第106回日本陸上競技選手権決勝振り返り・3日目

第106回日本選手権(6/9~12、ヤンマースタジアム長居)の結果を、決勝の開始時刻順に振り返ります。
世界選手権終了後の更新となってしまいましたが、大会の結果は反映していない文章である旨、ご了承ください。

今回の更新は3日目。4日間で唯一天気に恵まれない日でした。

※参加標準はオレゴン世界選手権参加標準記録
※()は生年の下2桁
※順位の選手氏名は敬称略

男子棒高跳 参加標準5m80 日本記録5m83

優勝 江島雅紀(99) 5m60
2位 柄澤智哉(02) 5m50
3位 石川拓磨(97) 5m40

雨に悩まされた本種目ですが、江島選手が3年振り2回目の優勝。5m60まで無効試技なしと安定感がありました。自己新となる5m72に挑戦しましたが、2回目で試技終了。
江島選手はその後ワールドランキングのポイント上昇を目指し、日本選手権後も試合に出場していましたが、日本大競技会で足を骨折。同様の選択をした選手で、結果的に出場をつかみ取った方もいれば、怪我をしてしまう選手もおり、報われるとは限らない世界だと改めて思います。早期の回復を願っています。
また、山本聖途選手がワールドランキングで世界選手権代表内定。日本選手権記録なしを払拭する活躍を期待しています。

女子やり投 参加標準64m00 日本記録66m00

優勝 北口榛花(98) 62m25
2位 上田百寧(99) 61m20
3位 武本紗栄(99) 60m84

北口選手が2年連続3回目の優勝。
1投目で60m08をマークした武本選手が先行しましたが、北口選手が3投目に優勝記録となる62m25を投げて逆転しました。
北口選手はその後チェコの大会に出場し、さらにはダイヤモンドリーグパリ大会で日本人選手初の優勝という快挙を達成しました。ワールドランキングで世界選手権代表に内定し、ますます期待が高まりますが、ご本人に浮足立った様子は見られません。まずは予選を通過し、万全の状態で決勝の舞台に立っていただきたいです。
また、上田選手・武本選手もワールドランキングで世界選手権代表内定。上田選手は昨年の東京五輪、ワールドランキングでわずかに足りませんでしたが、今回は出場が叶いました。フルエントリーで臨む世界選手権が楽しみです。

女子三段跳 参加標準14m32 日本記録14m04

優勝 森本麻里子(95) 13m58(0.0)
2位 船田茜理(00) 13m46(0.0)
3位 髙島真織子(99) 13m42(0,0)

森本選手が4年連続4回目の優勝。
1回目ファール、3回目を終えて2位でしたが、抜群の安定感を発揮し自己新で逆転したのはさすがといったところです。
試合ごとの波がないのは素晴らしい点ですが、贅沢なもので大ジャンプも期待したくなります。
3位まで13m台。1人ではなく3人いるのが心強いであろうところで、切磋琢磨して14m超えや日本新記録、世界選手権参加標準に近づく姿が見たいです。

女子100mH 参加標準12.84 日本記録12.86

優勝 福部真子(95) 13.10(+0.8)
2位 青木益未(94) 13.28
3位 田中佑美(98) 13.35

福部選手が初優勝。
織田記念の前に12秒台を目標としているという記事を拝見した時には、失礼ながらもう少し先の話だと思いましたが、織田記念で現実味があると認識。
本大会後の話ですが、布勢スプリントで12秒台に突入。
日本記録保持者の青木選手は、女子100mを3本走った影響があったか否か。
とはいえ、2名がワールドランキングで世界選手権出場権を獲得したのは幸いでした。

男子400mH 参加標準48.90 日本記録47.89

優勝 黒川和樹(01) 48.89 世界選手権代表内定
2位 川越広弥(97) 49.72
3位 豊田将樹(98) 49.85

黒川選手が2年連続2回目の優勝。
唯一参加標準記録を突破していましたが、再度突破する記録で貫録すら感じられる優勝でした。
将来の日本新記録も期待されると思います。予選敗退となった東京五輪のリベンジを、世界選手権で果たせるかに注目したいと思います。

女子3000mSC 参加標準9:30.00 日本記録9:33.93

優勝 山中柚乃(00) 9:38.19
2位 西出優月(00) 9:38.95
3位 西山未奈美(99) 9:39.28

山中選手が2年連続2回目の優勝を大会新記録で飾りました。
レースは激しい雨の中で行われ、会場ではRCサクセション「雨あがりの夜空に」が流れていましたが、「降り続いています」と一人突っ込みを入れていました。
4位まで9:40切りというレースになるとは全く予想していませんでした。山中選手と吉村選手の2名が達成するのであればまだしも、4名とは。山中選手がハイペースで引っ張ったことが大きな要因でしょう。積極的なレースを進めていたのは、今後も見据えた判断だろうと思われ好印象でした。
4位の吉村玲美選手はワールドランキングでの世界選手権代表を逃したと思われましたが、追加招集で内定しました。

男子3000mSC 参加標準8:22.00 日本記録8:09.92

優勝 三浦龍司(02) 8:14.47 世界選手権代表内定
2位 青木涼真(97) 8:20.09 世界選手権代表内定
3位 山口浩勢(91) 8:23.29

三浦選手が2年連続2回目の優勝を、こちらも大会新記録で飾りました。
死角なしの状態で臨んだように見える今大会、やはり圧倒的な力を見せてくれました。ラストは国内で敵なしと申し上げても過言ではなく、世界選手権では昨年の東京五輪の再現なるかというところです。
青木選手が世界選手権参加標準突破かつ3位以内のため内定となりました。
山口選手は参加標準記録にわずかに届きませんでしたが、ワールドランキングで世界選手権代表となりました。

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