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ia19200102
僕のクラウチングスタートじゃ、未来は見えない。
ビジョンが重要
――ってよく言われますが、未来のあるべき姿やビジョンを描くのって、けっこう難しくないですか?笑
少なくとも、僕はそうでした。(今だってそう)
数年前の僕が頭の中に描いていたビジョンは、今から振り返ると「なんて考えの足りない絵空事なんだ」と思うものばかり。
「それはなんでだ?」と考えたとき、当時の僕がやってたビジョンを描き方って、クラウチングスタートっぽい感じだったんじゃないか、と思いました。
僕の現在地からのクラウチングスタートじゃ、
解像度の低い未来しか妄想できない。
クラウチングスタートはやめて、助走する。重要なのは、テイクオーバーゾーンでもがくことなんじゃないかなと。
テイクオーバーゾーンは、リレーのときにバトンを受け取るあのスペースです。
とにかく色々やってみて、もがいて、もがいた先に描ける未来の解像度は、少しだけ高い気がする。
あと、バトンを受け取るイメージも大切。
大体の場合、自分が第一走者であることは少ない。必ず、自分より前に自分と同じレーンを走ってきた人がいる。その人からバトンをもらう。
それは、先行研究を調べることであり、歴史を紐解くことであり、先人たちの知恵を知ることなんだと思う。
自分がもがいたことによる経験知と、先行研究によって明らかにされた仮説によって、より解像度の高い未来を妄想することができる、かもしれない。
まだ見ぬ未来を描こう
そう言われたとき、その言葉のまま未来に思いをはせることも大切だし、その一方で、現在地で試行錯誤することや、過去に目を向けてみることもまた、まだ見ぬ未来を描くことにつながるんだと思います。
「二十世紀を代表する知性」とも呼ばれるフランスの詩人、ポール・ヴァレリーの言葉に
湖に浮かべたボートをこぐように 人は後ろ向きに未来へ入っていく
目に映るのは過去の風景ばかり 明日の景色は誰も知らない
というものがあることを知りました。今回の話は、まさにそんな、未来に歩みを進めるために、過去を見つめ、その軌跡から舵取りをする感覚とも近いと思っています。