2021年度卒 新入社員のみなさんへ
今回は、4月1日に新入社員がSHIFTにも入社しました。
コロナで当日は直接対面することなく、zoomを通して入社式をしましたが、その時の私からのメッセージをnoteにしてみました。
思い返せば、私は2000年4月に新入社員として、インクスという会社に入りました。
同期が30名程度だったと思います。今年はコロナ禍ではありますが、60名強の若者がSHIFTに入社してくれました。
下記は、その文章を文字起こししました
*************************
皆さん、おはようございます。
ようこそSHIFTへ。
本当は皆さんと直接対面して挨拶をしたかったのですが、コロナ禍という事でzoomを通して挨拶をさせて頂きます。
突然ですが、今日の朝新聞を読んでいたのですが、紙面では産業革命が起きたことによって、職を失った人がたらしいです。
当たり前ですよね。
しかし、その人類の仕事を奪う産業革命も、その恩恵を得られたのは70年たってからだったそうです。 しかし、産業革命後、雇用を奪う蒸気エンジンをイギリスは投資をしつづけ、その結果世界の覇権を得ました。大英博物館の展示品の多さがそれを物語っていますよね。
どこに投資をして、どういうふうに世の中を前進させるのかがとても大切な事だといつも思っています AIが人間の仕事を奪ったり、人より発達するというのは枯れた議論であると。
いつも思うのですが、世の中を次の時代にもっていけるのは、唯一人間です。 そのためには、自由な環境で自由に発言できることが大切になります。
当然ながら、オポチュニティーがあるマーケットでやることが重要です。
そこにSHIFTはフィットしています。
SHIFTはフルフラットな会社です。
自分のことを丹下社長という人はほとんどいません。
多くの人が「丹下さん」と呼んでいます。
これは強制しているわけではないけど、そういう環境がすごく大事です。 みなさんが入った会社、マーケットは、とにかくこれから伸びるし、自由です。
自由である一方、責任は問われる世界。
しかし、自分が意思をもってやれば、とても良い環境です。
今日は3つのことを伝えようと思っています。
まず1つ目に、育ててくれた社会に感謝して貢献するという話です。
僕の学生時代を思い返せば、中学生のとき自分の親から勉強しなさいと言われ、高校生のときには「バイクの免許をとりたい」と言ったら母親に却下された思い出があります。
しかし、学生時代は、自分で稼いでいるわけではありません。
だから、親から自由を奪われていたのは当たり前の話なんです。
いま、みなさんが働いている環境は誰がつくったのか。無料で小学校、中学校、高校に行けたのは誰のおかげかなのか。
もし、みなさんが公立の学校へ通っていたら、その費用は納税したお金で賄われています。社会、もしくは親がみなさんを育ててくれました。
それは「先人」のおかげです。
2005年に起業したときにインターネットが好きだったため、シリコンバレーへ行き、ゼロックスがつくったパロアルト研究所を訪問しました。
インターネットの基本をつくり、GUIで有名な研究所です。
しかし当時のアメリカは、インターネットの速度が遅かった。一方、日本はインターネットが速く、しかも安くて、サービスも家電も発達していたんです。
いま、海外のブロックチェーンの技術者は、意外に日本にいます。
それは「規制」がないから。
日本は豊かで環境が揃っていて、リスクがない。
それをつくってくれたのは「先人」なんです。
江戸時代に生まれてちょんまげで袴を履いて刀をもって生きているよりは、現在に生まれ、インターネットや車を使えた方が良いのは当然です。 この便利な環境があるのも「先人」のおかげ。
みなさんが生まれてきた意味が出てくるのは、やっとこれからです。
自分たちで仕事をしてお金を稼ぐということが、すごく大切です。 自分たちが学んだことを使って働き、リターンを得て、それを使って納税をしたり、面白い社会をつくっていくことに貢献する。
みなさんは、やっとそのスタート地点に立てたというわけです。
2つ目に、人生のゴールを持てという話です。
もうこれからは、「朝8時に起きろ」「身だしなみをしっかりしろ」と、学生ではないから誰からも言われません。
社会に出たら年齢も性別も学歴も関係なく「よーいドン」のマラソンです。
ずっと働く人ならば一生がマラソン。 みなさんは、ゴールがなく、誰からもお尻をたたかれず、生きていく世界に突入しました。
自己責任で、自分で決めた目標に対して、自分でマイルストーンを切り、自分でどう豊かな人生を過ごすのか決めないといけな。
社会が悪い、会社が悪い、上司が悪いという人がいますが、みんな限られた24時間のなかで仕事をしています。
