          Ep.22『思い出の味』

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          Ep.21『最適な距離』

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          Ep.21『最適な距離』

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          Ep.20『いい女』

          (52歳、女性) ーマスター、いつものウイスキーソーダ割ー 『私はテキーラサンライズ。』 私は彼に連れられ、最近このバーに来るようになった。 この雰囲気やマスターの接客が好きで、彼との待ち合わせ場所としても使わせてもらっている。 最近では趣味の旅行で買ってきたお土産を、マスターに渡すのが習慣になっている。 私は以前、旅行会社に勤めていた。 学生の頃から旅行が好きで、よく一人旅をしていた。 家から離れた場所へ出向き、そこにしかない景色や人、文化に触れる。 よく

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          Ep.20『いい女』

          Ep.19『カワイイ男』

          (50歳、男性) 『マスター、いつものウイスキーソーダ割。』 ー私はテキーラサンライズー 俺はこの店に通う客の1人。 以前は一人で来ていたが、最近ではパートナーと来る事が多い。 パートナーもこの店を気に入り、趣味である旅行に行くたびに、お土産をマスターに渡す事があるぐらいだ。 日本の高度経済成長を経験した俺は、若い頃遊びに遊んだ。 酒、女、車に明け暮れた。 そんな中でも、この状態は長くは続かないという危機感を持っていた。 たまたま投資していた案件が上手く行き

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          Ep.19『カワイイ男』

          Ep.18『忘れていた思い出』

          (68歳、女性) 『お久しぶりです、マスター。』 『スパークリングワイン下さい。』 私は約半年ぶりに来たお店のカウンターに座ると、久しぶりのお酒に口を付けた。 以前は月に2回、近くで仕事がある度にこの店に寄っていた。 現在は母の介護と、知り合いの仕事の手伝いがあり、外出する回数がすっかり減ってしまった。 その為、この店からも足が遠くなってしまった。 時間が空いても、マスターは私の事を覚えてくれたみたいだ。 この店はイタリアワインが多く置いてある。 マスターは

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          Ep.18『忘れていた思い出』

          Ep.17『最高の準備』

          (40歳、男性) 『こんばんは』 俺がマスターにそう言うと、自動的にビールが出てくる。 俺はこのバーに通う常連客の一人。 仕事が終わり、馴染みのバーに何件か顔を出し、一息ついてから自宅へ帰るのが習慣だ。 実家では両親と家内、子供がいて、ありがたい事に円満に生活する事が出来ている。 俺が生まれた地域ではサッカーが盛んで、物心ついた時からサッカーをしていた。 恵まれた体格と両親の応援もあり、俺は日本代表ユースまで上り詰めた。 将来は日本のフル代表に選ばれる奴がゴロ

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          Ep.17『最高の準備』