【Day1】 デザインカンファレンス「awwwards Tokyo 2020」 参加レポート
こんにちは!シフトブレインの王生(いくるみ)です。
1/23(木)・1/24(金)に行われた「awwwards Conference Tokyo 2020」に行ってきました。
まずは、軽く自己紹介をします。
大学卒業後に都内のWeb制作会社に入社し、Webサイトの開発やデザインをしていましたが、もっとクリエイティブなものづくりがしたい!と思い、去年の夏にシフトブレインに入社しました。
そして現在、インタラクティブデザイナー(格好よすぎてちょっと恥ずかしい…)という肩書きをもらい、アニメーション表現をや動きを中心としたフロントエンド開発をしています。👩💻
今回のawwwards Conference開催にあたって、弊社もオフィシャルパートナーとして就任しています。そこで、私もまだまだ新人ですが英語勉強中の身として参加する機会をいただきました!そして、実りのある経験にしたいと思い、次のような目標を立ててみました!
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それでは「awwwards Conference Tokyo 2020」、イベント1日目(Day1)のレポートをしていきます!
その前に...そもそも「awwwards Conference」とは何なのか?を紹介したいと思います💁♀️
『Awwwards Conference (アワーズ カンファレンス) 』とは?
2019年サンフランシスコで開催された awwwards Conference
awwwardsでは世界中の最先端のクリエイティブなWebサイトが日々更新されています。見たことのないような表現や見せ方を発見でき、新しい刺激をたくさん受けます。⚡️
今日はどんなサイトだろう、といつも期待を膨らませながら見ています。
awwwardsで賞を受賞することは、多くの人に作品を知ってもらう機会であり、高いスキルを持っていることの確かな証明になります。私もいつかAwwwardsで受賞できるようなサイトを作りたい!と思い、日々勉強しております。
今回のイベントではその第一線で活躍するクリエイター達の話を聞けるということで、とてもわくわくしています!
「awwwards」についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ!
それではさっそく会場に向かいます!🏃♂️
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会場の雰囲気
会場に到着したら、まずは受付で事前に届いたメールのチケットQRコードを見せます。そして自分の名前が書かれたカードがもらえるので、イベント中は首にかけておきます!
そしてホール内に入ると、すでにたくさんの人が!
海外からの参加者の方が多く、日本の方は4割程のようでした。
司会はゲストスピーカーとしても登壇するPeter Smartさん (Fantacy)のハイテンションなトークで進行され、会場は盛り上がります!もっとも会場まで遠かった人は、家から36時間もの時間をかけて、はるばる来たんだとか!
スピーチの持ち時間は一人20分。英語のスピーチの時は、専用アプリで日本語同時通訳を聴くこともできます。
そしてここからは、個人的に印象に残ったスピーチをいくつかご紹介します!
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Design Like a Supervillain: An Ode to Chaos and Creativity (David Navarro / Ueno.)
最初にご紹介するのは、ueno.のクリエイティブディレクターDavid Navarroさんのスピーチです。
ueno.はサンフランシスコ、ニューヨーク、ロサンゼルス、アイスランドに拠点を持つクリエイティブエージェンシー。
awwwardsでも数多くのWebサイトが賞を受賞しています。
ueno.のAwwwards受賞一覧はこちら。
子供の頃、アニメのマジンガーZに登場する悪役ドクターヘルが好きだったそうです。当時のアニメ映像とともに進行していき、とてもユニークでかつ非常に分かりやすいプレゼンテーションでした!
●なぜ悪役なのか?
