8-3 占いの世界へダイブ
すっかり占いの虜になってしまった私は、その後、貪るようにネットや本で占い、特に西洋占星術のことを調べまくった。自然育児の本に、「授乳中は、赤ちゃんの目を見てコミュニケーションしましょう」と書かれていて、それを頑なに守っていたのに、一気にほっぽり出して、私は西洋占星術の本を読みふけるようになった。
私は子供そっちのけで占いのことを調べ、答えを探した。
なぜ私は産後鬱になったのか。
なぜ私は娘と二人でいると苦しいのか。
なぜ私は毎日怒鳴ってしまうのか。
なぜ私は幸せになれないのか。
なぜ私はあのタイミングで母を亡くしたのか。
なぜ私は生きているのか。
なぜ…なぜ…
育児系の本を読んでも、時々感動することに出会うが、どうしてもそれだけでは前に進めなかった。私は「一般論」より、「私のための答え」を探していた。私だけの答えが欲しかった。それが占いにはあると信じ込むようになった。
今思えば、若干危険な状態だった。私は「占い」を信じているが、「占い師」のことを全員信じているわけではない(もちろん、信頼できる占い師さんもたくさんいますよ!)。残念ながら、世間一般の悪いイメージにある詐欺師的な占い師は実際にいるし、詐欺師までいかなくて、その占い師さん自身に悪気はなくとも、依存を呼び、占いを受けに来た人の人生を前に進めるどころか、余計な迷宮へと誘いこんで自分から離れられなくしてしまうタイプの人もいる。そこら辺は、占いを受ける上で非常に気を付けなければいけないことだろう。
でも、今でこそそんな偉そうなことを言っている私だけれど、産後鬱絶好調だった当時の私に、そんな分別ができたとは思えない。あの時、「このままだとあなたは不幸になりますよ。さあ、毎週私のところにいらっしゃい」という占い師に親切にされていたら、もしかしたら泥沼にはまり込んでいたかもしれない。さすがに、「この壺を買わないと、あなたは不幸になります」って典型的なことを言われたら気づいただろうけど。
しかし、とても非常にすっごく幸いなことに、私はかなり初期の段階で、今でも信頼している占い師さんと出会った。「出会った」と言っても、ネット検索で私がその人のブログを見つけただけで、向こうは私のこと知らないのだけれど。その人はとても現実的な人で、「運命の人を探して婚活するなら、神社にお参りに行くんじゃなくて、メイクレッスンを受けて綺麗になりなさい」というような、おおよそ世間一般の占いの神秘的イメージとはかけ離れたタイプの人だった。
なぜだか、「占いなのに、書かれていることが辛辣なほどに現実的」というその占い師さんのブログに心惹かれ、私はその人のスカイプ鑑定を申し込んだ。その占い師さんは東京在住で、都内の某占いの館的なお店に在籍されていた(今でも在籍されている)。そのお店のホームページもまた面白く、在籍されている占い師さんのほとんどは、やはり私が以前まで抱いていた「占いは怪しい」イメージとはかけ離れた超現実的な人が多くて、毎日更新されるお店日記を、私は毎日読むようになった。
そこで、私は色々なことを学んだ。占いの知識的なことはもちろん、占いの問題点だとか、依存の危険性だとか、「こういう占い師って、勘弁してほしいよねー」とか。そういう占いと付き合う上での現実的注意点を、占いにはまり込み始めた初期段階で私は知ることができたのだ。自分に合った良いところにいきなり巡り合えて、本当に、今思ってもラッキーだったと思う。
私はその占いのお店のことをすっかり信頼したものの、幼子を抱えて占いのために上京することはなかなか難しいので、そこに在籍されている占い師さんで、メール鑑定可能な人を探して申し込んだりした。お店日記だけでなく、占い師さん個人のブログなども読むようになり、そこで本だけでは得られない、生々しい占いの事例みたいなものを学んでいった。
ちなみに、後にミラクルな出会いがあり、在籍されている憧れの占い師さんに愛知でお会いできる機会が何度もあり、今でもネットなどを通じてお付き合いがある。これが「引き寄せ」なのだろうか。私は本当に運が良い。
話が若干反れてしまったが、私は産後鬱から抜け出す秘策を求めて、占いを頼っていった。それは段々、「産後鬱」に限らず、「本当の自分」を探す旅へと繋がっていくのだった。
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