平和の群像 風景印と記念碑
香川県小豆郡土庄町の土庄(とのしょう)郵便局の旧風景印には、映画『二十四の瞳』(にじゅうしのひとみ)を題材とした『平和の群像』(土庄港近くの公園)に建てられています。
『二十四の瞳』
壺井栄(つぼい さかえ 1899-1967)は、小豆島出身の小説家です。1952年(昭和27年)に発表した『二十四の瞳』は、島の分教場に赴任した大石久子と、12人の子どもの出会いに始まり、その後の戦争の悲しみを取り上げた児童小説でした。
木下恵介脚本・監督による映画となったのはそのすぐ後で、1954年(昭和29年)に公開された映画では、高峰秀子が大石を演じました。小説では具体的な場所は言及されていなかったのですが、映画では壺井の出身地である小豆島が撮影の舞台となり、小豆島は一躍有名になりました。
1956年(昭和31年)に建てられブロンズ像は、彫刻家矢野秀徳の作で、地元の小豆島バスによって作られました。観光地としての小豆島をアピールするためのものであったのでしょう。ブロンズ像の大石は主演の高峰秀子のように見えます。台座にある題字「平和の群像」は当時の内閣総理大臣であった鳩山一郎によるものです。
小豆島には複数の港があるのですが、土庄港が高松から最もアクセスの便の良い港であることから、その他のロケ地をさしおいて銅像の場所に選ばれたものと思われます。
地図
二十四の瞳映画村
動画
土庄郵便局
風景印は郵便窓口で郵便物を差し出す時に押してもらえる赤茶色の絵入りの消印です。郵便窓口に「風景印を押して出してください」とお願いすれば、差し出す手紙やはがきに押してもらうことができます。また、63円以上の切手を貼ったカードなどに押してもらって差し出さずに持ち帰る(記念押印)こともできます。
ゆうゆう窓口設置局ですので、引受消印には応じていただけるはずです。
この意匠の風景印は現行のものではなく、2017年(平成29年)8月8日にデザインが変わっていますが、引き続き「平和の群像」からとったと思われる大石先生と子どもたちの姿が描かれています。