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[こぼれ話7]藤森先生からリクエストいただいたけれども、取材できなかった唯2つの建築②

前回のこぼれ話で書いたように、藤森先生の現代建築考で取材できなかった建築が2つありました。

一つは、菊竹さんの都城市民会館。
そしてもう一つが、A.レーモンドの「八幡製鐵大谷記念体育館」でした。

<外観写真はコレ>http://sisekib.kitahistory.net/yahichouootanitaiikukan01c.jpg


先生からリクエストを受けて、取材先を探しましたが、現存しているか全く分かりませんでした。
新建築の「建築ガイドブック1864-1993」にも出てませんでした。
(TOTO出版の「建築マップ北九州」には出ていたらしいです)

今でこそ、東畑建築事務所が設計した、同様の名前の「大谷体育館」が2000年竣工という情報があるので、先生からリクエストいただいた時にすでに現存していなかったようなのですが、連載時はどこに連絡したら良いか、全く辿り着けなかったんです。

記憶は定かではないですが、新日本製鐵、もしくは新日鐵住金に連絡したのか、しなかったのか。
連絡はしたけれど、どの作品のことをお願いしているのか通じなかったのか。
この異様なフォルム、しかもレーモンド作品なのに、こんな形とは、、、。
現物をぜひ見てみたかったと今でも思います。

さて、藤森先生の新刊「藤森照信の現代建築考」では、連載時の建築43作品+先生の2作品の45作品が4つに分類されて掲載されています。

菊竹さんの「都城市民会館」はどれに分類されていたのか、「大谷記念体育館」は何に分類されていたのか、この文章を読んでくださった方は、そんなことも考えながら読んでいただいても良いかもしれません。

「藤森照信の現代建築考」、ぜひお求めください。

※冒頭の写真は、同じレーモンドの「三重大学レーモンドホール」。



「藤森照信の現代建築考」表紙

藤森照信の現代建築考

文=藤森照信、撮影=下村純一 出版=鹿島出版会
2,600円(+税10%)
ISBN:9784306047013 体裁:A5・208頁 刊行:2023年8月
日本のプレ・モダニズムからモダニズムへの流れを、ライトから丹下健三、そして現代の第一線で活躍する建築家たちの作品を通して概観する。
明治初期に開拓した日本の建築という新しい領域にモダニズムが如何にして浸透してきたのか。日本の建築界は近代という激変の時代に、コルビュジエやバウハウスの影響を受けながらも対応してきた。時代を代表する建築家たちの45作品を通してその特質を考察する。

目次

まえがき:藤森照信
Group 1 モダニズムに共通する住まいの原型をつくり続けた建築家たち
ウィリアム・メレル・ヴォーリズ、フランク・ロイド・ライト、アントニン・レーモンド
Group 2 戦後の日本建築界をおおいに豊かにした建築家たち
本野精吾、村野藤吾、堀口捨己、今井兼次、白井晟一
Group 3 造形力、力動性と民族性、記念碑性を接合させたコルビュジエ派の建築家たち
前川國男、谷口吉郎、吉村順三、奥村昭雄、内田祥哉、丹下健三、片岡献、松村正恒、池辺陽、ジョージ・ナカシマ、吉阪隆正、浅田孝、ほか
Group 4 戦後モダニズムにおけるバウハウス派とコルビュジエ派の建築家たち
大高正人、菊竹清則、磯崎新、黒川紀章、仙田満、山崎泰孝、象設計集団、伊東豊雄、内藤廣、高松伸、藤森照信、ほか
取材後記 ─ あとがきにかえて:下村純一


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https://kajima-publishing.co.jp/books/architecture/v2t7-5ee3c/

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