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千葉県の重要文化財(建造物)の探訪録(1)

 千葉県には9つの国宝がありますが、そのうち2つを所蔵しているのが中山法華経寺です。

 7院ある日蓮宗大本山のうちの一つで、日蓮寺が最も多いとされている千葉県には、他にも鴨川市に大本山が2院あります。また、日蓮宗の関東3大檀林(学問所)も全て千葉県にあります。

 さすがに法華経寺はメジャーですが、建築物をじっくり見る人はあまりいないようです。一方、境内の奥にある立派なコンクリート造の鬼子母神堂に参拝される家族連れは結構います。

 国指定重要文化財の建造物は4棟となっています。

 JR下総中山駅から京成中山駅、山門に真っすぐ伸びた参道の途中に、非常にシックな黒門があります。市川市指定文化財です。奥に見える大きな正門は大正時代に創建されました。

 なんと国指定重要文化財の祖師堂が来年当初まで修復工事中…。日蓮聖人を祀った1678年の建立です。

 100日荒行が終わる頃には工事は終了しているようです。

 国指定重要文化財、四足門。1500年代中後期室のものと推察されています。禅宗様を強く出しています。

 法華堂、かつての本堂です。こちらも四足門と同じくらいの建立の重要文化財です。前に広く縁側のような壁を置かない構造になっています。

 寺院の宝物を保存する聖教殿。国宝、立正安国論、観心本尊抄ほか多数の重文指定の日蓮の遺文を保存する90年以上前の建造物。大きさ、威厳ともに圧倒されますが、ほぼほぼ訪れる人もいません。

 銅造釈迦如来坐像。300年以上前の制作。建築物ではありませんが。

 国指定重要文化財、五重塔。1622年の建立です。

 法華経寺に来られる際には、事前に日蓮についてざっと情報を得ておくと良いと思います。

 しかし、法華経寺は、創設後、僧侶の不祥事、日蓮宗からの一時離脱、最近では右翼団体幹部の管長誕生となかなかエグいイベントがありましたけれども、日蓮だったらどう評価するんでしょうね。まあ、日蓮自体が過激ですから、気にしなかったりして。

(追伸)

 祖師堂の屋根、耐震の工事が終わりましたので、令和6年1月に再訪しました。真新しい柿葺屋根も清々しく、非常に珍しい屋根を二つ並べたような比翼入母屋が木造建築物としての大きさを強調しています。

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