“Order(秩序)とChaos(無秩序)のカオスこそクリエイティブな力を生み出す。”
「天才科学者である悪役ドクターヘルは、マジンガーZに挑み、負ける。
だがその度に新しい兵器マシンを作って、何度もリベンジしてくる。
合計すると100以上ものマシンを作り出してきた。彼こそがクリエイターではないか?」
その言葉がとても印象に残りました。
クリエイターにはそんな悪の心が必要だ、と語ります。
それが次のような悪役マインドセットです。😈
確かに、この考え方は創作意欲に燃えたクリエイターの心のようだな!と思いました。秩序が重要とされる世の中ですが、そんな悪役のような強い思いを持つことが大切なのだと感じました。
また、「COWBOY」というデジタル自転車のサイト制作を事例としてあげ、悪役マインドを使って、このプロジェクトの目標を達成し、どう成功に導いたのかを紹介してくれました。
COWBOYのサイトはこちら🚲
コーヒーブレイク☕️
休憩時間であるコーヒーブレイクは毎回30分ほど設けられており、この時間にコーヒーやお菓子が提供され、自由に飲んだり食べたりしながら、世界中の参加者と交流することができます!
国内外のデザイナーや開発者と交流したり、繋がりを持てる機会が得られました。ゲストスピーカーの方もいらっしゃるので、直接お話しを聞きにいくこともできますよ!
ではリフレッシュしてまた次の発表を聞きに行きます!
From a concept to the real work: Expectations vs Reality(Zhenya Rynzhuk.)
ニューヨークで活動するアートディレクターであり創業者のzhenya rynzhukさん。
最初に彼女の制作実績が流れますが、どれも知っているサイトばかりで驚きました!awwwardsでも多くの賞を受賞しています。
●受賞した数々の作品を、これまでどのようにデザインしてきたか?
実際に行っているプロジェクトの進め方です。
最終的にできあがったデザインは、最初に制作したコンセプトとはどんどん逸れていき、全然違ったものになるそうです。
他にも「クライアントの優先事項」「個人プロジェクト」「アニメーションコンセプト」「プロジェクト前に自分に出す宿題」など、どれも有意義なものでした。
最後に、次の3つの言葉を紹介してくれました。
このプレゼンテーションの資料の中で特に印象的だったのは、デザイン制作中のアプリケーションの画面です。
たった1つのサイトのプロジェクトにもかかわらず、画面に入りきらないほどの大量のアートボードがありました。
相当な量を、何度も、色々な方法で試したんだな、と計り知れない努力が一目で見て分かりました。
How to continue being a designer without losing soul(鈴木慶太朗 / SHIFTBRAIN)
最後に紹介するのは、弊社、SHIFTBRAINの鈴木慶太朗のスピーチです。
SHIFTBRAINのチーフデザイナーであり、awwwardsの審査員を7年間務めています。
今回は「情熱を持ちながらデザイナーを続ける方法」について、教えてくれました。
大学では経済学を専攻し人は合理的に判断するものだと教わった時、本当にそうだろうか?と疑問を持ったそうです。「人を惹きつけるデザイン」とは、見る人と作品の間に感情的な繋がりを作る必要があると言います。
そのために必要なのが、次の3つ。
デザイン業界では、見た目を作る「スタイリング」から「コンサルティング」に変化してきています。それは海外でも日本でも同じ傾向がありますが、デザインに対する姿勢や取り組み方に違いがあると言います。
その違いについてビジュアル化された図を用いて、論理立てて解説してくれました。
日本では「個人」が尊重されるのに対し、海外では「チーム」で作品を作り上げる傾向にあり、具体例として、日本のスタジオジブリと、アメリカのピクサーを対比しています。
日本アニメ業界を代表するスタジオジブリ=宮崎駿というカリスマ的な存在がいたり、個人が強い構造なのに対し、世界中で大ヒット作品を絶えず生み出すピクサーでは数多くの人が関わっているイメージですよね。
●Creativity(独創性) × Universality(多様性)
日本は「Creativity(独創性)」、海外は「Universality(多様性)」の文化があり、どちらも重要な要素でそのバランスを保つべきだと語ります。
Creativity(独創性):
・個人の持っている哲学・価値観によって感情的に意思決定される
・汲み取る力・空気を読む力(high-scanning)が重要
Universality(多様性):
・チームで事実・システムによって論理的に意思決定される
・コミュニケーション(communication)が重要
プレゼンテーション後半では、感情を使ってデザインするヒントを紹介。
名著「A Technique for Producing Ideas(アイデアの作り方)」の内容をあげていました。
●アイディアを作る3つの段階
よいアイディアが浮かばないとき、みんな苦しんでいると思います。
そんな絶望感で何もかも放棄した後に、急に新しいアイディアが思い付く経験をしたことはあるのではないでしょうか。
その時、次の段階に入る時なんだ、と俯瞰してみることも解決の糸口になると思いました。
実はこの本は以前に読んで挫折してしまったのですが、今回のスピーチを聞いて知見が深まったので、これを機会にもう一度読みたいと思いました!