「才能がない」ということは、どうでもいいこと。 アスリートと違って、社会に出たら才能の差はそこまで出ません。
「やるか、やらないか」で決まってしまいます。 これまでの経験は重要ですが、どんな勉強をしたかはどうでもいい。
「こういう人たちを幸せにしたい」「負けん気が強い」「協調して仕事をしたい」といったような根底的なものを使って、新しい支持を得て、それを世の中に還元する世界にみなさんは入ってきています。
10年後、20年後、どうなりたいのか、目標を決めてください。
自分が新卒でコンサル会社に入社した時、会社をつくりたいと思っていたため、20代でビジネスのスキルを学んで、そして30代で会社をつくって成り立つようにしました。
40代は手広くやり、50代はグローバルに仕事をする。60代は30歳ぐらいになった自分の子ども、ロケットや医療や保育園に還元して、楽しく人を育てていきたいというのがライフプランです。
そのために、いま何ができるか考えています。 新卒で入社した時から、会社をつくるために、ビジネスのスキルを学んで、まず一人で稼げるようになろうと思っていました。
一人で稼げるようになったら、マネジメントができるようになろう、マネジメントができたら、お金の計算をできるようになろうと、ここまで考えていたんです。
当たり前ですが、スタートダッシュがほかの同期と違う。だから、入社1年目から社長のアシスタントをやったわけです。更に僕には秘書がいました。
どう考えて、どう生きるか。 他人の時間で生きているわけではないんです。
前の会社では、自分が将来こういうことをやりたいからと、会社という箱を使って学ばせてもらいました。
会社のいいところは、会社が責任をとってくれるところ。 会社の予算、会社のブランド、会社のリソースは、自分で起業したら使えません。起業したら自分でお金を出さないといけない、ブランドもなければ、いっしょに働く人もいない。 でも、会社はすべて揃っています。それらを徹底的に使いながらやっていきました。
ゴールを決めて、そのために自分が何をできるのか。この会社、組織で何を学ぶことができるのか考えるべきです。 そして、学びながらも、どれだけ貢献できるのかということが社会人にとって大切になります。
そして、3つ目が人間として生きろという話です。
納税も重要ですが、世の中の人たちに貢献するものをつくること自体が、人間に与えられた使命です。
人生を通して働くのであれば、この環境を活用し、社会人人生40年のなかで、さらに環境を良くしていくことにコミットすべきです。
そうしないと草木と同じ。空気を吸って生きているだけで、人間である必要はありません。
有名な例え話があります。 人がほとんどいない海に面した国で育った青年がいました。
毎日、青年は魚を狩っていましたが、ある日、先進的な国の人がきて、その人たちがカッコよく見えました。 自分も携帯電話を使ったり、いろいろなものを買ったりしたいと青年はニューヨークへ。
青年はニューヨークでビジネスを成功させ、南の島に別荘を買いました。 結局、まわりにまわって最後は幼少期を過ごしたような場所に戻るため、そんなに人は頑張らなくていいという話です。
しかし、僕はこれを間違っていると思っています。
世の中が発展するものをつくるために人間が必要なんです。だから、青年はニューヨークに行くべきです。 人間は、時間をかけて世の中が前進することに貢献できる、また考えられる唯一の生き物なんです。
数ヶ月前、6歳の息子に、 「考えたり、楽しむことができるのって人間だけだよね」「大きくなったら、楽しむことをつくって提供して、面白い会社をつくりたい」と言われました。
つまりは、そういうことなんです。
みなさんも、空気を吸っているだけの人生はやめてください。
社会に出たのではあれば、育ててくれた環境に感謝しながら、どういう貢献ができるか考えるべきです。
一人の天才をサポートして大きな仕事を成し遂げてもいい。リーダーシップを発揮してもいい。人それぞれで、色々なやり方があるはずです。
だから、少なくとも人間であることを意識して働いてほしいと思います。
最後に、もう一度、伝えたいことをまとめます。
昔ながらのヒエラルキー、階層構造、凝り固まった考え方は、これから廃れていくでしょう。
だから、自由な環境、自由に責任をもって働ける環境に感謝してほしい。
目標をもち、この会社で何を学ぶのか、社会にどんな貢献をするのか、常々考えてい欲しいです。
そして、先人がつくった環境に感謝して、社会人としてのスタートを切ってほしいと思います。
今回はコロナのため、直接皆さんに会えませんでした。
もし、僕に会いたいなら、是非出世をしてください。
SHIFTには1年で出世する人がいますから。
頑張りながら、社会人人生を楽しんでください。