新人教育について本気出して考えてみたら恵方巻を売る気になってきた話
最近、中途入社向けのOJTのような、新人教育研修を任されることがあり、結構日々楽しくしている。
新しいものを覚えていく新人さんたちは、
まだ目が曇っていなくて、
返事がはっきりしていて、
新しい業務やプラスアルファの作業に文句を言わない。
最高だ。
彼ら彼女らをこのままキラキラした状態で保存してあげられないものか、とミイラ作成みたいなことを考えたときに、この仕事の極意、とまではいかなくてもコツとか教えてあげられないものだろうか、と思った。
精神論的な話でいけば、これまでのnoteに書いているような話なのだけれど、スキル的なところは何があるのだろうか。
例えば、Twitterでも書いたのであるが、いわゆるビジネス書に書いてあるもののうち、話し方、とかマナー的な部分はともかくとして、タスク管理や営業術、クレーム対応みたいなものは、あまりフロントには当てはまらないことが多いと思う。
じゃあ何がいるのか、を考えたときに、今のフロントの仕事って、そもそも相反する要素が色々必要なんだよな、と思った。そして、必要な要素について考えてみたら、コンビニの仕事ってフロントに似てるなと思ってきたので、ちょっと書いてみたいと思う。
例えば、コンビニはシフトが決まっていて、例えば17時〜22時の間に、
・レジ打ち
・ホットスナック類の補充
・納品されたものの検品、品出し
・公共料金や宅急便やメルカリなどの受付
・マルチコピー機での公の書類やチケットの発券対応
などの業務が予め決まっている。
ところが、
・突如現れる道を訪ねてくるお客さんからよく試験会場になる大学への道順を聞かれる
・振り込みしたいらしい、手がプルプルしたおばあちゃんがATMを占拠しているのをなんとかする
・突然現れたワンカップ爺さんに怯える女子高生バイトの代わりに相手を買って出る
とか突如訪れるイベントで、結構やろうと思ってたことが終わらなかったりする。
これと同じようなことがフロントでもよく起こるのである。
・議事録作成
・議案書作成
・広報文作成
・提案資料作成
と言った事務だけで終わる日などほぼなく、
・管理員が子どもを叱り飛ばしてクレーム
・植栽業者さんの枝の切り方が気に入らないクレーム
・自分の契約してる駐車場に違う車が止まってクレーム
・リフォーム業者が躯体に穴開けてクレーム
といった対応が舞い込んできて、当初の予定が終わらないのである。
そして意外と?かなり?大事なのが、誰かに何かを確認して進捗を報告することの数十件を把握しておくというタスク…あと社内業務が多すぎる。
フロントに求められる能力のうち
○マルチタスク及び同時並行で時間内に決められた仕事を終わらせること
☆ルーティンワークと同時多発的に発生するお客様対応
→雑多な業務を捌く能力、その仕事の優先順位と時間の掛け方を計算し対応する
○常に最新の機械やサービスを覚えてお客様に説明する力
☆法令や規約の改正やシステムなどを覚えて業務に生かす
→新しいものを取り入れてわからない人に向けて説明する
○やばい客が入ってきた瞬間にどのくらいのやばいやつかを測りつつ距離を上手く取ってやり過ごす力
☆キーマンを見抜いて最善の策を講じる力
→相手の力量や求めるものを想像し、対応し、被害を最小限にする
辺りはコンビニと通じるものがあると思う。
フロントに対して、なんで〇〇の提案しないんだろう?改善提案しないんだろう?という疑問を持つ人は、
なんでバイトの子たちは恵方巻の売り上げ向上について考えないんだろう?と悩むFCオーナーみたいなものなのかもしれない。
いやいや、フロントってその程度な人間なわけ?と思うかもしれないが、基本会社から評価されるフロントは、恵方巻を売れる人間でも、ATMのおばあちゃんを助ける人間でもなく、検品をきちんとシフトの時間内に終わらせられる人間なんだぜ。
そういう人間を採用してるって要素もあるだろう。
多分、フロントの仕事は、50%はコンビニみたいな感じで、40%はコンサル、もう10%は営業みたいな仕事だと思う。
しかもなんなら資格スキルもプラスしてコミュニケーション能力も求めちゃう。清潔感もほしい!
それなのに、社会的地位が低い!
逆にあっぱれですよもう。
そんな人わざわざフロントやるのだろうか…まあやらないよな( ^ω^ )
だから、究極コンビニバイト要素を担う人とコンサルタント部分を担う人をわけたらいいのかなと思う。
プラスの提案をすることにやりがいがある人間が、プラスの提案ができるだけの経験を摘んだ頃には、もうプラスの提案をする気持ちを失っている、なんて元も子もない話だ。
レジ横に並んだひなあられを見ては、それでもわたしは恵方巻を売るフロントになろうと改めて決意するのである。
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