見出し画像

ハニキヌを着せぬ物言い

それが何かは分からないが、昔の人たちが使っていたのだろう、と勝手に想像していたモノが二つある。一つは、コンダラ。巨人の星というアニメのオープニングソングは「重いコンダラ」という歌詞からいきなり始まる。主人公の星飛馬が引っ張っていたコンクリートでてきたローラーのことだ。あの飛馬のコンダラは特に重そうだった。しばらくして、その歌詞の正解は「思い込んだら」だと判明し、ものすごく納得したのを覚えている。そして、同じ間違いを当時の少年たちの大多数で共有されていたという事実を後々知ることになるのだ。

もう一つはハニキヌである。ハニキヌを着なければ体のラインがむき出しになるようなイメージなので、か弱い女性が好むフェミニンな羽織物(ボレロのようなもの)を想像していた。今ではジェンダー問題で使われなくなったが、女々しいと同義で使うワードとしてハニキヌという服があった。

少し違うが言葉の聞き間違いは色々ある。サザエさんのエンディングの「今日は楽しい、今日は楽しい、ハイキング〜」のことを中学生になるまで、「今日は、魂、今日は魂、ハイキング〜」と思っていて、ある日、大声でそう歌ったら、友達から手厳しい指摘をいただき顔から火が出たことがある。

コンサドーレ札幌のチャント(応援歌)で、「行け、札幌、勝利信じ、最後まで戦え〜」という歌詞があるが、我が家の次男が小学生の頃、「行け、札幌、興味津々、最後まで戦え〜」と歌ってて、面白すぎたので、しばらく興味深く放置していたこともある。

言い間違い、聞き間違いは、行幸(思いがけない幸せ)だなあ、と思う。意図しないところに笑いが起こる。間違っている当人は死ぬほど恥ずかしいのだけど。まあ、面白いからいいか。





いいなと思ったら応援しよう!