海外のおすすめタイプファウンダリ10選 #偏愛フォント Vol.4
こんにちは!シフトブレイン 外部デザイナーの宮坂(@Miyasaka_Arisa)です。
これまで『SHIFTBRAINのデザイナーが選ぶ #偏愛フォント 』記事のVol.1とVol.2に参加していましたが、今年の春にシフトブレインを卒業したので本記事では外部デザイナーとして記事をお送りします。
私はシフトブレイン在籍時にとある社内プロジェクトで、海外のタイプファウンダリをリサーチしていました。今回はその中からみなさんにおすすめのタイプファウンダリ10選をご紹介したいと思います。
1. Pangram Pangram Foundry
Pangram PangramはNYに拠点を置くタイプフェースファウンダリです。設立は2015年なので比較的新しく、シフトブレインのデザイナーの中でも人気のファウンダリです。
日本のアートディレクターである石岡瑛子さんからインスパイアされた『EIKO』というフォントを手がけたことでも話題になりました。
一癖あるタイプフェースを多く開発しており、Font Starter Packという格安で複数のフォントを詰め合わせたパッケージを定期的に販売しています。
Pangram Pangramは書体開発のファウンダリですが、実はCASETIFYというスマホケースメーカーとコラボしてスマホケースも販売しています。(日本でも購入が可能です!)ストリート感のあるデザインでかわいいですよね。実は私もこちらのスマホケースを愛用しています。
2. VJ Type
VJ Typeはパリを拠点とする芸術的で個性的なフォントを多く開発するファウンダリです。
日本の文字の形からインスピレーションを得て作られた『Kobe』というフォントは合字や書体がユニークでポップな形をしています。「とうきょう」の平仮名、「コベ」のカタカナ、「神戸市」の漢字も収録されてます。
シフトブレインで制作した『ICSxMDXxDYU JOINT EXIHIBITION』でもKOBEフォントを使用しました。
VJ Typeは元々クリエイティブスタジオだったこともあり、公式サイト内では販売中のフォントを使用したグラフィックも売られています。とてもかわいい色使いですよね。
3. Colophon
Colophonはロンドンとロサンゼルスに拠点を置くファウンダリです。クラシックな形状にモダンさを融合させた書体を多く開発しています。
個人的には今年リリースされたばかりの『Apta』というヒューマニスト・サンセリフが綺麗な直線と女性らしさも感じる豊かな曲線でとても好みです。
公式サイトではフォントでデザインされたユニークなスカーフを売っています。この数字の詰め込み具合、狂喜的ですね(笑)。
4. TypeType
TypeTypeはロシアを拠点とするタイプファウンダリです。シフトブレイン内ではお馴染みの『TT Norms Pro』をはじめとする書体を開発しています。
クラシックなものから一癖あるものまでいろいろと揃っているのですが、どれもほどよく印象を残せるので使用しやすく、個人的にも大好きなファウンダリです。
ウェイトも多く取り揃えてあり、大きく使用しても小さく使用しても綺麗に文字を組むことができます。『TT Commons Pro』はユニクロの販促物でも使用されています。『TT Commons』は数字が本当に美しい形状でかわいさもあるのでとても使いやすくていつも使ってしまうんですよね。
TypeTypeに関してはこれまでの偏愛フォント記事でも紹介されているので、ぜひ合わせてご覧ください!
5. Family Type
Family Typeはシドニーを拠点とするデジタルに強みを持つファウンダリです。綺麗で洗練された印象のフォントが多い印象です。
2020年にリリースされた『Universal Sans』は、カスタマイズ可能な6つの可変軸(Weight、Width、X-height、Ink Traps、Terminals、Proportions)を備えており、とても面白い書体です。
個人的には『Athletics』という書体もストロークが特徴的でとても好みです。
画像のポスターはHeyStudioというバルセロナのデザイン会社がAtheleticsフォントを使用して作成したもののようです。かわいい……!
6. Lift Type
Lift Typeはフランスのモンペリエを拠点とする、カジュアルなフォントを取り揃えるデジタルタイプファウンダリです。どの書体も特徴的なパーツがあり、使用するだけでWebでも印象的なビジュアルを作ることができます。
まだぴったりな案件に出会えていないので使用できていないですが『Tartuffo』はブリンとした曲線がかわいく、使ってみたいフォントの一つです。
7. Klim Type Foundry
Klim Type Foundryは2005年に設立されたニュージーランドを拠点とするファウンダリです。今回紹介している中でも特にクールで概念的で尖ったカルチャーを持っているファウンダリという印象です。
フォント名も未来を表す『The Future』や無題を表す『Untitled』などミステリアスで、好みに刺さる人は多いのではないでしょうか。The Futureは近未来を彷彿とさせる印象でグリフの説明を見ているだけでもわくわくします。
8. Optimo Type Foundry
Optimo Type Foundry はスイスのジュネーブに拠点を置くタイプファウンダリです。以前は『Apax』や『Theinhardt Pan』などグロテスク・サンセリフが多い印象でしたが、ここ最近リリースされたフォントはディティールが個性的なものが多いです。
Optimoで数々のフォントを開発しているFrançois Rappo氏が編集に携わった『30 Years of Swiss Typographic Discourse in the Typografische Monatsblaetter』はスイスのグラフィックデザインが好きな方は押さえておきたい一冊です。
9. The Designers Foundry
The Designers Foundryは2012年に設立されたファウンダリです。バラエティに富んだ個性的なフォントを数多く開発しており、AppleやNike、 Netflixなど有名企業にもライセンス提供をしているそうです。
最近リリースされた『Tomato Grotesk』というバリアブルフォントも面白いですし、個人的には『Pyxis』というフォントがPixar作品で使われそうな子供らしさのある形状で、どうやって作ったんだろう...…と感心してしまうほど絶妙なバランス感です。
公式サイトのグッズも今回初めて見たのですが、めちゃくちゃかっこいい……ゲットしたくなりますね。
10. Blaze Type
Blaze Typeはフランスのリヨンを拠点とするファウンダリです。このファウンダリはサイト内で使われているグラフィックを見ても他のファウンダリより色が強く表現豊かな印象を持ちました。
特に今年リリースされたばかりの『Nuances』というフォントはとてもセクシーで、公式サイトTopのグラフィックでは3Dデザインで使用されていますが、コントラストが強い形状なのでバシッと決まる感じがかっこいいです。これはぜひ使ってみたいですね。
まとめ
今回は少しユニークさのあるファウンダリを集めてみたのですが、みなさんの好みに刺さるフォントやファウンダリはありましたか?数年前から個性的なフォントを取り入れたビジュアルがトレンドで、タイプフェイスの幅もグッと広がった印象がありファウンダリのサイトを見ているだけでとても楽しかったです。ぜひみなさんの一押しのファウンダリも「#偏愛フォント」で教えてください!
最後までご覧いただきありがとうございました!
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Edit: SAKA Mihoko