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千葉県の重要文化財(建造物)の探訪録(8)
このシリーズ、今回は成田市を取り上げます。さすがに成田山新勝寺は超がつくメジャーなのでスキップし、他の建築物を取り上げます。新勝寺の5つの重文は別の機会に。
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「房総むら 風土記の丘」は古い建物や街並みを再現した千葉県立の体験施設で、その有料エリア外にあるのが「旧学習院初等科正堂」です。1899年の木造建築で、2回の移設を経てこちらで展示されている国指定重要文化財です。しっかりと管理されていて、講堂としての機能は問題なく発揮可能ですね。和洋折衷感やテラスがかっこいい。
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そこからほど近くにある「旧御子神家住宅」。今から240年以上前の建造物で国指定重要文化財です。旧丸山町、館山の東隣の場所から移設された民家です。屋根にビニールシートが被せてあったので心配ですねえ。なお、この日は雨が酷かったのですが、ここまでの道は土剥き出しなので、晴れの日の訪問を強くお勧めします。
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その奥に進むと旧平野家住宅があります。こちらの方が古く、270年以上前の建造で、富津市から移設された豪農の住宅。千葉県指定有形文化財です。しかし、文化遺産の古民家はなかなかマニアックでかなり難しい。
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そして風土記の丘は100基以上の龍角寺古墳群の相当部分を包含していて、その中でも7世紀のものとして全国最大規模の古墳である方墳が「岩屋古墳」です。この日は足元が悪すぎて近付くのは諦めました。古墳群全体として国指定史跡です。
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茨城県との県境近くにある天台宗の龍正院。国指定重要文化財の仁王門は520年前のもの。ガッチリと作られています。柱の形も特徴的なので、是非調べてみてください。しめ縄も変わっていますが、檀家の方々が年に1度、寄進するそうです。
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金剛力士も仁王門と同時期のものですが、頑張って掘り上げた感が伝わってきて可愛らしいですね。
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本堂は325年前の建造で、千葉県指定有形文化財です。
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無骨な装飾が施されていますが、地域に愛された信仰拠点である歴史遺産が何気に見られるのが素晴らしい。新勝寺詣の際には足を伸ばしていただきたいですね。