プレゼンテーションの中で紹介された2冊を下に貼っておきますね。📖
①「Emotional Design」(エモーショナルデザイン)
②「A Technique for Producing Ideas」(アイデアの作り方)
最初に紹介したDavid Navarroさん(ueno)も言っていた、「Order(秩序)とChaos(無秩序)」にも通じるものがあり、世界の最前線でクリエイティブな仕事をする人は、国に関係なく同じ問題意識を持っているのだと感じました。
また、実際に海外のクリエイターと話したり、クリエイティブな現場に触れて体験してみる経験をして、自分自身で実感したいという気持ちになりました。
世界中の人に支持されるものを作りたいなら、自分の知らない文化や考え方を知り取り入れて、感情だけでなく事実を集めて整理し分析する力が必要だと感じました。
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今回紹介した他にも、興味深いさまざまな題材のスピーチがありました。
過去のスピーチやカンファレンスの様子、インタビュー動画など、AwwwardsのYoutubeチャンネルで見ることが出来るので、こちらもぜひチェックしてみてください。
まとめ
ポジティブな力をたくさん貰えたとても充実した1日でした!
今日のカンファレンスに参加してみて、ゲストスピーカーとして各国で活躍する方々は共通して失敗を恐れず常に成長する意識を持っていることが分かりました。
バランスも大事だと思いますが、何事もまずは挑戦してみたり、新しい物事にも広く興味を持っていこう、という意欲が湧きました。
国内外のクリエイターと交流することもできました。
海外の方と話す機会もあり、ペラペラな英語ではなくても、同じ業界にいる仲間として通ずるものを感じました。
自分の英語力も試すことができて、もっと多くの人とちゃんと自分の言葉で会話したり、相手の話を理解できるようになりたい、と改めて思いました。
最後に、一緒に参加した弊社のスタッフの何人かに感想を聞いてみました!
あるスタッフはマジンガーZのDavid Navarroさん(Ueno.)や、弊社のデザイナー鈴木のスピーチで、「感情と論理」の話題が共通して印象に残ったそうです。
ロジックに寄りすぎると面白くない。両方のバランスをとっていくことが大事だと感じたそうです。今回のスピーチを聞いて、「意識していないけど普段から感じていたことが頭の中で整理された」と話していました。
また、1日目ではPeter Smartさん(Fantasy Interactive)のスピーチもスタッフに人気でした。ユーモアで笑いに溢れた司会からも分かりますが、トークテクニックで皆彼の話に惹きつけられたようです。事例として紹介された、クルーズ客船のアプリも高い完成度で素晴らしかったと言っていました。
初めてのawwwards Conferenceでしたが、次回のカンファレンスにもぜひ参加したいです!私と同じ開発者のスピーチがあったら、ぜひ聞いてみたいなと思いました。
これからも、awwwardsや国内外のクリエイティブエイジェンシーの新しい作品を追っていきたいと思います。
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1日目のレポートはこれで終わりになります!
デザイナーの宮坂によるawwwards2日目のレポートも近日公開。彼女は、外観の美しさだけでなくユーザーの体験やブランドコンセプトの視点を持ったデザイナーです。お見逃しなく!
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